公務員試験情報

【特別区経験者採用】かしこく併願戦略を立てよう~やりたいこと&科目&日程で考える

経験者採用試験に向けて、仕事や家事の合間をぬって勉強しているみなさん!

あなたは「併願戦略」をもっていますか?

「とりあえず、特別区しか考えてなかった…」
「落ちたら来年もう一回受ければいいのでは?」
「他の自治体の対策している暇なんかないよ!」

このように考えていたら、ちょっとキケンかも。

結論、経験者採用を受ける忙しい社会人こそ「併願戦略」が必要なんです。

本記事では、

✓経験者採用で複数自治体を併願した方がいい理由
✓3つの観点から考えるかしこい併願戦略の立て方
✓併願戦略を立てる際に陥りやすい失敗とその予防

などなど、最小の労力で最大の効果を生み出す併願戦略のコツを述べています。

あなたが気になる項目から読んでみてくださいね。

※新卒向けの公務員試験と異なり、経験者採用は自治体によって様々な時期に実施されます。
そこで本稿では「併願=同年度に複数自治体の試験を受けること」と定義して説明します。

1.経験者採用はなるべく併願受験しよう!

経験者採用試験は、忙しい社会人が受験生なので、単願も仕方ないと考えるかもしれません。

ただ、私は次の3つの理由から併願をオススメします。

①受験生の心理面にプラスの影響があるから
②経験者採用はとにかく受験倍率が高いから
③社会人の受験チャンスはそもそも限られているから

以下、一つずつ解説していきますね。

1-1.受験生の心理面にプラスの影響があるから

よい併願戦略をもっていると、受験生はメンタル的に安定します。

「特別区試験の前に、●●市の試験で練習できる。」
「特別区試験の後にも、●●市の試験にチャレンジできる。」

高校受験や大学受験を思い返してみても、複数の受験先があるとやはり心強いですよね。

「いろんな自治体の受験対策をしている暇がない!」

こんな方もいらっしゃるでしょう。

ただ、試験の傾向が似ている自治体を1つ増やすだけなら、そこまで負担になりません。

それで合格可能性は2倍になるのですから、検討しない手は無いですよ!

1-2.経験者採用はとにかく受験倍率が高いから

自治体 区分 最終倍率(令和5年度)
特別区 Ⅰ類(春試験) 2.5倍
特別区 事務-1級職 4.0倍
特別区 事務-2級職 6.4倍
東京都 事務-不動産 11.0倍
仙台市 社会人経験者-事務 13.2倍
さいたま市 民間経験者-行政事務 43.6倍
横浜市 社会人-事務 10.3倍
名古屋市 職務経験者-行政 10.6倍
大阪市 事務行政(26-34) 7.1倍
福岡市 行政-一般 24.4倍

上の表を見てください。
大学生向け(新卒)試験に比べて、経験者採用はとても倍率が高い
ですね。

令和5年度、特別区(事務職)は4~6倍ですが、これは近年でもかなり低倍率でした。
※例年は8~10倍程度の倍率です。

このように倍率の高い試験では、単願で確実に合格を勝ち取るのはかなり難しいです。

だからこそ、併願戦略が大切になってくるんですね。

1-3.社会人の受験チャンスはそもそも限られているから

「倍率が高くても、毎年チャレンジすればいいじゃないか!」
こんな意見もあるかもしれません。
ただ、その場合、当然ながら1年間待っている必要があります。
1年後、今以上にご自身の仕事が忙しくなり、思うように受験勉強できないかもしれません。

また、それよりも確実に言えることは、「年齢が1つ上がってしまう」ことです。
経験者採用では、求められる社会人経験を十分に満たしていれば、若ければ若い方が有利です。

キャリア形成や人件費の関係で、50代より40代、40代より30代の方が受かりやすいんですね。
となると、「一番若い今こそ」できるだけ意欲的に受験するのが得策でしょう。

2.経験者採用のかしこい併願戦略【特別区志望者を例に】

では、具体的にどのように「併願戦略」は立てればよいでしょうか。

ここでは「特別区経験者採用」を第1志望にしている受験生を例にあげます。

そして、次の3つの観点から「併願戦略」を立てていきます。

①「特別区」と近い仕事ができるところを選ぶ
②「特別区」と試験内容が似ているところを選ぶ
③「特別区」と試験日程の相性がよいところを選ぶ

以下、一つずつ見ていきましょう。

2-1.「特別区」と近い仕事ができるところを選ぶ

地方自治体
基礎自治体 広域自治体
・住民に身近な行政サービスを提供
・地域の実情に応じたきめ細やかな対応
・地域コミュニティの形成支援 など
・より広域的な行政サービスを提供
・基礎自治体の連携、調整や支援
・国と市町村の連絡調整 など

※特別区や政令指定都市は基礎自治体だが、一部、広域自治体の権限も付与されている。

まず、仕事の「中身」から考えることが最も大切です。

上の表を見ると、「基礎自治体」「広域自治体」では仕事がけっこう違うと分かりますね。

✓住民との距離が近い仕事がしたい
⇒「基礎自治体」(●●市や●●町といったところ)を併願する
⇒特に「政令指定都市」はオススメ。規模感や権限が特別区に近いため。

✓首都・東京を支える仕事がしたい
⇒「東京都」(キャリア活用採用選考)を併願する

基本的には「基礎自治体」、特に政令指定都市を併願すると良いでしょう。

ただ、特に東京に思い入れがある、より規模の大きい仕事も…という方もいるかもしれません。
そんな方は東京都の経験者採用にあたる「キャリア活用選考」の併願をオススメします。

※ただし、東京都の「キャリア活用採用選考」は受験資格に細かい指定があります。
詳しくは、「東京都職員採用」ページでご確認ください。

2-2.「特別区」と試験科目が似ているところを選ぶ

次に、試験科目や内容が似ている自治体を選ぶことです。

社会人受験生は、試験勉強にかけられる時間が限られています。

特別区受験生ならば、特別区のように、

✓論文・面接試験の比重が高い自治体を選ぶ
✓SPIやGABなどの適性検査が不要な自治体を選ぶ

以上のことを意識して、募集要項を見ると良いでしょう。

SPIなどの適性検査(非言語分野)は、特別区でいうと教養試験の「数的処理」に似ています。
ただ、問題形式の違いや、PCでの解答に慣れるなど、対策には一定時間が必要です。

余裕のある受験生は対策してOK。厳しい場合には、併願を工夫して対策科目を絞りましょう。

2-3.「特別区」と試験日程の相性がよいところを選ぶ

「特別区」経験者採用 併願A 併願B
申込期間 6月下旬~7月中旬 一次(教養・論文)
一次試験(教養・論文) 9月初旬 二次(面接)
二次試験(面接) 10月下旬~11月初旬 一次(教養・論文)
合格発表 11月中旬 二次(面接)

最後に、試験日程の相性も考慮しましょう。

上の表では、特別区と併願A,B、計3自治体を受験する人を想定しました。
このように「特別区」より少し早め、遅めに試験がある自治体を1つずつ併願すると良いです。

なぜなら、

✓早めに試験がある・・・「特別区」の腕試しになり、早めに試験対策する意欲にもつながる
✓遅めに試験がある・・・それまでの経験が生きて実力を発揮できる、「おさえ」にできる

こんな良さがあるんですね。

一点、注意が必要なのは、「試験日程がかぶってしまうこと」

この場合、どちらかの自治体を諦めないといけません。

ただ、要項が発表された段階では、試験日程が被るか分からない場合も。
(二次試験の日程が一次試験合格発表後まで分からないことが多いです。)

そんなとき、迷ったら、とりあえずエントリーしましょう!

チャレンジすることで、確実に論文力や面接力はアップしていくのです。

3.【注意!】併願戦略を立てる際に陥りやすい失敗

ここまで、成功する併願戦略について述べてきました。

本項では、逆に失敗につながりかねない併願についてふれます。

具体的には、次の2つ。

✓併願し過ぎてしまう
✓バラバラの種類の公務員試験を受けてしまう

受験生が陥ってしまいやすいパターンでもあるので、要チェックです!

3-1.併願し過ぎてしまう

第一に、併願し過ぎてしまうことです。

併願し過ぎると、当然ながらそれぞれの自治体の試験対策は甘くなります。
特に、経験者採用を受ける忙しい社会人なら、なおさらです。
ふだん、特に仕事が忙しい社会人は3自治体程度の受験が限度でしょう。

よく要項を読み比べて、「ここぞ!」という自治体に絞ってください

3-2.バラバラの種類の公務員試験を受けてしまう

第二に、バラバラの種類の公務員試験を受けてしまうということです。

たとえば、「特別区」の受験生が「県庁」「国家一般職」を併願するようなパターン。

先にふれた通り、「特別区」は基礎自治体。「県庁」は広域自治体。
「国家一般職」なら地方公務員ではなく、国家公務員ですね。

それぞれ業務内容がかなり違うので、志望動機や自己PRを別々に作り込む必要があります。

また、面接では、それぞれの仕事について(基本的には)、

「これこそ私が最もやりたい仕事です。」

と熱く語れないといけませんね。

多くの人は、そこまで器用なことはできないのではないでしょうか。

ですから、「特別区」受験生は基本的に、同じ基礎自治体を中心に併願しましょう。

4.まとめ

本稿のまとめです。

✓経験者採用受験者が併願した方がいい3つの理由

①受験生の心理面にプラスの影響があるから
⇒複数の受験先があると、やはり心強い

②経験者採用はとにかく受験倍率が高いから
⇒高倍率の試験なので、併願で合格率を高める

③社会人の受験チャンスはそもそも限られているから
⇒「今」が一番若く受かりやすいので、併願はするべき

✓併願戦略を立てる3つの観点

①「特別区」と近い仕事ができるところを選ぶ
⇒基本は、特別区と同じ「基礎自治体」を選ぶと良い

②「特別区」と試験内容が似ているところを選ぶ
⇒同じように論文・面接重視の自治体にすると良い

③「特別区」と試験日程の相性がよいところを選ぶ
⇒少し早め、少し遅めの自治体と組み合わせる

※スケジュールは下記の表の通りです

「特別区」経験者採用 併願A 併願B
申込期間 6月下旬~7月中旬 一次(教養・論文)
一次試験(教養・論文) 9月初旬 二次(面接)
二次試験(面接) 10月下旬~11月初旬 一次(教養・論文)
合格発表 11月中旬 二次(面接)

✓うまくいかない併願戦略

×併願し過ぎてしまう
×バラバラの種類の公務員試験を受けてしまう

以上です。

併願戦略が整うと、安心して目の前の試験勉強に集中することができます。

「これまでの経験を生かし、公務員として働きたい!」

そんな意欲ある皆さんにこそ、ぜひ併願戦略で未来の可能性を広げてほしいと願っています。
ぜひ今年度、合格を勝ち取ってください。

応援しています!

