面接対策

集団討論の様子は、あなたの来年の公務員姿。だからこんなところを見られる

1.集団討論試験の実状

実際に公務員として働いてみて、よく分かったことがあります。

それは、公務員の2次試験で課される集団討論が公務員組織のある一場面にとても似ている、ということです。

具体的には、職場の同僚複数人で問題に対する施策や対策を議論する場面です。

このような場では、予算がかなり限定的で絶対的な正解や解決策がない状況で、より効果的で費用対効果の高い案を模索しなければなりません。

晴れて公務員に採用された方には、そのような日常が待ち構えています。

だからこそ面接官は、受験者に対して「リアルに働ける姿」を見極めようとしているのです。

新型コロナウイルス感染の影響により一斉になりを潜めた集団討論ですが、いつ復活するかは不明です。

しかしこの集団討論は、公務員の実務能力を測るうえで有効な方法です。

大きな都道府県で集団討論の試験が再開されれば、他の自治体でも芋づる式に再開されていく可能性が大いにあります。
いつ再開されても困らないように、この情報が受験者のみなさまに役立つことを願っています。

2.集団討論で好まれる姿勢

そもそも面接官は受験者に対して、行政が抱える問題の具体的な解決を期待していません

私が実際に討論したテーマは「越境入学の是非」でしたが、受験者で明確な解決策が出るはずもありません

しかし、未来の公務員として制限時間内に方向性と一定の結論を導き出す必要があります。

ではそのような状況で、どのような姿勢が面接官に好まれるのでしょうか。

×これはNG
・何も話さない
・批判やネガティブ発言のみ行なう
・非現実的な理想論ばかり語る

面接官が集団討論の中で受験者に見出したいのは、公務員として様々な制約下で現実的に合意形成していくスキルです。
そのようなスキルをアピールするためにも、具体的には以下のことに気をつけましょう。

■「俺が!私が!」という逸る気持ちをぐっと抑える。

試験では自らのスキルや存在をアピールしたい気持ちが勝り、前面に出過ぎる受験者がいます。
こうした姿勢は、「積極性」という面では、評価できるかもしれません。

しかし面接官からは、「このような方が公務員になると、同僚との協調性がなく住民も置いてけぼりにされてしまう」という懸念を持たれてしまいます。
他の受験者からも、いわゆるクラッシャー(場の雰囲気や合意形成を損なう人)と認識されてしまいます。

■ほかの参加者の意見をしっかり聞くことで、「傾聴力」をアピール

公務員組織、とりわけ地方自治体は、傾聴という言葉を好んで使います。
討論中に他の受験者の発言をメモにとったり、自らの発言に引用するなどして、しっかり聴けていることをアピールしましょう。
そのうえで自らも筋の通った意見を述べると、面接官が好印象を抱くことでしょう。

3.集団討論によくある疑問点について

3-1 司会・ファシリテーターを引き受けるべきかどうか

司会やファシリテーターは、実力があれば最も目立つことができるポジションと言えるでしょう。
しかしながら、参加者全員の意見をしっかり聞き自らの意見も考え最後にまとめる、という難役でもあります。
今までにそのような経験・スキルがないと、本番当日に成功することは難しいでしょう。
自信がなければいちメンバーとしてしっかり聞き役に徹し、ポイントで的確な意見を述べた方が無難といえます。

3-2 受験者グループ全体で合否が決まるのか

私は実際に6人グループの集団討論に参加したところ、私を含め3人が最終合格していました。
他の個別面接などもあるので、集団討論だけで「全員受かるか、全員落ちるか」という明確な基準はなさそうです。

しかしグループ全体が上手く討論できているとグループ全員の評価が上がるので、同じグループからの合格者が多くなるのかもしれません。

4.当日使えるテクニック

4-1 いわゆる「クラッシャー」がいた場合

「俺が!私が!」と積極的すぎる受験者や、現実離れした理想論ばかり語る受験者がいた場合、グループ全体の評価が下がらぬよう注意が必要です。
あなたはクラッシャーを制しつつ、グループ全体を建設的な議論に誘導していく必要があります。
このような扱いに困る公務員も実在するため、うまくコントロールできると面接官からの印象は良くなるでしょう。
もしクラッシャーの意見を批判する際は、「Aさんの意見はごもっともですが、こういう懸念があります。そこで、次のような行政フォローを行なうと、とても現実的です」などと、建設的な言い回しにするとよいでしょう。

4-2 地方自治体が大好きな「傾聴力」をアピール

集団討論では、まずは与えられたテーマに順番に意見を述べることが主流です。
その際、他の受験者の発言はメモなどでしっかり覚えておきましょう
もし他の受験者と意見が同じであっても、
「先ほどの〇〇さんの意見と概ね同じですが、こういうところが異なります」
と、前の発言者の意見をしっかり傾聴アピールしたうえで、自分なりの味付けをすると面接官から好感を抱かれるでしょう。
さらに中盤以降で議論が煮詰まってきた頃に、あなたと意見の異なる参加者に対して、
「あなたは先ほどこう仰いましたが、今までの議論を受けて変化はありますか?」
と問いかけると、これも効果的な傾聴アピールになりえます。

4-3 メモ用紙の取り扱い

集団討論にはメモ用紙が机上に用意されており、討論終了後に置いて帰るように言われることがあります。
その場合、必ずメモ用紙を裏返し、メモ内容が見られないように帰ってください。
このマナーは、情報漏洩に敏感な地方自治体では重視されます。
学生の受験者が多い場合には、このマナーに慣れていないことが多いので忘れないようにしてください。
逆に社会人経験者にこのマナーが身についていないと、残念な印象を与えてしまいます。
なお、面接官がメモ用紙のメモ内容を確認している可能性もありますので、迅速かつ丁寧に記入しておく必要があります。
そこで、一般的な「メモのとり方」を練習しておくことも望ましいです。
討論がまとめに入った段階でも気を緩めず、あなたのメモを見返しておくこともお忘れなく。

5.まとめ  「こんな人と働きたい」が分かる集団討論

新型コロナウイルス感染の影響を受けて、集団討論の実施は少数になっています。
しかし今まで述べてきたように、集団討論は受験者の「働く様子」がよく分かる有効な試験です。
優秀な人事課や採用部門を擁する地方自治体では、いつ再開の動きが出てきても不思議ではありません。
新型コロナウイルスへの警戒が弱まる中で、頃合いを見計らっている地方自治体もあるでしょう。
いきなり集団討論が再開されても焦ることがないよう、今回述べたポイントをしっかりお留め置きください。

地方自治体の2次試験で、面接官は受験者のこんなところを見ている

1.地方自治体2次試験の重要性

就職・転職は、多くの方の人生にとって重大な節目となります。
そんな大イベントにおいて、近年ますます面接試験が重要視されています。
これは、日本国内においても転職がより身近になったことに関係し、民間企業・公務員のどちらにも共通する傾向です。
そのような状況で、採用側は「辞めずに続けてもらいたい」という目的で人柄を判定するため、面接をより重視するわけです。

公務員業界においても、若手職員の離職率が増加傾向にあります。
公務員の場合は欠員が出てもすぐに補充ができないため、採用時の審査がより重要になるのです。
そのため、公務員の2次試験では受験者とのミスマッチを減らすべく、面接官は受験者のさまざまな面を審査しています。
具体的には、受験者の人間性を深堀りし、その組織で一緒に働いていける人物かどうかを判定しています。
だからこそ、投げかけられる各質問に的確な回答をするべく、その回答を自らで研ぎ澄ませておく必要があります。

この記事のポイントは、以下のとおりです。

・地方自治体の2次試験の対策
・2次試験で、面接官が確認したい人物像&スキル
・面接で使うのは注意して、地方自治体が用いる独特な言葉
・「趣味」の質問を侮らないで

こちらの記事をお読みいただき、ぜひご自身の2次試験対策にお役立てください。

2.面接において、面接官が確認したい人物像&スキル

地方自治体の2次試験において、面接官が確認したい人物像やスキルは、民間企業とやや異なるところがあります。
地方自治体では、民間企業ほど個性を評価しない傾向があります。
半面、その受験者がどれだけ自治体組織になじむことができるかを重視しています。
一般的な社会人としてのマナー・振る舞いを抑えたうえで、具体的に公務員特有の次の2点を抑えてください。