※ASK公務員では、特別区など「経験者採用試験」の情報を積極的に発信しています。
合わせて読んで頂けると、学習のヒントになるはず。ぜひご活用ください!
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令和6年実施(令和7年4月採用)大卒程度公務員(主なもの、2024年上半期)の一次試験日程について

1.はじめに

公務員一次試験は、SPI型でなく教養試験型ならば、多くの試験種とも数的処理・文章理解・社会科学・人文科学・自然科学で構成されています。また、専門試験の内容も、職種が同じであれば似ています。

したがって、併願を考えた場合、試験対策上の負担は軽いといえます。加えて、受験自体に費用もかかりません(受験会場まで行く交通費などはかかりますが)。

指導経験上も、一つしか公務員試験を受けない人は少ないです。ということで、とにかく公務員になりたい人を中心に、日程が重なっていないのであれば、ぜひ併願をお勧めします。

その際の参考情報として、以下、令和7年4月採用者対象の令和6年実施試験の一次試験日程について、令和6年2月20日現在、判明しているものをご紹介していきます。国家系と、地方の主だった試験(統一試験日)を紹介します。

なお、日程の変更などの可能性は少ないものの、否定できません。また、地方に関しては、様々な職種で別日程で実施していたり、同じ職種でも採用試験方法が異なると別日程だったりしています。そのため、志望している試験種・自治体については、必ずご自身でHPをご確認ください。

2.国家系

(1)2024年3月に第一次試験が実施されるもの

・3月9日土曜日……参議院事務職(総合職)
・3月10日日曜日……衆議院法制職(総合職)
3月17日日曜日……国家公務員総合職
・3月24日日曜日……国立国会図書館(総合職・一般職)

(2)2024年5月に第一次試験が実施されるもの

・5月11日土曜日……裁判所事務官(総合職・一般職)、家庭裁判所調査官
・5月25日土曜日……衆議院事務局(一般職)
5月26日日曜日……国税専門官、財務専門官、法務省専門職員(人間科学)、
皇宮護衛官(大卒程度)、食品衛生監視員、労働基準監督官
航空管制官、海上保安官、防衛省専門職員

(3)2024年6月に第一次試験が実施されるもの

・6月1日土曜日……外務省専門職員(1日目)
6月2日日曜日……外務省専門職員(2日目)、国家公務員一般職

3.地方系

(1)都道府県・政令指定都市・特別区など

・東京都庁Ⅰ類B、新方式、東京消防庁一般職員Ⅰ類→4月21日日曜日
・東京都庁Ⅰ類A、東京消防庁消防官→5月12日日曜日
・特別区Ⅰ類→4月21日日曜日(一部職種で秋試験が9月8日日曜日)

・他、多くの県庁、市役所で6月16日日曜日を第一次試験としています。ただし、例えば、愛知県は5月19日日曜日に実施するなど例外もあります。例外の日に、自身の志望先が入っていないかはよく確認しましょう。

・また、多くの県庁、市役所では、この統一試験日以外に、多様な採用方式で試験実施するケースもあるので注意が必要です。例えば、横浜市では、6月16日日曜日の試験において大卒程度を実施します。ただ、その前に3月19~4月2日にかけて、SPI方式の「春実施枠」試験があります。

(2)公安系

・警視庁Ⅰ類→4月13日土曜日(なお、9月15日日曜日、2025年1月12日と年3回ある)
※警視庁の警察行政職員やその他専門職は4月21日日曜日

・他、多くの都道府県警察において、5月12、19日に第一次試験が実施される。もちろん、4月21日に岩手県警、4月27日に茨城県警といった形で別日程のところもあるので、自身の考えている県警の試験日程は早めに確認しましょう。

4.おわりに

例えば、名古屋市在住で行政系の専門科目まで勉強している新卒採用希望者がいたとします。就職時に、東京など関東圏へ行くことにためらいがなく、行政事務以外に、警察官でも良い場合、次のように併願することができます。

国家総合職(3月17日)→警視庁Ⅰ類(4月13日)→特別区(4月21日)→裁判所事務官(5月11日)→愛知県警(5月12日)→愛知県庁(5月19日)→国家専門職試験(5月26日)→国家一般職(6月2日)→名古屋市(6月16日)

これはあくまでも一例です。お伝えしたいのは、こうした併願で自身の公務員試験合格を高めることにつなげていただきたいということです。

なお、繰り返しになりますが、各自治体の試験日程は、同一自治体でも複数ありますので、必ず良く調べましょう。

究進塾では、公務員試験の併願スケジュールを一緒に考え、学習計画を立てることも無料相談を通じて可能です。「自分ではちょっと日程を考え切れないなぁ」と悩んでいる場合は、ぜひご相談ください(オンライン受講も可能です)。

皆さま一人ひとりにとって、良い受験スケジュールを考えましょう。応援しています。

令和6年度、地方上級公務員試験の日程・内容に注目しよう!(札幌市・横浜市など)

公務員試験の中でも、地方公務員の採用試験は、それぞれの自治体によって試験日程や内容が異なるので、傾向が分かりづらいと思うことはないでしょうか。

本記事では、都道府県庁や政令指定都市といった大規模な地方自治体に採用されるために、大卒者が受験する地方上級公務員試験の日程について、また民間企業の就活に取り組んでいる人も公務員試験を受けやすくなってきている令和6年度の傾向について、お伝えします!

1.はじめに

公務員試験の日程について、注目すべきことが起きています。
大卒者が受験する地方上級公務員試験の多くは、6月に一次筆記試験を実施し、面接試験などを経て、8月に最終合格発表をすることが通常となっています。
そのため、民間企業の選考が早く進んで内定を得られれば、公務員試験までは受けずに民間一本で就職活動をする人も多かったのではないでしょうか。

しかし、令和6年度は、5月に最終合格発表が行われる「春の地方上級公務員試験」も出てきました。知らなければせっかくのチャンスを逃がしてしまいますので、早速チェックしてみましょう!

2.地方上級の公務員試験日程が早期化している!?

地方上級として区分されるのは、都道府県の「上級」「1種」「A区分」や政令指定都市※の「大学の部」「大学卒程度」の試験区分ですが、ここでは地方上級公務員試験のうち、「事務」「社会福祉」「土木」など、採用数の多い「行政コース」「福祉コース」について、説明します。

※政令指定都市

政令で指定されている大都市で、都道府県と同様の業務権限を持つこともある。
令和6年2月1日現在、以下の20都市が指定されている。

札幌市、仙台市、さいたま市、千葉市、横浜市、川崎市、相模原市、新潟市、静岡市、
浜松市、名古屋市、京都市、大阪市、堺市、神戸市、岡山市、広島市、北九州市、
福岡市、熊本市

なお地方自治体によって、試験区分や職種の名称が異なることも多いので、実際には都道府県や各市のホームページなどで採用区分の詳細と最新の状況を確認してください。

6月に一次試験を実施する多くの地方自治体では、4月から5月に申込受付期間が設けられ、一次試験である筆記試験などの成績で一次合格の後、論文試験や専門試験、集団討論が課されることもありますが、二次あるいは三次で面接試験を経て、8月中旬になってやっと最終合格発表されることが多いといったスケジュール感です。

しかし今年の特徴として、3月、4月と春にも一次試験が実施される政令指定都市などが徐々に出現してきています。
最終合格発表も8月中旬が通常ですが、3月、4月の春に一次試験を実施する区分では、5月、6月と早くに合格発表がなされる区分が新設されています。

3.民間企業と地方上級、両方を受けやすくなっている!

公務員試験といえば、教養試験や専門試験の科目が多くあり、「公務員試験対策の勉強を長期間していないと無理…」と考えて諦めてしまう人や、まず民間企業を考えて就活をしているから公務員試験の勉強に時間をかけることはできず、両立は無理と思っている人にも、チャンス到来です!

公務員試験では、法律、経済、判断推理、数的処理や専門知識が問われる問題が多く、大学の卒業論文や部活動・サークル活動、アルバイトで忙しく勉強にかける時間がなかったり、あるいは新卒で民間企業等に勤務しながら公務員への転職を考えている人などは、現在の仕事で忙しく勉強に時間がとれずに、ジレンマを抱えているのではないでしょうか。

ですが、そんな方には朗報です。
いわゆるSPI型検査、適性試験で一次試験を実施することで、公務員試験としてイメージされる、さまざまな知識を問われる筆記試験を課さない、という試験区分が徐々に設けられてきているのです。

特段に時間をかけて多くの試験勉強をしなくても、公務員への適性が高い、能力があると認められれば、あとは面接などの二次試験に進むことができるので、時間と労力をぐっと少なくすることができるようになりました。

民間企業と公務員の両方を視野に入れて、就職活動をしやすくなっていますので、無理なく可能性を広げる中で、自分が本当にどこでどのような仕事をしていきたいのかを考え、職業を選んでいきましょう。

4.2024年試験日程に注目の政令市(大都市)大卒区分

大卒者が受験することのできる地方上級試験に相当する区分のうち、大都市である政令指定都市は、都道府県が担う仕事も行っている、大規模な行政のダイナミズムを感じることができる市役所です。
政令指定都市20市のうち、
令和6年度に新たに早期枠の試験を設ける札幌市
SPI型検査を拡大する横浜市は、注目です。

札幌市

札幌市は、

令和6年3月上旬~中旬に春試験の申込受付を行い、
4月上旬~中旬に一次試験をSPI型試験で実施する区分を、大学の部・行政コースで新たに設けることを発表しています。

この春試験では、6月中にも最終合格発表をし、令和6年10月1日に採用する秋採用を想定しているとのことですので、令和6年度は既卒者が中心になるものと思われます。

令和7年度については、行政コース以外にも、福祉コース、学校事務、一般技術(土木、建築、電気、機械、衛生、造園)にも春試験を広げ、6月中に最終合格発表をしますが、採用時期は10月1日または翌年4月1日と、大学卒業見込の人も早い時期に早期合格発表を手に入れることができるようになります。

なお、札幌市は令和6年度も7年度も、現行試験もこれまでどおり実施するとのことです。

横浜市

横浜市は、

令和6年度大学卒程度採用試験の春実施枠を、事務、土木、建築、機械、電気、デジタルの区分で行い、
3月1日~15日に申込受付、
3月19日~4月2日に一次試験を適性検査(SPI3)で実施し、全国どこからでも受検可能とのことです。

事務は、プレゼンテーションの二次試験、面接の三次試験がありますが、その他の試験区分はプレゼンテーションを含む面接を二次試験で完結し、5月中旬から下旬に最終合格発表される見込みです。

デジタル区分については、春実施枠のみとのことですので、試験申込の受付期間を見逃さないように注意しましょう。

なお、横浜市も大学卒程度等の夏実施試験は、やはり6月16日に一次試験を実施、最終合格発表は8月上旬~下旬に行うとのことです。

5.まとめ~チャンスは増大! チャレンジしてみよう地方上級公務員

ここまで見てきたように、これまで公務員試験を考えていなかった人も、

適性検査(SPI3)の実施により、公務員試験対策に多くの時間を費やさなくても受けることのできる大卒区分が新たに出てきたことや拡大してきたこと、
春試験の実施など、試験日程と最終合格発表の早期化により、早く結果が分かることで、民間企業の就活と両立することができるようになりました。

 

チャンス到来です。
あなたも大都市や都道府県の公務員として活躍するため、地方上級の公務員試験にチャレンジしてみませんか?