2-1 求められる人物像 「和をもって尊ぶ人物」

これは地方自治体だけでなく、公務員組織に顕著な傾向ともいえるでしょう。
地方自治体の業務は、厄介な住民対応など外部圧力に晒されることが多くなります。
そんな毎日押し寄せてくる荒波を乗り越えるためには、組織内で職員同士の協力が不可欠です。
「個性が大事」という風潮を気にしながらも、公務員の業務内容が変わらない限り、この特有の文化は変わらないでしょう。

しかし、注意が必要な点がひとつあります。
それは「和をもって尊ぶ」と言いつつも、「自分の意見がなく、周りの意見を伺っているだけの人物」と取られないように注意する必要があります。
採用側の面接官は、受験者自身のこだわりや、業務を前向きに改善していく姿勢も見ています。
受験生の中でとがりすぎるのはNGですし、特に自治体組織を根底から覆すような人物は敬遠されることでしょう。
あくまでも組織の業務や課題に対して、職場の同僚と協力・相談して和をもって穏便に改善していけるくらいが望ましいと言えます。

2-2 求められるスキル 文章・言語化能力

地方自治体の業務は公金を取り扱うので、地元住民に対する説明が必須です。
特に予算や施策の中枢を担う職員は、議会への説明や企画業務において、説得力を伴う文章や言語化能力が常に求められます。
採用側は、「そんなスキルを持ち、将来的に自治体の中枢を担う人物を見つけたい」と思っています。
そのため、2次試験の職務経歴書の記述では、こんなところも採用側から見られています。

例:職務経歴書の「志望動機」
職務経歴書でよく受験生が書きがちなのが、「地元が好きだから」という志望動機。
そもそも面接官の中にも、この理由で入庁した職員が一定数いることでしょう。
そこで受験者は、「なぜ好きなのか」を自治体独自の施策や自らの経験で深堀りします。
しかし、多数の受験者と接する面接官からすると、どんな理由も似たものに感じます。
受験者が選ぶ施策や体験などの「素材」はどうしても限られるので、受験者の文章・言語化能力が見られるのです。
「この自治体にはAという施策がある。これは県内を見回してもここでしか実施していない。だからこそ、この自治体で働きたい」
というように文章・言語化能力を駆使し、いかに自分なりの説得力を持たせられるかどうかが重要になります。

3.面接時に気を付けたい言葉

地方自治体が好んで使う言葉は、その自治体のホームページで頻繁に掲載されます。
受験者はその言葉を深く考察せずに使いがちですが、そこには注意が必要です。

例:地方自治体でよく使われる言葉 「協働」
共同、協同よりも、より住民に寄り添う意図をもって使われます。
地方自治体は住民サービスをアピールするあまり、このような「言葉の差別化」をする傾向があります。
特に自治体の首長がインテリだと、その傾向も顕著です。
そこで自治体のホームページに掲載されている言葉を受験者が安易に使うと、面接官から深く突っ込まれてしまいます
そのような言葉を使う際は、受験者自らの体験に落とし込んだうえで語ると、面接官から「しっかり考えて言語化できている」と評価されるでしょう。

また最近の自治体は住民サービスをアピールするため、「傾聴」という言葉を常用しますが、この「聴く」という言葉にも注意が必要です。

「聞く」 一般的に使われるが、公務員の世界では雑な印象を与える。
聴く」 心を傾けて丁寧にきくこと。

職務経歴書などに「住民の意見をしっかり聴く」と記載する際は、「聞く」との違いを説明できるようにしておくとよいです。

4.「趣味」に隠された大きな意味

多くの受験者にとって、緊張する質問が続く2次試験の個人面接。
面接官から、「あなたの趣味は?」と聞かれてもホッとしてはいけません。
単なる趣味の質問でも、面接官は受験者のことをしっかり見ています。

4-1 趣味を尋ねる理由はさまざま

民間・公務員試験に共通していますが、ストレスをしっかり発散できるような趣味があるか、その趣味が受験者の人格形成にどう影響しているかなども見ています。
公務員や地方自治体では、未だにスポーツをしている受験者が好まれる傾向があります。
なぜなら、その職場でスポーツクラブやイベントがあるからです。
また自治体の職員労働組合においても、組合員のスポーツ大会がよく行なわれます。
もし過去に球技などの経験があれば、記載しておくと好印象を残せるかもしれません。

4-2 SNSアピールはほどほどに

近年の公務員によるSNSでの情報漏洩について、地方自治体は気を揉んでいます。
受験者はSNSの趣味を輝かしい実績としてアピールしても良いかもしれませんが、面接官に組織の情報漏洩の懸念を抱かせると逆効果になります。
またSNSの運営で収益が発生していると、「公務員の副業禁止」規定にも抵触しますので、ほどほどの運営に留めることが無難です。
SNSの運用実績により自治体の観光系の部局などに「有力な情報発信者」として引っ張られるとお考えの方がみえるかもしれませんが、その可能性はわずかでしょう。
そもそも観光部局は、地元ゆかりの有力なインフルエンサーに自治体のプロモーションを業務委託することが多いので、新規採用職員から一本釣りすることは稀です。
そんな自治体の花形である観光部局は、総合成績の上位者が優先的に配属される傾向が強いので、SNS運営だけをアピールしても効果的ではありません。
「一般行政」枠の受験者が必要以上に情報発信力をアピールしても、情報漏洩の面から逆効果になる恐れがありますので、ご注意ください。

4-3 「特になし」は、もったいない

よく言われることですが、趣味の欄に「特になし」と記述することは自らの可能性を自ら閉ざしてしまいます
一般的な「読書」といっても、読書のジャンルを特定したり、その自治体の図書館をよく利用していることをアピールしたりしてはどうでしょうか。
これで面接官の興味を引き、プラスに繋げることもできます。
また、最近流行りの「古寺や城跡めぐり散策」についても、地元の魅力を再発見できるという点で、好印象を残せることでしょう。

5.まとめ 公務員の2次試験には、公務員特有の事情あり

公務員や地方自治体には特有の事情があることから、2次試験の面接では民間企業と異なるポイントも審査されます。
面接官もその地方自治体のいち公務員ですから、まずは「一緒に長く働けそうだ」と思ってもらえることが大事です。
加えてその自治体にマッチした協調性や、組織を前向きに改善できる自主性が重要視されます。

【特別区経験者採用】合格を決める!面接対策~特徴・質問例・勉強法を詳しく解説

特別区経験者採用は面接が重要らしいけど、どう対策する?」
「特別区面接の特徴や質問例、効果的な勉強法等を知りたい!」
自分は面接が苦手で…、短期で受けられる講座は無いかな?」

受験生のこんな疑問にお答えする記事です。

特別区経験者採用の二次試験で実施される面接試験。

”最終合格”が決まる重要な試験なので、万全な対策で臨みたいですよね。

そこで本記事では、次のような内容をご紹介します。

✓特別区経験者採用の面接試験の特徴3選
✓特別区経験者採用の面接で聞かれた7つの質問
✓特別区経験者採用の面接に勝つ!5ステップ対策法

面接の攻略ポイントがまとめてサクッと分かる記事になっています。

勉強の合間にぜひ、読んでみてくださいね!

1.特別区経験者採用の面接試験の特徴3選

特別区経験者採用の面接は2次試験で実施されます。

この面接は特別区人事委員会が行うため、「人事委員会面接」または「人事院面接」とも呼ばれます。

この2次試験に合格すると”最終合格”となり、その後に「区面接」があります。
「区面接」はほとんどの受験生が合格します(100%ではないことには注意が必要ですが…)。

そのため、「人事委員会面接」こそ最も重要な試験といえます。

以下に、「人事委員会面接」の特徴を3つ挙げます。

【特徴1】特別区の面接は長い!(約40分間)