公務員の技術職とは?職種や仕事内容、年収、試験概要を解説

公務員の技術職に興味はあるけど、「公務員の技術職にどんな職種があるのか分からない」「公務員の技術職の仕事内容を知りたい」、こんな悩みをお持ちではないでしょうか。
公務員の技術職は、専門分野の知識・技術を仕事に生かしたい人におすすめです。
本記事では、公務員の技術職の種類や仕事内容、年収、試験概要について解説しています。
「公務員の技術職の受験を検討している」「自分が公務員の技術職に向いているのか知りたい」方は、ぜひ最後までご覧ください。

1.公務員の技術職の種類

公務員の技術職の採用枠を設けているのは、以下の3つです。

①国家公務員(総合職)
②国家公務員(一般職)
③地方公務員

公務員の技術職の種類は多数あります。
参考に国家公務員(一般職)の職種(試験区分)9つを以下に示します。

・デジタル・電気・電子
・機械
・土木
・建築
・物理
・化学
・農学
・農業農村工学
・林学

国家公務員(総合職)や地方公務員では、職種の呼び名や種類が異なります。
参考に東京都(1類B)の職種(試験区分)を以下に示します。

・技術職:土木、建築、機械、電気
・専門的な職種:環境検査、林業、畜産、水産、造園、心理、衛生監視、栄養士、獣医、薬剤A・B

東京都の場合、「技術職」のほかに「専門的な職種」という分類が設けられています。
別の地域では、東京都では専門的な職種に含まれている職種が技術職に分類されていることもあります。

まずは自治体の採用情報を確認し、どんな職種があるのか確認することをおすすめします。
希望の職種がない場合は、別の自治体では採用枠が設けられている可能性もあるため、色々な自治体の採用情報を確認してみてください。

2.公務員の技術職の仕事内容

公務員の技術職のうち、主な職種の仕事内容についてご紹介します。
ここでは、地方公務員の仕事内容についてご説明します。

公務員の技術職「土木」の仕事内容

「土木」の仕事内容は、主にインフラ整備に関わる業務です。

道路や鉄道、公園など生活資本の整備と管理、上下水道やダム、河川などの水資源の管理・保全などに携わります。市街地再開発・土地区画整理事業の実施、都市計画の策定などの業務に携わることもあります。

(参考)東京都の主な配属先

・本庁(建設局・都市整備局・水道局など)
・建設事務所
・市街地整備事務所 など

公務員の技術職「建築」の仕事内容

「建築」の仕事内容は、主に都市計画やまちづくり、公共住宅に関わる業務です。

まちづくりや住宅政策など都市整備に関する企画、公共住宅の建設計画・設計監督などに携わります。建築基準法に基づく指導、公営住宅の運営、自治体保有の建築物の整備などの業務に携わる場合もあります。

(参考)東京都の主な配属先

・本庁(都市整備局・財務局など)
・建築指導事務所 など

公務員の技術職「機械」の仕事内容

「機械」の仕事内容は、主に機械設備の維持・管理に関わる業務です。

上下水道施設や鉄道などの機械設備の維持・管理や、道路や河川、公園などの機械設備の建設などに携わります。公共建築物の空調設備や給排水設備、浄水場、ダムなどの施設の管理・保全などの業務に携わる場合もあります。

(参考)東京都の主な配属先

・本庁(交通局・水道局・下水道局など)
・車両検修場
・浄水場
・水運用センター
・水再生センター など

公務員の技術職「電気・電子」の仕事内容

「電気・電子」の仕事内容は、主に電気設備の維持・管理に関わる業務です。

上下水道施設や港湾、空港などの電気設備の維持・管理、道路や河川、公園などの電気設備の施工などに携わります。公共建築物の受電整備や監視整備、浄水場、発電所、ダムなどの施設の管理・保全などの業務に携わる場合もあります。

(参考)東京都の主な配属先

・本庁(交通局・水道局・下水道局など)
・地下鉄電気管理所
・浄水場
・水運用センター
・水再生センター など

公務員の技術職「化学・環境・衛生」の仕事内容

「化学・環境・衛生」の仕事内容は、主に大気や水質など生活環境に関わる業務です。

大気環境保全施策の企画・実施、工場排水や生活排水、産業廃棄物に関する規制・指導、水源河川や給水栓の水質検査などに携わります。地球温暖化対策、再生可能エネルギーの普及、リサイクルの推進などの業務に携わる場合もあります。

(参考)東京都の主な配属先

・本庁(環境局・水道局・下水道局など)
・浄水場
・水質センター
・水再生センター など

公務員の技術職「農学」の仕事内容

「農学」の仕事内容は、主に農業の普及・振興に関わる業務です。

農業者への技術指導や新規就農者の確保・育成、地元産の農産物のPRなどに携わります。試験研究機関での調査研究、農業大学校での教育指導などの業務に携わる場合もあります。

(参考)神奈川県の主な配属先

・農業技術センター(本所、各地区事務所)
・かながわ農業アカデミー
・横浜川崎地区農政事務所
・地域県政総合センター
・農政課
・農業振興課 など

公務員の技術職「林学」の仕事内容

「林学」の仕事内容は、主に森林の保全や林業の振興に関わる業務です。

森林計画の策定、森林の育成・保護、林業の経営指導などに携わります。このほか、山地防災、自然公園、市街地の緑化に係る施策の企画、生物多様性の保全に関する施策の企画・推進などの業務に携わる場合も行います。

(参考)東京都の主な配属先

・本庁(産業労働局など)
・森林事務所
・水源管理事務所 など

3.公務員の技術職の年収

国家公務員と地方公務員の年収(概算)を以下に示します。

平均給与月額(a) 期末・勤勉手当の
平均支給額(b)
年収概算
(a×12+b)
国家公務員 404,015円 約1,311,600円 約6,159,780円
地方公務員(東京都) 453,549円 1,889,761円 7,332,349円

(表:公的機関発表の令和5年度分のデータをもとに作成)
※平均給与月額:国家公務員は行政職俸給表(一)、地方公務員は一般行政職の区分における平均給与月額を示す。
(参考:koumu_jittai.pdf (jinji.go.jp)
(参考:r05_bonus_dec.pdf (cas.go.jp)
(参考:r05_bonus_jun.pdf (cas.go.jp)
(参考:「都職員の給与の状況」の概要|東京都 (tokyo.lg.jp)
(参考:冬季の特別給の支給 |東京都 (tokyo.lg.jp)
(参考:夏季の特別給の支給|東京都 (tokyo.lg.jp)

国家公務員の年収は約620万円、地方公務員の年収は約730万円です。

給与月額や期末・勤勉手当の支給額は、自治体や年齢、役職などにより異なります。
より詳しい情報が知りたい場合は、それぞれの自治体の給与情報を確認してみてください。

4.公務員の技術職の試験概要

受験申込から採用までの基本的な流れは、技術職と行政職でほぼ変わりません。

行政職の試験と大きく異なる点は、筆記試験で基礎能力試験(教養試験)のほかに、専門試験があることです。選択と記述の問題があります。

受験資格には、年齢制限が設けられており、対象年齢は自治体によって異なります。
2023年度受験を例にすると、国家公務員(一般職、大卒程度)は1993年4月2日以降に生まれた人、地方公務員(東京都、1類B)は1994年4月2日以降に生まれた人が対象です。

職種によっては、特定の資格や免許が必要な場合もあるため、一度自治体の採用情報を確認することをおすすめします。

5.公務員の技術職のメリット・デメリット

公務員の技術職のメリット・デメリットをご紹介します。

公務員の技術職のメリット

・専門分野の知識・技術を仕事に生かせる
・現場で経験を積むことでスキルアップができる
・退職後も専門的な知識・技術を生かせる

公務員の技術職最大のメリットは、学生時代に学んだ専門分野の知識・技術を仕事に生かせることです。
興味・関心が高い分野の仕事に携わることができるため、モチベーションを保ちやすく、専門家として頼りにされることも多いため、やりがいを持つことができます。

また、現場での実務経験を積むことにより、実践的なスキルを身につけることができるため、成長を感じられ、さらなるやる気アップにつながります。

さらに、退職後も専門分野の知識・技術は強みになります。専門スキルを生かして、関係機関や大学に再就職している事例もあります。

公務員の技術職のデメリット

・人員削減の影響を受けやすい
・専門外の部署への異動は難しい
・事務職に比べて昇進しづらい(出世ポストが限られている)

技術職は事務職に比べて採用人数が少ないため、退職や人事異動で人員が減少すると、残りの技術職の職員に業務が集中します。

技術職の配属先はほぼ決まっているため、就職後に新しい分野の仕事に挑戦してみたいと思っても、専門外の部署への異動は難しいです。

全ての技術職が出世できないわけではありませんが、一般的に採用人数が少ない技術職は事務職に比べて出世しづらい傾向があります。

6.公務員の技術職が向いている人・向いていない人

「専門分野の知識・技術を生かして人の役に立ちたい」「専門スキルを磨いてプロフェッショナルを目指したい」人は、公務員の技術職が向いています。
このような人は、モチベーションを維持しつつ、やりがいを持って仕事に取り組めるでしょう。

一方、「色々な分野の業務を経験してみたい」「出世欲が強い」人には、公務員の技術職はあまりおすすめできません。
このような人は、仕事内容や人事制度に違和感や不満を抱いてしまうかもしれません。

7.公務員の技術職に関するよくある質問

公務員の技術職に関するよくある質問をまとめてみました。

・公務員の技術職の仕事はきつい?
・公務員の技術職は勝ち組って本当?
・公務員の技術職で狙い目の職種はある?
・公務員の技術職には女性もなれるの?
・公務員技術職はなくなる?将来的に後悔する可能性は?

公務員の技術職の仕事はきつい?

結論からお話すると、技術職が事務職に比べて仕事がきついということはありません。

しかし、配属先によって超過勤務や休日出勤が多い職場はあります。そのため、仕事量が多く大変だと感じることはあるかもしれません。

仕事をきついと感じるかどうかは、自分の適性と運次第なところがあります。

公務員の技術職は勝ち組って本当?

技術職と事務職を年収と仕事量で比較してみます。

まず年収について、一定の条件を満たした技術職に受給される手当はありますが、多くの技術職の給与表は事務職と同じ行政職の区分に分類されるため、基本給に大きな差はないと考えられます。

次に仕事量について、前項でも説明したとおり、仕事量は配属先によって差があるため、事務職より技術職の方が仕事量が少ないとはいえません。

よって、職種による勝ち負けを考えるよりも、自分の適性に合った職種を選択する方が、充実した公務員人生を送れるのではないでしょうか。

公務員の技術職で狙い目の職種はある?

令和5年度の国家公務員(一般職)の採用状況を以下に示します。

試験の区分 申込者数(人) 最終合格者数(人) 倍率(倍)
行政 22,316 6,476 3.4
デジタル・電気・電子 435 173 2.5
機械 240 116 2.1
土木 1,045 449 2.3
建築 163 54 3.0
物理 284 155 1.8
化学 491 210 2.3
農学 756 342 2.2
農業農村工学 184 71 2.6
林学 405 223 1.8

(表:「国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)実施状況2023年度」をもとに作成)
(参考:ippann_daisotu_kekka_2023.pdf (jinji.go.jp)

合格者数が多い順に並べると、土木>農学>林学>化学>デジタル・電気・電子>物理>機械>農業農村工学>建築になります。

倍率が低い順に並べると、物理=林学<機械<農学<土木=化学<デジタル・電気・電子<農業農村工学<建築になります。

採用人数や倍率は年により変動がありますが、この結果から考察すると、土木、農学、林学は採用人数が多く、倍率も低いため、狙い目の職種といえます。
逆に、建築や農業農村工学は採用人数が少なく、倍率も高いため、難易度の高い職種であると考えられます。
また、行政職に比べて技術職の倍率が低いことから、行政職より技術職の方が狙い目といえるかもしれません。

公務員の技術職は女性でもなれる?

令和5年4月1日時点の女性国家公務員の採用状況を以下に示します。

総数(人) うち女性(人) 女性の割合(%)
国家公務員全体 9,063 3,504 38.7
うち技術系区分 1,704 464 27.2

(表:「女性国家公務員の採用状況のフォローアップ結果」をもとに作成)
(参考:20230606_siryou.pdf (cas.go.jp)

技術系区分の女性の割合は27.2%、つまり約4人に1人は女性です。
よって、女性でも技術職の公務員になることは十分可能であるといえます。

国では、技術系区分の女性の割合を令和7年度までに30%にする目標を掲げており、今後さらに女性の採用人数が増えることが予想されます。

公務員の技術職はなくなる?将来的に後悔する可能性は?

この疑問は現職の公務員の間でも以前から囁かれている事柄です。
これから受験を検討している人にとっては、より気になる疑問でしょう。
結論からお話すると、公務員の技術職が早急になくなる可能性は低いと考えられます。

公務員の仕事は職種に関係なく、利益になりにくいものの需要が高い業務や、快適な生活を送る上で欠かせないライフラインに携わる業務が中心です。
そのため、民間企業に仕事が取って代わられる可能性は低いと考えられます。

また、年によって採用人数に差はありますが、毎年採用の募集があり、採用人数が減少している傾向も伺えません

よって、公務員の技術職が早急になくなる可能性は低いと考えられます。

(参考:https://www.jinji.go.jp/saiyo/saiyo/ippan/saiyo_ippan03.html

8.まとめ

公務員の技術職の種類や仕事内容、年収、試験概要などについてご紹介しました。

公務員の技術職には様々な職種があり、仕事内容は多岐に渡ります。
人員削減の影響を受けやすいことや、専門外の部署への異動が難しいことなどの留意点はありますが、専門分野の知識・技術を生かせることが最大のメリットです。
また、公務員のメリットである経済的な安定、充実した福利厚生を受けられることも魅力の1つです。

「専門分野の知識・技術を生かして人の役に立ちたい」「経済的な安定も手に入れたい」方は、公務員の技術職の受験を検討してみてはいかがでしょうか。

公立保育士はおすすめ?試験内容について最低限知っておきたいこと

1.はじめに

保育士の活躍する場所は、大きく分けて、私立の園(社会福祉法人、株式会社、NPO法人などが設立)か公立の園(地方自治体が設立)となります。
本記事では、公立の園で保育士として働く場合のことをお伝えします。なお、働き方(雇用形態)には、臨時職員や派遣職員としてというのもありますが、ここでは、正規職員を想定し、その魅力(メリット)と留意点(デメリット)や、目指し方などをお伝えしていきます。

2.公立保育士のメリット

公立保育士になる際のメリットを3点挙げます。

◎メリットの第1は、就業時間に無理がないことが多い)という点です。
これは、私立の園に比べると、保育標準時間が明確に決められていることが多く、延長保育や休日保育も行っていないところが多いためです。言い換えると、公務員保育士の勤務時間が一定になりやすいわけです。
自身の生活リズムを整え、ワークライフバランスを追求したい方には向いているでしょう。

◎メリットの第2は、安心・安定の待遇です。
やはり公務員という身分ですので、福利厚生が充実しています。例えば、育児休業や介護休業などは取得しやすい傾向にあります(民間企業にこうした制度活用を推進する立場が行政なので、公務員はこうした制度が使いやすいわけです)。安心して働けることでしょう。
また、こうした待遇であることを反映し、長く勤める方が多いため、昇進などを通じて平均給与が私立の園より高くなっています。具体的には、内閣府が2019年に調査をした「幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査」にある下表です。

この表からは、保育士であれば、公立と私立で1500円ほどしか差がないのですが、主任保育士、施設長となるにつれて、給与差がついていきます。つまり、年齢を重ねていくと、公立の園で働いている方が給与が高くなりやすいということです。
ただでさえ、公務員という身分から倒産もないため、安定的な給与が支払われるのに加えて、以上のように長く働けば、大きな給与となる点は大きなメリットと言えます。

◎メリットの第3は保育の方針が安定していることです。
公立保育士は地方自治体の職員でもあるわけですので異動などがあります。しかし、自身が勤務している自治体における保育の方針はどこも統一していますので、戸惑うことが少ないでしょう。
また、急な変更で現場が困らないように、方針などの変更が生じても経過を考えて実行されます。このため、落ち着いて保育活動をしやすい側面があります。

3.公立保育士のデメリット

公立保育士になる際のデメリットを3点挙げます。

■デメリットの第1は、自分の考えにあう保育方針を打ち出している保育施設を選べるわけではないということです。
最新だったり話題だったりの保育理論、ユニークな活動などを私立は取り入れて差別化を図り、保育ニーズを満たすことがあります。他方、公立保育園はそうした部分は遅れをとることが多いと言えます。これは安定という意味ではメリットの第3に通じるのですが、保育士としてこだわりを持った保育活動をしたい方には不満点となるでしょう。

■デメリットの第2は、定期的な異動です。
異動を楽しめる人にはデメリットではないかもしれません。しかし、お住まいから遠くなる可能性があったり、新たな職場での人間関係構築がストレスに感じたりする場合もあります。

■デメリットの第3は、昇進が遅い場合が考えられるということです。
公立と私立の給与の違いを示した上図をみると、主任保育士の平均勤続年数は、公立で25.1年、私立で21.7年です。施設長となると、公立が31.8年で、私立が25.8年となりさらに開きます。このように、昇進が緩やかなことが、早く責任ある立場で働きたい人にとっては不満となるでしょう。

4.公立保育士の採用試験について

以上に挙げたデメリットは、考えようによっては、安定的な保育方針のもとで異動などを通じて様々な現場を知ることができる、すなわち、じっくり自身を成長させることができることにつながります。このため、デメリットに感じない方も多いことでしょう。それより、世間で言われる給与の低さなどがある程度緩和されやすい公立保育士を魅力的だと考える人が多いようです。そのため、採用倍率が高くなりがちです。

では、どのような選考過程を経て、公立保育士になるのでしょうか。
基本は、地方公務員試験の流れを踏むことになります。
すなわち、①出願→②一次試験→③二次試験(三次試験がある場合も)→採用という形です。

①は、民間企業に提出するようなエントリーシートみたいなものを提出しなければならない自治体と、資格試験の申し込みのように個人情報を書くだけの自治体とがあります。

②(一次試験)は、公務員の教養試験と保育士としての知識を問う専門試験で構成されることが多いです。ただ、自治体によっては、教養試験はSPIになっていたり、専門試験だけしか課さない場合もあります。

③(二次試験以降)は、面接と論作文、実技で構成されます。こちらも、面接だけ、面接と論作文だけ、面接と実技だけなど組合せのバリエーションが自治体ごとにあります。

面接は個人面接がスタンダードですが、グループディスカッションと個人面接とか、集団面接と個人面接など複数の形態を組み合わせる場合もあります。この場合、二次試験ではグループディスカッションや集団面接にして、三次試験で個別面接と分けての実施というケースもあります。

5.おわりに

以上から分かるように、自治体ごとに、採用試験の形態は様々です.。そのため、受けたい自治体の募集要項には、必ず目を通しましょう。
究進塾では、教養試験やSPIの対策、エントリーシートや論作文添削、模擬面接などの指導をしています

指導経験上、保育士になりたい方は専門試験用の保育知識を有している一方で、それ以外の部分への対策をより行ったほうが合格に近づくなと感じております。
困っている点があれば、お気軽に無料相談からご活用ください。難関となりやすい公立保育士合格を一緒に目指しましょう。

◎面接の個別指導講座

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◎論文・作文の個別指導講座

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2024年度から特別区Ⅰ類採用試験にICT区分が開始されます!

1.はじめに

特別区は、多様な人材を獲得するために様々な人事政策をしています。令和5年度には、経験者採用試験の事務職の採用区分にICTができました。

そして、令和6年度からは、経験者ではないⅠ類の区分でICT人材の獲得を目指した採用試験が開始されます

本記事では、こちらの受験資格や試験内容が現段階(2023年12月26日現在)でどのようになっているかを分かりやすくお伝えします。

2.特別区Ⅰ類採用試験(ICT)区分の受験資格について

受験資格では、次の2つが示されています。

●1つは、日本国籍を有することです。
●もう1つは、1993(平成5)年4月2日から2003(平成15)年4月1日という制限年齢です。

なお、以下のサイトを確認すると、この受験資格に「予定」がわざわざ書かれていますので、最終的な決定までは、きちんと特別区の採用情報をみておくことが必要でしょう。
ICT職開始について;https://www.union.tokyo23city.lg.jp/jinji/jinjiiinkaitop/documents/0425hodo.pdf

3.特別区Ⅰ類採用試験(ICT)区分の一次試験内容について

①教養試験について
教養試験の出題はあります。
ただし、人文科学・社会科学・自然科学という形での出題は無いようです。
一方で、数的処理は出題されます。また、社会事情という形で時事は出るようです。

まとめると、以下のようになります。

教養試験=社会事情7題+数的処理28題

なお、全問必答ですので、問題ごとに選択することはできません。

ここから分かるように、数的処理はかなり大事なウェイトを占めます。苦手な人は、集団指導の講義だとついていけなかったり、市販書が読み進められなかったりすることでしょう。
この場合は、個別指導などで力を付けると良いでしょう。ASK公務員/究進塾では個別指導の講座を開講しています。

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②専門試験について
専門試験では、必ず答えなくてはならない科目として、ICTが15題と、経営学5題があります。
一方、「憲法、行政法、ミクロ経済学、マクロ経済学、政治学25題から10題選択解答」もあります。こちらは、科目選択ではなく、問題選択と考えられます。
例えば、上記の5科目すべて2問ずつ解答して合計10題としてもいいですし、ミクロ経済学とマクロ経済学の2科目を5題ずつ解答して合計10題でもOK、ということです。普通は後者のようにするでしょうから、学習する科目が随分少なく済むということです。

まとめると、以下のようになります。

専門試験=必須20題(ICT15題+経営学5題)
    +選択10題(憲法、行政法、ミクロ経済学、マクロ経済学、政治学の5科目から)

③専門科目ICTについて
専門科目ICTの出題範囲は以下のように告知されています。
(ア)テクノロジーに関するもの
(基礎理論、情報テクノロジー、情報セキュリティ、開発技術 等)
(イ) マネジメントに関するもの
(プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント 等)
(ウ)ストラテジに関するもの
(システム戦略、経営戦略、関係法令 等)

科目内容的に、基本情報処理技術者とITパスポートなどの試験対策本で学習をしておくと備えやすいのかなと考えられます。
また、(イ)や(ウ)の内容には、経営学的なものが含まれそうです。したがいまして、必須科目同士が関連知識という、ありがたい状態と言えます。

④課題論文
次試験には、2題中1題を選択して書く課題論文もあります。

4.注意点

令和5年度から始まった経験者のICT区分の試験内容は、教養試験20題(数的処理14題+社会事情6題)と、専門論文(ICTをテーマとして経験や知識を問う論文 1 題)という形式でした。

「3」でみた特別区Ⅰ類の春試験は、教養試験が10題多いですし、専門論文ではなく課題論文です。課題論文がICTを必ずテーマとしているかどうかは分かりません。また、専門科目があります。

このように、区分名が同じでも、課される内容が違う点をよく踏まえておきましょう。ただ、経験者の場合も、数的処理は同じく重要なので、苦手な方は個別指導の検討をしておくと良いでしょう。

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なお、特別区Ⅰ類職員(ICT区分)の2次試験は、個別面接のみというところは経験者の区分と同じです。

5.まとめ

今回は、令和6年度から実施される特別区Ⅰ類職員(ICT)区分の採用試験の情報をお伝えしました。繰り返しますが、試験の最新情報は必ずネットで収集しましょう。

特別区人事委員会トップページ:https://www.union.tokyo23city.lg.jp/jinji/jinjiiinkaitop/index.html

また、現在(2023年12月26日現在)、特別区の以下のホームページには、ICT区分の職員を募集するための特設サイトもできています。どのような仕事をするのかのイメージを高めておくと良いでしょう。

特別区のICT職をもっと知ろう:http://www.union.tokyo23city.lg.jp/saiyo/2024/special2/

2024年度から国家公務員一般職の試験内容が変わります!