一般的な公務員試験の面接は20分~30分程度ですが、特別区の面接は約40分間と非常に長いです。

集団面接ではなく個別面接であり、1人の受験生に対して3人の面接官がそれぞれ質問します。

また、質問への回答に対する追加の質問や「(回答が)他にはありますか?」といった鋭い質問が多く、一人ひとりの資質がじっくりと吟味される面接です。

そのため、受験生は単なる”一問一答”のような面接準備では太刀打ちできません。

志望動機や自己PRを中心に、自信をもって「語れる」準備をしておく必要があります。

【特徴2】面接が最終合格&順位に大きく影響する

特別区経験者採用では、論文試験(1次試験)と面接(2次試験)で合否が決まります。

配点は公表されていませんが、面接時間の長さからも面接の比重が大きいと想定されます。

さらに重要なのは、受験生は”最終合格”だけでは喜べないということです。

なぜなら、

✓どの区から面接に呼ばれるか分からない(下位合格者は希望区以外から呼ばれる場合あり)
✓まれに区面接で落とされるケースがある

このような事情があるからです。

✓希望した区から面接に呼ばれるか
✓万が一、区面接に落ちても他の区面接に呼ばれるか

これらは合格順位に左右されます。

したがって、「ぜひ特別区に入庁したい!」という人は面接対策を万全にし、上位合格を目指しましょう。

【特徴3】面接の質問はある程度パターン化されている

大規模な自治体の場合、面接の質問は例年、ある程度パターン化されています

受験生が多いということは、面接官も多く必要になります。
人事課の職員だけでなく、現役管理職などの他部署の職員が面接に関わることになるんです。

面接ブースごとに質問内容が大きく違えば、試験の公平性が失われてしまいます。
そのため、面接官の手元には人事課が事前に準備した「質問例」が置かれていると考えられます。

結局、毎年の人事委員会面接では、ある程度パターン化された質問が聞かれます。
ですから、過去の受験生が面接で実際に聞かれた頻出質問には、即答できるようにしておきましょう。

2.特別区経験者採用の面接で実際に聞かれた7つの質問【準備のヒントも】

毎年多くの特別区受験生にご利用頂いているASK公務員には、特別区面接情報の蓄積があります。

ここでは、特別区経験者採用でよく聞かれる質問の一部をご紹介しましょう。

職務経歴書と矛盾なく、簡潔明快に答えられるよう練習しておいてくださいね。

【質問1】特別区の志望理由を詳しく教えてください

職務経歴書の1つ目の質問で、同じことが聞かれています。

職務経歴書と矛盾した内容を答えると大減点になるため、職務経歴書を音読してほぼ覚えてしまうのが良い対策です。

ただし、一字一句同じ言葉を読み上げるのは不自然ですね。

職務経歴書は文字制限が厳しく、書き切れていない情報があるはずです。

そこに書ききれていない情報も補足して話せるよう準備しておけば、充実した回答ができるでしょう。

【質問2】職務経験は特別区の仕事にどう活かせるか

やはり職務経歴書に記述した内容と被る質問なので、矛盾のない回答を心がけましょう。

また、特別区の仕事を取り上げる際には、あまり限定しすぎないように注意したいです。

たとえば、受験生が、

「信用金庫で地域の企業を支えてきた。この経験を生かして区では産業振興課で~」

こんな回答をすれば、面接官は、

「他の部署に配属されることもあるが大丈夫かな?」

と不安に思うかもしれませんね。

どの部署でも活躍できる人材であることを示すために、汎用的なスキル(上記の例ならたとえば「相手のニーズをよく汲み取る傾聴力」など)をアピールするとよいでしょう。

【質問3】今の仕事を続けようとは考えないんですか

面接では、現職をポジティブに語る受験生が多いはずです。

そちらの方が自身の魅力をアピールしやすいですし、ネガティブに語って「この人は現職から逃げたいのかな?」と思われるよりもずっと良いです。

ただ、面接官によってはここで、

(そんなによい仕事・職場で能力が生かされているなら、続けても良いのでは?)

と思うようです。

この質問には、たとえば、

「たしかに現職は〇〇というような魅力がある。しかし、これまでの経験を生かし特別区で~」

このように現職を上回る思いや熱意、社会貢献への意欲を伝える答え方ができるとよいでしょう。

【質問4】特別区が抱えている課題は何だと考えるか

この質問は、受験者の行政への理解度や関心の高さを見ています。

また、この質問には「課題式論文」の勉強がそのまま生かされます。

課題式論文については、下記の記事も参考になさってください。

【特別区経験者採用】サクッとわかる課題式論文の対策法

「課題式論文」の序論で、社会状況や特別区の課題への認識を書きますよね。
あの内容を、面接のやり取りの中でスラスラと伝えられるようにしておきましょう。

よく書けた課題式論文を音読しておくと、よい準備になりますよ。

【質問5】あなたの欠点をあえて挙げるなら何ですか

職務経歴書には受験者の長所にスポットが当たっています。
この質問では、職務経歴書に無い内容を聞くことで、受験者のリアルな姿を知ろうとしています。

致命的な欠点は避け、職務経歴書で打ち出した長所の「裏返し」を答えると良いでしょう。

たとえば、職務経歴書に、

✓長所は継続力
✓現職で仕事環境を粘り強く改善した

こんなエピソードを書いた人なら、

「短所は、諦めきれずこだわり過ぎてしまう場面があるところです。」

こんな回答があり得るでしょう。さらにすかさず、

「ただ職場では色々な仕事を並行していますので、それら業務に支障が出ないよう、こだわりたい場合でも自分の中で期限を決めて取り組む、という工夫をして対処するようにしています。」

このように短所を補う努力もアピールすると、良い印象で回答をまとめることができます

【質問6】特別区以外に受験している自治体はあるか

面接官は受験生が確実に入庁してくれるかどうかを気にしています。

ですから、この質問への回答内容は必ず考えておきたいです。
併願しているとしても、「特別区が第一志望です」というように明確に志望度を答えましょう。

また、「併願自治体はありません」と答える場合にも、

「なぜ他の自治体を受けないのですか?」

と聞かれることがあるので、回答を予め用意しておきましょう。

【質問7】職場では今回の受験のことを伝えましたか

受験生の多くは2次面接の時点では受験を周囲に伝えていないはずです。

ただ、先の質問と同様、面接官は確実に入庁してくれるかどうかを気にしています。

「職場には伝えていませんが、合格次第、伝えます。また現在、担当している業務マニュアルを最新のものに書き改めるなど、個人でできることから引継ぎ準備をしています。」

たとえばこんな回答で、面接官の不安を先回りして解消できるといいですね。

3.特別区経験者採用の面接に勝つ!5ステップ対策法

「面接の重要性は分かったけれど、どうやって対策すればいいのかな?」
「人前で話すのは苦手だし、何から手をつけたらいいのか分からない。」

こんな受験者も多いでしょう。

そこで、効率的に面接準備ができる「5ステップ対策法」をご紹介します。

【ステップ0/事前準備】「全体像」をおさえておく

まず、面接試験の評価項目や基本的な対策法を知っておきましょう。

電子書籍『面接対策完全ガイド』を一読するのがおすすめです(無料です!)。

【面接対策完全ガイド】無料ダウンロード

1000人以上受験生を指導してきた講師のノウハウが詰まった本書の第1,2章を読めば、面接対策の全体像をサクッとつかむことができます。

【ステップ1】「職務経歴書」を音読して覚える

面接官の手元には、あなたがエントリー時に入力した「職務経歴書」のコピーが置かれています。

ですから、職務経歴書の内容から多く質問されると思って良いでしょう。

職務経歴書はWeb提出前に画面のスクリーンショットを取っておき、面接前には何度も音読してほぼ内容を覚えてしまいましょう。

そうすることで、実際の面接で自分の言葉で話せるように準備します。

※万が一、スクリーンショットを撮らずに提出してしまった場合は、大まかでも良いので記入内容を思い出し、再現してみましょう。

【ステップ2】「想定問答集」を作って音読する

「職務経歴書」をもとに「想定問答集」を作成し、音読します。

具体的には、「職務経歴書」コピーで聞かれそうな場所に下線を引くとよいです。

そして自分でQ&A化してみるのです。

たとえば、次の「職務経歴書」下線部について、あなたが面接官ならどんなツッコミ(質問)をしたくなるでしょうか。

✓職務経歴書「自分で考え、自分で行動した経験について」(例)