1.はじめに

2024年実施の国家公務員一般職は、大卒程度、高卒程度の両区分とも、一次試験の筆記試験の一部が見直され、後述のとおり変更されます。
試験制度が変わるのを知らずに従来の準備をしていると、効果的な試験対策にならない可能性が出てきます。

本記事では、何がどう変わるのか(あるいは変わらないのか)を説明しつつ、対策の心構えをお伝えしていきます。

2.国家公務員一般職大卒程度について

まず、国家公務員一般職の大卒程度について確認していきます。
具体的な変更点は、基礎能力試験における①出題総数・内訳、②試験時間に分かれます。そして、③として「不変部分」も併せておさえましょう。これは、他の試験情報とごっちゃになりやすいところを整理しています。

①出題総数・内訳
総問題数が40問から30問に大幅に減ります。
内訳ですが、一般知能は27問から24問へと、一般知識が13問から6問へとそれぞれ減ります。
一般知能の3問減となっている分は、文章理解・数的推理・判断推理で1問ずつの減によって構成されています。資料解釈は現行通りの出題数です。

これに対し、約半分に出題数が減らされる一般知識ですが、「自然・人文・社会(時事を含む) 13」から、「自然・人文・社会に関する時事、情報6」という表現になります。
減らされる中で、「情報」が加わっている事は注目に値するでしょう。また、カッコ書きから「時事」をはっきり外出ししています。時事的な内容に答えられるような準備がとても大事だと分かります。

これは、以下のPDFの3ページに時事の出題例をわざわざ記載していることからも伺えます(なお、PDFの4ページ目は情報の内容があり、プログラミング的な思考力を図る問題がでそうだと分かります)。
https://www.jinji.go.jp/saiyo/siken/mondairei/00_00_1.pdf

②試験時間
従来は、2時間20分でした。これが、出題数が10問減った影響を受け、1時間50分へ短くなりました。
1分あたりに使える時間数があまり変わらないため、問題の難易度もあまり変わらないのではないかと思われます。
なお、この①出題総数・内訳と②試験時間は、国家専門職でも同様の変更がなされます。

③不変部分
今回の試験見直し箇所は以上です。しかし、他の試験種の動きなどがニュース報道されているのでごっちゃになる受験生も多いようです。そこで、以下2点に絞って、不変部分を紹介します。

第1は、試験日程の大幅な前倒しについてです。ここでいう大幅な前倒しとは、「民間企業の内定タイミングと同一時期に至るほどの」という意味です。この意味での大幅前倒しは国家総合職で発生しています。具体的には、従来より3週間前倒しされ3月に実施されます。
ただ、国家一般職ではそのような大幅な前倒しは起こっていません。

もちろん、令和6年は6月2日の日曜日に試験実施予定で、昨年までの6月2週目の日曜日から6月1週目の日曜日へと若干早くはなっています。ちなみに、国家専門職も、6月1週目の日曜日から5月最後の日曜日へと1週間早くなっています。

第2に、専門試験は引き続きあります。例えば、行政区分は16科目中8科目を受験しなければならないのですが、これは継続です。地方の県庁などで、SPIや一般教養試験だけの試験区分が創設された採用情報がよく起きますが、国家一般職では、2024年実施試験においてそのような区分はないことを踏まえておきましょう。

なお、専門試験が引き続きある点は、国家専門職でも同様です。

3.国家公務員一般職高卒程度試験について

こちらも、①出題総数・内訳、②試験時間をお伝えします。
※なお、高卒区分については、あまり他の試験種と情報の混ざる話は少ないため、不変部分は省略します。

①出題総数・内訳
出題総数は変わりません。40問のままです。
内訳は、人文科学は9問から8問へ減り、代わりに情報が1問増えます。

ちなみに、以下のサイトでは、情報の問題例が載っています(PDFのp5)。
問題数が多いわけではないため何とも言えませんが、高校で習う情報Ⅰの知識を使うことになりそうです。
https://www.jinji.go.jp/saiyo/siken/mondairei/00_00_1.pdf

②試験時間
こちらも総数が変更していないため、変更なしです。
すなわち、1時間30分が試験時間となります。

4.まとめ~大卒程度は一般知能・時事重視の対策を!高卒程度は従来通りの準備を~

2024年実施の試験から、一次試験のいわゆる「教養試験」はご紹介してきたように変更が行われます。

この変更によって、大卒程度の試験を受けられる場合は、一般知能の出題割合が67.5%(40題中27問)から80%(30題中24問)へと上昇している事に鑑み、より一層の強化学習が必要です。

特に、数的処理に苦手意識を持っている受験生は、それを払拭し得点ができるよう学習していくことが肝要となります。苦手な方は、本などの参考書の通り一遍な解説では苦戦も予想されます。究進塾では、数的処理の個別指導もありますので、こういうものを活用してぜひ得点力を磨きましょう。

究進塾 数的処理個別指導講座(https://ask-koumuin.com/suuteki-lesson/

それから、時事対策も大事になります。このとき、単なる直近の出来事だけを追うのではなく、歴史的な流れを踏まえながら理解したり、時事を理解する上で重要となる学問的な知識もおさえたりしましょう。
そのためには、半年に1回出ている『新聞ダイジェスト臨時増刊号』を2~3回分手に入れておくと良いでしょう。例えば、2024年受験者は、2023年3月臨時増刊号、9月増刊号、2024年3月増刊号をおさえるという意味です。
新聞ダイジェスト 2023年9月臨時増刊号

これに対して、高卒程度の場合は、情報が1問加わるのが変更点でした。このため、従来通りの準備をしておけば大丈夫でしょう。

とはいえ、従来通りの準備においても一般知能対策は重要です。また、一般知識は範囲が広く苦戦しやすい試験と言えます。この点も、学習への悩みなどがあれば、究進塾では、個々人にあった合格までの学習メニューを作成できます。無料相談からでもぜひご参加ください。

今回は、試験変更と、そこから見えてくる対策方法について解説しました。試験内容は時々変更が加わりますので、最新情報は必ず人事院HP(https://www.jinji.go.jp/saiyo/saiyo.html)などを参照ください。

アルバイトはせずに公務員試験の勉強に専念すべきか?

1.はじめに

公務員試験までもう少しとなる時期になると、学生やフリーターで公務員を目指している方にとっては、アルバイトを辞めて勉強に専念したほうがいいのだろうか? と悩むかもしれません。

自分が働いている間に他の人が勉強していると思うと焦りますし、アルバイト時間を勉強時間に当てたらより筆記試験の成績が上がるのではと感じるかもと思いますからね。

ただ、ASK編集部の考えとしては、試験の週やその前の週は休んでも、それより前までは続けても良いのではないかと思います。 もちろん、続ける場合も、勉強に支障が出てしまうほどの時間を割いてはいけません。ただ、例えば週に1~2回、半日程度であれば支障がでることは少ないでしょう。

アルバイトを続けることをお勧めするのには、以下のようなメリットが複数あるからです。

2.アルバイトのメリット

(1)生活にメリハリがうまれ、勉強に集中しやすくなる

仮にアルバイトを辞めた場合、学生で公務員を目指す方の場合は少なくなった大学の授業を加味する(多くの大学生は公務員試験を目指して学習する大学3・4年生のときに授業が少ないため)と、かなりの時間を勉強に充てられます。フリーターの方は、極端なケースでいうと1日勉強に充てられるかもしれません。

しかし、指導経験上、1日勉強できるとなると、ついついダラダラして学習時間がそんなに伸びないという生徒さんを多く見かけます。

例えば、
「丸1日休みだから12時間勉強するぞー!」と思っていても結局昼過ぎに起きてしまうとか、
「休憩のつもりで少しネットサーフィンしていたら数時間立っていた」とか、、、ですね。

中には、公務員試験対策のオープンチャットの書き込みをみて、真偽不明な試験情報のせいで逆に心を乱され、学習が手につかないなどの方もいました。

もちろん、既に朝早くきちんと起き、日中のほとんどの活動を公務員試験勉強に充てている方は全く問題ありません。そのスタイルを貫き、新たにアルバイトをしようとする必要はありません。

一方、だらけてしまいそうという心配がある人は、アルバイトを辞めることを考えるよりも、続けても良いでしょう。そして、残った時間を公務員試験勉強に集中するのが理想といえます。適度にやらねばならない予定がある中で、公務員試験を目指すとき、多少追い込まれます。この追い込みが、学習の集中力を生むわけです。

このように、アルバイトを活用して生活にメリハリをつけ、学習への集中という形で学習の質向上を図りやすいというのが、アルバイトのメリットの1つです。

(2)アルバイトから自己肯定感が上がったり、良い刺激を受けたりできる

アルバイトも大学3・4年生頃にしているものとなりますと、1・2年生から続けているところだったり、自身が経験し慣れていることをしていたりする方が多いのではないでしょうか。そういう長く続いたり、慣れている職務だったりするアルバイトは、それなりに自身にとって居心地ややりがいの良いものの可能性が高いといえます。

このことは、フリーターの方にも当てはまるでしょう。なぜなら、1日の大半に費やす活動がアルバイトとなっているとき、よほど割り切っていない限りは、それなりに居心地の良い勤務先でやりがいを感じることをしている可能性が高いと考えられるからです。

ということは、アルバイトの職務遂行を通じて、お客さんや同僚だったりから感謝をされたり、後輩から頼られたりすることで、自己肯定感が上がりやすくなります。

公務員試験の学習だけをしていると、世間から隔絶された感覚となり孤独です。大学4年生となり試験を迎えるころには、同級生で民間志望者が次々と内定を取り浮かれていることでしょう。フリーターの方にとっては、高校・大学の同級生の社会人としての活躍が耳に入ることもあります。そういう中で、孤独になっていると、自分の存在が小さくちっぽけに感じ始めて、取り組んできたことにも不安を覚えるようになりがちです。

これが、アルバイトによって、自己肯定感を上げることで、メンタルの安定が図れる可能性が高まります。

また、アルバイト先には、色々な方がいるでしょう。同じアルバイト仲間だけでなく、社員の方、パートの方などです。そういう方と、勤務前後や休憩時間に何気なく話していると、各自が各自の人生を頑張っている面を垣間見ることがあります。

例えば、同じフリーターの立場でアルバイトしている方の中に、税理士試験という難関資格に向けて学習している人がいたとします。このとき、同じように学習とアルバイトをやりくりしている姿に共感することでしょう。そして、大抵税理士試験は合格するまでに数年はかかりますので、「公務員試験対策で学習とアルバイトの生活を1年と割り切って行っている自分より数年の覚悟で臨んでいるなんてすごい。自分も弱音を吐かずに頑張ろう」などと思えます。

あるいは、パートの方が、育児・パート・家事などをあわただしくも切り抜けている姿から、自分もメリハリつけて生活をしようと思うこともあるでしょう。

このように、アルバイトは自己肯定感を上げたり、良い刺激を受けたりしやすいので、受験期の不安定なメンタルの安定や、やる気の向上に寄与することでしょう。ただし、そのような役割をしないアルバイト先に勤務している方も当然いるでしょう。そういう場合は、そもそもが悪影響のはずです。つまり、アルバイト自体を変えた方がよいです。まぁ、公務員試験直前にアルバイト探しなどは避けた方が望ましいので、その場合はアルバイトを辞めるという選択になるかとは思います。

(3)人物試験に活かすことができる

公務員試験は、2次試験において面接試験が人物試験として必ず課されます。また、公務員試験の多くの試験種で論作文試験があります。

面接試験では、アルバイト経験の有無やそこで得た力などが問われることがあります。問われなくても、自己PRや学生時代に頑張ったことなどを語る際に、具体的なエピソードとしてアルバイトを語ることもあるでしょう。

さて、面接試験は面接官とのコミュニケーションですから、面接官は受験者の話したアルバイト経験からさらに、「最近は何かアルバイトで印象に残ったことはありますか」「後輩もアルバイト先には入っていと思うのですが、後輩指導で気を付けていることはありますか」などと、いわゆる「つっこんだ質問」をされることもあります。

このとき、「ここ半年は公務員試験に専念するために辞めましたので」という形で終わってしまうのは寂しいですよね。できれば、面接官の追加されたこれらの質問に対して、「最近は○○というクレームが発生したことを契機に、私が店長に提案して××なことを店内で徹底することで、逆にお客様アンケートで高評価を貰うお店にできました」とか、「はい、時間帯リーダーを務めていますので、後輩指導もしています。このとき、メモを取る時間を与えたり、後輩のペースで質問などができるようにしたりと、後輩の反応を大事にしています」とかと述べたいものです。

また、そうでなくても、「公務員試験勉強とアルバイトの両立をしてきた=時間の使い方が上手い」というアピールには使えます。

それから、論作文では自己の経験を述べる問いもあります。例えば、「直近3年間で継続していることで自己を成長させたことを述べた上で、公務員になってからどのように活かすか述べなさい」のようなテーマです。

このとき、大学のサークルや部活などがある方は良いですが、それらには加入していなかったり、サークルなどの場合は軽く参加する程度だったりするとき、書く内容が乏しい場合があるでしょう。そのとき、アルバイトネタを使いたくなると思います。また、フリーターの方の場合、アルバイトを最も使うことになるでしょう。
このとき、アルバイトを続けている期間が直近3年間のほとんどになればなるほど、こういうとき後ろめたい気持ちもなくアルバイトのことを使えることでしょう。

以上から分かるように、続けておくと、人物試験に使える材料となる可能性を高めます。

3.おわりに

今回は、アルバイトを公務員試験直前まで続けることのメリットをお伝えしました。もちろん、試験勉強が到底間に合わっていない場合は「背に腹は代えられない」ので、学習に専念しましょう。

ただ、そもそもアルバイトで得る所得はご自身にとって大切なものだと思います。また、本当に学習へ集中できるか、気分転換もなく孤独になりそうだなと不安を覚える場合は、思い切って上述したアルバイトのメリットを活かすつもりで継続していただけたらと思います。

究進塾では、個々人に合った効率的な学習計画を作成し指導します。アルバイトと両立した直前期の学習方法などのアドバイスもできます。また、2(3)で少し触れましたが、論作文や面接でどのように書いたり、話したりすると良いかをアドバイスすることも可能です。

アルバイトとの継続以外にも学習へ悩むことがあればお気軽にご相談ください。

引き続き、受験生の皆さんが有意義な学習に打ち込めることをお祈り申し上げます。

年齢制限はほぼない!30歳以上でも受けられる公務員試験を詳しく紹介

公務員試験を受験するにあたりネックになるのはやはり年齢制限ではないでしょうか。

大学を卒業してから数年間民間企業で働いていた人やフリーターだった人、何もせずに無職だった人など事情は様々だと思いますが、いずれの場合であっても、年齢制限をクリアしなければ絶対に公務員試験を受験することができません。

ですが、民間企業等で職務経験がある場合やそうでない場合であっても、意外と高齢でも受験できる公務員試験はありますので最初から無理だと諦めないでください。

ここでは学校を卒業し年数が経った人がどのような公務員試験を受けることができるのかについて紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
また、これから公務員を目指すために勉強を始めるにあたり大切なこともお伝えします。

1 まずは年齢要件を確認し、職務経験を棚卸ししよう

30歳を超えて公務員試験を受ける場合、以下の2点を考える必要があります。

  • 受験する年度の年齢
  • これまでの職務経験

受験する年度の年齢というのは非常に重要です。なぜならすべての公務員試験では年齢制限を設けているからです。

例えば、要項で受験資格が「昭和63年4月2日〜平成9年4月1日生まれの者」とあった場合は、受験する年度において21〜30歳の人でなければ受験することができない、ということがわかります。

特に大卒程度(事務)試験では、受験要件はほぼ年齢だけですので、兎にも角にも年齢の要件をクリアしなければなりません(中には大学や大学院卒業しているという学歴要件が課されている試験もあるので必ずチェックしてください)。

ただし、最近では、職歴がなくても30歳以上でも受験できる試験が非常に増えてきており、公務員を目指すチャンスが広がっています。

30才以上で受験できる試験については後述する年齢制限の上限が高い公務員試験で詳しく紹介していますので、お住まいに近い自治体や興味のある試験について確認してみましょう。

民間企業等で職歴がある場合は、次の2で紹介する経験者採用試験も検討してみましょう。
※ここでの「職歴」は必ずしも民間企業や正社員でなくても受験できる場合がありますので、諦める前に確認してください。

2 民間企業等で経験がある場合は経験者採用枠も検討してみよう

年齢制限が緩和される傾向にあるとはいえ、希望する試験の年齢要件を満たさない場合もあるでしょう。

そうした場合、「経験者採用試験」の受験を検討してみてください。

最近は民間企業等で経験を有する人を採用する経験者試験(社会人採用試験・キャリア採用試験などともいいます)が増加しています。
民間企業「等」となっているのは、民間企業だけでなく他の公務員や海外青年協力隊として働いていたという経歴も含まれるためです。

そして、経験者採用試験の場合、「1つの職場で○年以上」といった勤続年数の条件があります。この要件を満たさなければ受験することができないのでよく確認しておきましょう。

例えば特別区の経験者採用試験では以下のように定めています(令和5年度試験)。

民間企業等における業務従事歴が下記の年数以上(平成30年3月31日現在)ある人
【1級職】4年
【2級職(主任)】8年
【3級職(係長級)】12年

また、必ずしも正社員でなくても、例えば派遣社員やアルバイトであっても週に何十時間以上働いていたという条件をクリアすることができれば受験資格があるとみなされるケースもあるため、「正社員で働いた経験がない」と諦める前に、必ず志望する自治体のホームページで受験案内を確認してください。

例として、横浜市の場合では、以下のように定めています(平成29年度試験)

【職務経験について】
・「民間企業等における職務経験」には、会社員、自営業者、アルバイト、パートタイマー、公務員等としての経験が該当します。また、財団法人、社団法人、NPO法人等の経験も含まれます。

通常であれば30歳前後である公務員試験の年齢制限ですが、民間企業等経験者採用であればかなり幅広い年代の人が受験できるところも多いので、民間企業等で経験がありこれから公務員への転職を考えていているのであればぜひともチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

経験者採用試験については社会人が受験できる公務員試験の内容と採用後の待遇についてで非常に詳しく解説していますのでそちらもぜひ併せてご覧ください。

3 【年齢別】年齢制限の上限が高い公務員試験

国家公務員の場合、経験者採用でないとおおむね30歳くらいまでしか受験できませんが、地方公務員は自治体によってはかなり高齢でも受験することができます。

ここでは、年齢制限の上限が30歳以上と、比較的高い試験について紹介します。

以下の表は令和5年度試験の年齢上限のまとめです。

国家公務員試験

まず、国家公務員試験ですが、地方公務員に比べると年齢上限が低めの傾向でほとんどが30歳です。(地方公務員試験の一覧はこちら)

年齢上限 実施試験
30歳 国家総合職(院卒者・大卒程度)、国家一般職(大卒程度)、国税専門官(大卒程度)、財務専門官(大卒程度)、法務省専門職員(大卒程度)、外務省専門職員(大卒程度)、防衛省専門職員(大卒程度)、労働基準監督官(大卒程度)、皇居護衛官(大卒程度)、食品衛生監視員(大卒程度)、航空管制官(大卒程度)、裁判所総合職裁判所事務官(院卒者・大卒程度)、裁判所総合職家裁調査官補(院卒者・大卒程度)、裁判所一般職(大卒程度)、衆議院総合職(大卒程度)、衆議院一般職(大卒程度)、衆議院法制局・参議院法制局
29歳 国立国会図書館(総合職、一般職(大卒))

地方公務員試験

地方公務員試験は国家公務員試験に比べて年齢上限が高めです。また近年上限緩和をした自治体も増えてきています。
大卒程度の行政系(事務系)のみで専門職は含まれておりません。また同じ自治体で異なる年齢になっているのは大卒程度と経験者採用試験など試験が異なるケースです。
※情報については変更が生じる可能性があり、かつ応募職種等によっては年齢制限が異なるため、試験前には自治体の受験案内で必ず最新の情報を確認してください。

★がついている自治体は政令指定都市です。

年齢上限 自治体名
59歳 茨城県つくば市、群馬県桐生市、岡山県瀬戸内市・真庭市、佐賀県武雄市など
45歳 茨城県つくばみらい市・常総市、兵庫県養父市、山口県下関市、徳島県三好市など
40歳 北海道滝川市、宮城県気仙沼市、栃木県宇都宮市、埼玉県和光市、東京都多摩市・国分寺市など
39歳 北海道釧路市、★山形県、山形県上山市、栃木県那須塩原市、群馬県沼田市、岐阜県(行政Ⅱ)、岡山県岡山市(事務特別枠)など
37歳 大分県竹田市
36歳 ★徳島県、東京都昭島市、北海道北広島市、静岡県伊豆の国市
35歳 ★岩手県、★宮城県、★福島県、★千葉県(一般行政B)、★山梨県、★長野県(行政A)★富山県、★静岡県(行政総合型)、★京都府(行政Ⅱ)、★和歌山県、★鳥取県、★熊本県、★沖縄県、★仙台市、★相模原市
<北海道・東北>
北海道赤平市・石狩市・室蘭市・美唄市・留萌市・根室市
岩手県久慈市・釜石市・花巻市
宮城県白石市・栗原市
秋田県能代市
山形県長井市
福島県田村市・喜多方市・相馬市
<関東甲信越>
茨城県土浦市・石岡市・小美玉市・常陸大宮市・稲敷市・板東市・潮来市
埼玉県熊谷市・和光市
千葉県勝浦市・流山市・鎌ヶ谷市・八街市・印西市・白井市・館山市・茂原市・我孫子市・鴨川市・富津市・大網白里市
神奈川県秦野市
<中部・東海・北陸>
山梨県笛吹市
長野県松本市・塩尻市・安曇野市・諏訪市
新潟県三条市・小千谷市・胎内市
岐阜県恵那市
静岡県湖西市
愛知県高浜市・岩倉市
三重県尾鷲市・鳥羽市・松阪市・津市
富山県氷見市・黒部市・砺波市・魚津市
福井県福井市・あわら市
<近畿>
滋賀県野津市・米原市
京都府亀岡市
大阪府池田市・河内長野市・摂津市・泉南市
兵庫県豊岡市・朝来市
奈良県大和高田市・葛城市
和歌山和歌山市、御坊市、田辺市
<中国・四国>
鳥取県米子市
島根県大田市
広島県安芸高田市
山口県宇部市
徳島県美馬市
香川県善通寺市・三宝市
愛媛県新居浜市・西予市・西条市
高知県土佐市
<九州・沖縄>
福岡県久留米市・筑後市・宗像市・中間市・糸島市
佐賀県伊万里市・佐賀市
熊本県阿蘇市・荒尾市
宮崎県小林市
鹿児島県枕崎市・南九州市・西之表市
沖縄県宮古島市
34歳 ★秋田県、★福井県、★大阪府、★滋賀県(行政A)、★愛媛県(一般行政A)、★高知県(行政・TOSA)、★大阪市、★岡山市(事務特別枠)
岩手県二戸市・北上市、宮城県塩竈市、秋田県湯沢市・北秋田市・仙北市、山形県山形市・鶴岡市・酒田市・村上市・尾花沢市、福島県白河市、千葉県柏市、長野県飯田市・須坂市、愛知県北名古屋市、三重県伊勢市・志摩市・桑名市、富山県南砺市、京都府福知山市、奈良県葛城市、和歌山県海南市・有田市、広島県呉市、島根県安来市、山口県山口市・防府市、香川県観音寺市、高知県宿毛市・須崎市
33歳 栃木県那須烏山市、山梨県甲州市、広島県福山市、愛媛県八幡浜市・大洲市・松山市、熊本県八代市・水俣市
32歳 ★青森県、★三重県(行政Ⅱ)、★熊本市
北海道深川市、栃木県日光市、神奈川県海老名市、山梨県中央市・南アルプス市、長野県佐久市、静岡県下田市、新潟県南魚沼市、富山県射水市・滑川市、鳥取県倉吉市、香川県高松市・三豊市、熊本県宇城市、鹿児島県伊佐市
31歳 ★東京都(Ⅰ類A)、★特別区Ⅰ類
岩手県宮古市、宮城県気仙沼市、山形県米沢市・天童市、栃木県鹿沼市、埼玉県加須市、東京都八王子市、山梨県大月市、新潟県糸魚川市、静岡県下田市、大阪府大寝屋川市、鳥取県倉吉市、岡山県倉敷市・真庭市・備前市・笠岡市、香川県高松市、熊本県宇城市・菊地市、大分県豊後高田市、鹿児島県曽於市
30歳 ★北海道(一般行政A)、★埼玉県、★千葉県(一般行政A)、★神奈川県(行政・秋季チャレンジ)、★新潟県、★岡山県、★横浜市、★静岡市、★名古屋市、★京都市(行政一般方式)、★岡山市(事務一般枠)、★北九州市(行政特別枠・総合・行政Ⅰ)、★福岡市(行政特別募集)
<北海道・東北>
北海道釧路市・北斗市・北見市・登別市・旭川市・網走市・夕張市
青森県むつ市・十和田市
岩手県大船渡市・遠野市・北上市・一関市・陸前高田市・滝沢市
宮城県大崎市
秋田県大仙市・鹿角市・男鹿市・大館市
山形県寒河江市・新庄市
福島県伊達市・郡山市・福島市・いわき市・本宮市・南相馬市
<関東甲信越>
茨城県古河市・日立市・鉾田市・神栖市・取手市・北茨城市・ひたちなか市・笠間市・那珂市・高萩市・行方市
栃木県大田原市・矢坂市・下野市・鹿沼市
群馬県太田市、渋川市、藤岡市
埼玉県川越市・熊谷市・東松山市・飯能市・羽生市・深谷市・本庄市・戸田市・志木市・久喜市・入間市・幸手市・白岡市・ふじみ野市
船橋市・松戸市・木更津市・成田市・銚子市・佐倉市・四街道市・袖ヶ浦市・香取市・野田市・勝浦市・八千代市・市原市・東金市・旭市・習志野市・南房総市・匝瑳市・山武市
町田市・多摩市・府中市・小平市・福生市・武蔵村山市・武蔵野市
神奈川県南足柄市・綾瀬市・三浦市・伊勢原市・厚木市
山梨県山梨市・韮崎市・北杜市・甲斐市・大月市
<中部・東海・北陸>
長野県塩尻市・駒ケ根市・小諸市・中野市・岡谷市・茅野市・大町市
新潟県加茂市・佐渡市
岐阜県関市・瑞穂市・高山市・瑞浪市
静岡市伊東市・熱海市・島田市・富士宮市・三島市・藤枝市・御殿場市・沼津市
愛知県春日井市・刈谷市・西尾市・知多市・東海市・北名古屋市・豊明市・豊橋市・津馬市・碧南市・安城市・蒲郡市
三重県鈴鹿市・亀山市
石川県能美市・七尾市・羽咋市、珠洲市、輪島市
富山県富山市・小矢部市
福井県敦賀市・大野市・あわら市・坂井市・鯖江市
<近畿>
滋賀県彦根市・湖南市・高島市
京都府宇治市・京丹後市
大阪府吹田市・高槻市・茨木市・大津市・守口市・貝塚市・岸和田市・柏原市・羽曳野市・大東市・門真市・交野市
兵庫県相生市・赤穂市・加東市・南あわじ市・養父市
和歌山県新宮市
<中国>
鳥取県境港市
島根県江津市
岡山県赤磐市・総社市・井原市・浅口市・玉野市
広島県大竹市・廿日市市・尾道市・庄原市
<四国>
徳島県徳島市・阿南市・鳴門市・阿波市・小松島市
愛媛県宇和島市・伊予市
高知県安芸市・香南市
<九州・沖縄>
福岡県大川市・うきは市・朝倉市・宮若市
佐賀県鹿島市
長崎県佐世保市・平戸市・諫早市・南島原市
大分県別府市
宮崎県延岡市・西都市・日南市
鹿児島県垂水市・霧島市・志布志市・伊佐市・日置市・奄美市
沖縄県南城市

いかがでしょうか。年齢が高くても受けられる試験は、意外と多く感じられたのではないでしょうか。

ですから、自分は年齢がいってしまっているからと諦めるのではなく、一度希望する試験の受験案内を確認みて本当に受けられないかを確認してください。

4 筆記試験だけでなく面接対策はしっかりと行うことが重要!

大卒程度試験を受験するにせよ経験者採用試験を受験するにせよ、まずは筆記試験に合格しなければなりません。

基本的には教養試験と論文、面接試験はほぼ必ず課せられます。大卒程度試験を受ける場合、試験によっては専門科目が課されることも多いため、相当勉強が大変になります。

試験科目についての詳細は公務員試験に出題される科目まとめ(行政・事務系)をご覧ください。

基本的に公務員試験は難関試験に分類され、1000〜1500時間の勉強時間が必要と言われています。
もちろん、受験する自治体や職種によって必要な科目は異なりますし、もともとの知識量に左右されるので一概には言えませんが、少なくとも半年、できれば1年は勉強に集中して臨みたい試験です。

しかし、私がここで最もお伝えしたいことは、高校や大学を卒業してから数年経って受験する場合、面接試験で相当突っ込まれる可能性があることを覚悟しなければならないということです。

学校を卒業してから数年経っている場合、必ず面接でその間何をしていたのかなぜ公務員なのかということについて鋭く突っ込まれます。これについても事前に面接対策をしっかりと行うことが重要です。

  • どういう仕事をしていたのか?
  • なぜその仕事をしようとしたのか?
  • なぜ公務員になろうとしたのか?なぜこの自治体なのか?
  • やりたいことは今のところではできないのか?
  • なぜ正社員で働いていなかったのか?
  • ブランク期間は何をしていたのか?なぜブランクなのか?

など、面接官としては挙げだしたらキリがないほど質問をしたくなります。

近年、公務員試験は人物重視の傾向から、特に地方公務員試験は筆記試験よりも面接試験を重視するようになっています。筆記試験はあくまで足切り、それよりも面接で人柄を見ているのです。

そのため、こうした質問については必ず納得のいく回答を準備しておかなければなりません。

どうしても公務員試験というと「筆記試験を突破しなければ!」と考えがちですが、その先も見据えて、特に面接が苦手な方は早めの対策をすることが重要なのです。

面接試験対策については以下の動画・記事で詳しく紹介しているので、自信がない方はぜひチェックしてみましょう。

必ず抑えておくべき公務員試験の面接対策の「超」基本【解説写真付】
公務員試験の面接で聞かれる定番の質問の答え方
社会人が公務員試験の面接を突破するために重要なこと

まとめ

特に地方公務員試験は年齢制限が緩和傾向にあるため、比較的高齢でも受験が可能です。

とはいえ、最近は面接重視の傾向にあるため勉強ができるだけでは採用は難しくなっています。
しかし、筆記試験に合格しないことにはどうしようもありませんので、まずは自分がどの試験を受験できるのかを知り、勉強すべき科目を把握しましょう。

公務員試験について基本から知りたい人は公務員になりたい人必見!公務員試験の対策と勉強法を全解説で一通り解説していますので参考にしていただき、受験する試験が決まったらすぐにでも勉強を進めていきましょう。

また、短期間で合格を目指す方は公務員試験に3ヶ月〜半年の短期間で合格するために必要な戦略もご覧ください。

甘くない!民間から公務員に転職する前に知っておきたいこと

現在民間企業で働いている社会人の方「公務員になりたいな」となんとなく考えている人も結構いるかと思いますが、意外と「公務員=楽」だと思われているようで、今の職場がきついから楽な公務員になりたい、と思っている人もいるのではないでしょうか?

しかし、「公務員=楽」という考えは捨てるべきです。

近年は公務員への風当たりがきつくなってきており、予算も削減されるなか苦しくなるのは現役の職員です。

今回は公務員になることは果たしていいものか、そして公務員に転職するためにはどうすればいいのか解説しますので、公務員への転職を考えている人は参考にしてください。

1.社会人経験者が受験すべき公務員試験とは?

まず、民間から公務員に転職を考えなければならないことは当たり前ですが、「公務員試験に合格する」ということです。

社会人が受験する公務員試験=経験者採用試験、となりがちですが、実はそうでありません。

経験者採用とは、「民間企業などで培ってきた経験や知識を業務に活かせる人材を確保するための採用方式」であり、近年、特に地方公務員では採用数が増えてきています。

とはいえ、現在社会人の方であっても、年齢が若い方や社会人経験が短い方は大卒程度試験(場合によっては高卒程度試験)を受験することをおすすめします。

もちろん、そもそも社会人経験が短くて経験者採用試験を受けられないという場合もありますが(経験者採用試験は何年以上勤務したという条件が必要です)、経験者採用試験は大卒程度試験に比べ、倍率が高く、また経験者論文や多くの回数が行われる面接など、これまでのキャリアや人物が非常に重視される傾向にあるので、非常に難しい場合が多いからです。

もちろん、そうしたものに自信がある方であれば、筆記試験が大卒程度試験よりも楽なので受験されると良いでしょう。

まずは、受験要項から条件をよく確認し、そもそも自分に受験資格があるかどうかをチェックしましょう。

社会人が受験できる試験については社会人が受験できる公務員試験の内容と採用後の待遇についてで詳しく解説していますので、ぜひ目を通すようにしてください。




2.働きながら受験する人はとにかく勉強時間を確保しよう

通常、公務員試験は大卒程度試験であれば教養試験と専門試験があり、論文試験や面接試験も実施されます。経験者採用試験は専門試験がないことがほとんどで、論文と面接だけというケースもあります。

多くの方が受験する行政系(事務職)であれば以下の科目が出題されます。(試験科目の詳細は公務員試験に出題される科目まとめ(行政・事務系)も参考にしてください)

一般知能

文章理解・・現代文、古文、漢文、英文
数的処理・・数的推理、判断推理、資料解釈

一般知識

人文科学・・日本史・世界史・地理・思想・文学・芸術
自然科学・・数学・物理・化学・生物・地学
社会科学・・政治・法律・社会・経済

専門科目(行政系)

法律系・・・憲法・民法・行政法・刑法・商法・労働法
経済系・・・経済原論・財政学・経済史・経済事情・経済政策・経営学
行政系・・・政治学・行政学・社会学・国際関係・社会政策

先にも書きましたが、経験者採用枠であれば専門科目がなかったりしますが、多くの大卒程度試験は教養試験と専門試験について20科目以上もの勉強をしなければなりません。

もちろん全ての科目を学習する必要はなく、受験する試験によって科目や出題数が異なるため、併願状況などを見極めながら選択科目を決めて学習を進めていく必要があります。

民間から公務員への転職を考えている人は、特に経験者採用枠でない場合、これらの科目を仕事をしながら勉強しなければならないということが最も大変でしょう。

公務員試験に合格のための必要な勉強時間は1000〜1500時間といわれています。これは大卒程度の場合であり、また大学受験のときにどれくらい勉強したかで大きく左右されます。

とはいえ、1年間勉強するのであれば単純に1日3〜5時間程度の勉強が必要となります。そのため、民間企業に勤めながら勉強している人の多くは、平日は2〜3時間、休日は8時間というように休みの日にまとめて勉強をする傾向にあります。

現在の職場によっては残業の有無により確保できる時間が大きく変わってくる人も多いでしょう。
毎日終電近くまで残業の方や、普段は定時近くに帰れるけれど繁忙期は遅くなるなど、普段勉強時間をどれくらい取れるかは様々だと思います。

もちろん、今の職場を辞めて勉強に専念することができればいいかもしれませんが、収入の面などを考えるとなかなか難しい人も多いでしょう。そうなると普段から「いかに勉強時間を確保するか」が重要になります。

毎日の生活を振り返ると、ボーッとしている時間や無駄にネットをしている時間が多いことに気がつくかと思います。働きながら合格を目指すためには、まずは無駄な時間を全て勉強にあてるぐらいの気持ちが必要です。

スマホでダラダラとゲームをやったりテレビを見てしまったり、付き合いで飲みに行ってしまったりと意外と無駄に時間を使ってしまっている人も多いでしょう。

例えば1日30分、そうした時間を勉強にあてると平日の5日間で2時間半にもなります。それが1ヶ月で10時間にもなるため意外とこうした時間は無駄にはできません、

また、私は電車での勉強は非常に集中できるため強くおすすめしており、通勤での電車だけでなく待ってる時間も有効活用することを伝えています。(電車での勉強については隙間時間を活用!電車内は最高の勉強場所であることを知ろうを参考にしてください)

このように、働きながら合格するためにはいかに「すき間時間」を有効活用するかにかかっているといえるでしょう。

経験者採用試験を受ける場合であっても専門試験はなくても教養試験は課せられることがほとんどですので、やはり科目が多いのでそれなりに時間を確保する必要があります。
さらに、論文と面接試験を突破するための自己分析も非常に重要になるのが経験者採用試験です。

3.公務員はノルマがないから楽という発想は捨てよう

ここからは実際に仕事について触れていきます。

公務員はノルマがないしクビにならないから楽だ、という意見をよく聞きますが、ここではノルマなどの細かい話ではなく、民間と公務員の仕事の性質の違いから見ていきたいと思います(ノルマ云々の話は枝葉末節に過ぎず本質ではありません)。

確かに公務員には民間企業のように売上のノルマや営業目標というものは存在しません(イベントなどの集客ノルマはあることはありますが)。

そもそも民間企業はお客様のために、そして最終的には企業の利益のためにサービスを提供します。ですので、利益につながらないことは行わないでしょう。

対して公務員(行政)というのは、すべての国民や住民に対し公平にサービスを提供することを目的とし、言ってしまえばカネにならないことでも住民にとって必要である(と考えられる)ものであれば事業として行います。

公務員は税金を財源とするため、民間とは違いお金を出してくれる人にだけサービスを提供するのではなく、すべての必要な人にとって「公平に」サービスを提供することができるので、国民や住民にとって必要なことをすることができるというメリットがあります。

しかし、その「公平」にサービスを提供するというのが厄介で、ある住民に対し「本当に困ってるから自分はこの人に対しこうしたい」ということがあるとしてもそれは許されないのです。
特定の人を特別扱いすることは「公平」ではないからです。そして決まり文句としては「それをやってしまうと他の人にも同じことをしなくてはいけなくなる」です。

つまり、住民のためと言いつつも、公平に扱う必要があるので、「これは決まりですので」と何もしてげられないジレンマに陥ってしまいます。それが住民にとっては「杓子定規」だの「融通が利かない」だの言われる所以なのです。

ですので、現在サービス業や営業などをしている人は相手に喜んでもらえるためにどうすればいいいかを研究している人も多いかと思いますが、そうしたことができないということは割り切る必要があり葛藤に悩む人も多いです(もちろん窓口や電話で気持ち良く対応するといった程度のことはできますが)。

このように公務員はノルマがないから楽だという印象があるかもしれませんが、民間では考えられないようなことで悩むことも多く、そうしたことがクレームなどにつながる可能性があるという現実があります。

また、あらゆる民間企業のあらゆる仕事にノルマが課せられているというわけでもないので、「ノルマが嫌だから公務員を目指す」という人はもう少し広い視野で他の企業や仕事についても調べてみることをおすすめします。




4.仕事自体も決して楽ではない

多くの人が「民間はきつい。楽な公務員になりたい」という声をよく聞きますが、先述したとおり公務員の仕事は決して楽ではありません。

2ちゃんねるなどの掲示板でも「民間から公務員になったらめちゃくちゃ楽!」とかいうスレッドもあったりしますが、入ったばかりで決めるのは早計過ぎるでしょう。

というのも公務員と一口にいっても部署によって仕事内容も業務量も全く違います。普段目にする窓口業務などは無数にある中の一つの仕事に過ぎず、通常は3年ぐらいのスパンで職場の異動が行われます。

思いつくものとして住民票や戸籍完成の業務、生活保護、年金や税金関係といったところでしょうか。

これらは窓口職場であるため目につきますよね。そのため公務員というとこれらのイメージがあるかと思いますが、前述したとおり多くの仕事の一部に過ぎません。

ちなみに、これら窓口職場はそれだけ住民と多く接することや、不満を持って訪れる人が多いため罵声を浴びせられたりいちゃもんをつけられることは日常茶飯事です。なので、公務員になる人はまず「メンタルの強さ」が求められることを知っておく必要があります。

こうした窓口業務以外にも、管理や政策系の仕事があります。

公民館や保育所、学校など公共施設の管理や、公園や緑地の整備、まちづくり計画の企画・立案、観光対策、保健や福祉サービス(高齢者、障害者など)の充実、広報、人事、財政など上げればキリがありませんが、すべての職場を経験することなど不可能なほど数多くありどこに配属されるかは入庁するまでわかりません(技術職など特定の専門分野で採用されればある程度の予想はつきます)。

窓口業務以外の部署は、「何時まで受付」というものがないため、いくらでも忙しくなる傾向があります。
企画系などは花形部署のような扱いを受けることが多いですが、内部は資料作成に追われ連日の残業や休日出勤も十分にありえます。

そして、経験者採用となると通常の新卒採用に比べ責任の重い仕事を任されるのが一般的です。

そうすると当然業務量が増えることで残業もせざるを得なくなります。

予算関係の仕事に携わると帰れないこともありますし、部課長とのやりとりも増えることで必要な説明資料の作成も増えてくるので、どうしても業務量は多くなりがちです。もちろん部署によっては連日深夜まで残業で、残業代もほとんど出ないというところだってあります。

ただし、民間時代に激務な会社で働いていた人にとっては公務員の忙しさは大したことはないかもしれないですし、忙しくても(薄給ですが)給料が保障されているという面では魅力的かもしれません。

ですので、公務員の仕事は決して楽ではないですが、安定性を考えるとやはり転職するだけの価値はあるかもしれません(もちろん給料面だけでなく仕事内容についても十分検討する必要はあります)。

5.やる気のある人にとってはモチベーションが下がることも多い

民間でバリバリやってきたという人は公務員の意思決定の遅さには不満を覚えるかもしれません。

公務員は何をするにも決裁が必要なので(ペン1本買うのにも決裁が必要です)、上司や他の部署にお伺いをたてなければいけないためスピードは遅くなりがちです。

大企業であれば同じようなシステムかもしれませんが、そうでないところで働いてた人にとっては「何をちんたらやってるんだ」と思うかもしれません。

また、文書主義であることからやたらと資料作成をする機会があり、これも「なんでこんなの必要なの?」と思う人もいるでしょう(わたしもよく思ってました)。

公務員の世界では「言った言わない」ということを回避するために何事も文書で残すのですが、これはとてもまどろっこしいと感じたものです。

そして仕事も民間企業とは違い利益を追求するものではなく「仕事のための仕事」が多いというのも事実です。

さらに年功序列という制度から、必死にやっても結局はある程度キャリアを積まないと給料アップはしないですし、先輩職員のやる気のなさや仕事をたいしてしてないのに高い給料をもらっている職員を見るとバカバカしく感じてしまい仕事へのモチベーションが下がってしまうか可能性があります。

特にやる気のある人にとってはこの辺りが妥協できるかがポイントになってくるのではないでしょうか。

ですが、人は人なので、自分がなんとしても達成したい部分と妥協できる部分を考えることが民間から公務員への転職をする上で大切なことです。

民間企業から転職する場合は必ずイメージや憧れで公務員を目指すのではなく、具体的にどのような仕事をしているのかについてしっかり調べましょう。人によっては民間とのギャップが大きすぎて再び転職を考える人がいるのも事実としてあります。

決して、楽だから公務員、ではなく「◯◯をやりたいから公務員」という意思があると転職しても満足できるかと思います。

6.まとめ

思っていたよりも公務員も大変だなと感じたかもしれません。世間で言われているような公務員像はもはや過去のものとなっています。

そして、公務員への転職のためにはまずは公務員試験に合格しなければなりません。

また、公務員試験を受けるにあたり年齢について気になる人は年齢制限はほぼない!30歳以上でも受けられる公務員試験はたくさんあるも参考にしていただければと思います。