職場で大切な顧客情報シートの紛失騒ぎが短期間に二度起こった。そこで私は情報管理、業務効率化の観点からペーパーレス化を上司に進言し〜(以下、実行してうまくいったという内容)

私なら、こんな風に思いつく限り質問を書き出します。
✓想定質問

①ペーパーレス化に反対意見は無かったのか?
②それまでペーパーレス化が進んでいなかった理由は?
③すべての仕事はペーパーレス化すべきか(紙の方がいい仕事はあるか)?
 :

そして、これらの質問への答えも書いて、スラスラ喋れるように練習しておきます。

【ステップ3】「模擬面接」を受ける

ステップ2まで対策すれば、「こんな質問が来るから、こう答えて~」というように面接のストーリーができあがってくるはず。

ただ、実際の試験では、思いもよらぬ質問が飛んでくるものです。

その対策としては「模擬面接」を受けるのが最適です。

これまで独学で勉強してきた人も、面接だけは、無理に”完全独学”を目指さない方がよいです。

面接は受験者と面接官の双方向のやり取りで成立するものであり、個人練習には限界があります。

あなたの目的はあくまで、合格することのはず。

その目的に向けて最善と思われる手段を選んでいきましょう!

【ステップ4】「模擬面接」の復習をする

せっかく模擬面接を受けるなら、”受けっぱなし”ではもったいないです。

講師の指導をもとに面接回答を修正していく”復習”にこそ、意味があります。

模擬面接でうまく答えられなかった質問はノートに書き出し、講師アドバイスを生かして回答を練り直しましょう。

そして、その復習をふまえてもう一度、模擬面接にチャレンジできるとベストです。

つまり、模擬面接は1回きりでなく、複数回の受講が効果的です。

ASK公務員なら面接指導に熟達した講師に、時間の限り面接の指導を受けることができます。

公務員試験面接対策講座のご案内

これまで独学だった人も短期間でオンライン受講することが可能なので、本番に向けて悔いのない準備ができますよ。

【ステップ5(1級職の場合)】「3分間プレゼン」対策をする

近年、1級職は「3分間プレゼン」を求められることがあるようです。

この「3分間プレゼン」はⅠ類試験では昔から実施されてきました。

「志望動機」や「自己PR」、「取り組みたい仕事」を3分間でコンパクトに話すというものです。
準備していなければ1,2分で話が終わってしまい、大減点につながりかねません。

準備する過程で「志望動機」や「自己PR」を簡潔明快に話せるようになるので、たとえ「3分間プレゼン」を求められなくても準備する価値は大いにあります。

確実に合格したい人、上位合格を目指す人は必ず対策してほしいです。

「3分間プレゼン」は、ASK公務員講師・尾川直子先生による解説動画があるので参考にしてください。

また、ASK公務員「3分間プレゼン添削」では、特別区に特化したプレゼン原稿添削を受けられます。

特別区面接カード(自己PRシート)・3分間プレゼン添削のご案内

客観的な視点で「3分間プレゼン」をブラッシュアップし、自信をもって面接に臨むことができますよ。

話すことに苦手感のある人や、原稿作り・プレゼン練習にプロのサポートが欲しい人にオススメです!

【ステップ5(2級職の場合)】「事例問題」対策をする

例年、2級職では面接の最初に「事例問題」が出ます。

「事例問題」は面接の最初に行われるため、「事例問題」がうまくいくかどうかは面接官の印象を大きく左右します。

「事例問題」はたとえば、次のようなものです。

あなたは〇〇課〇〇係の主任である。〇〇係には、あなた以外にA係長、B主任、C係員、D係員、嘱託職員のE係員、今年度入庁したF係員がいる。~(以降、あなた以外の誰か、もしくは係全体に起きている問題が書かれている)

「事例問題」は次のような流れで行われます。
✓「事例問題」実施の流れ

(1)受験生の前の机に「事例問題」の紙が置かれている
(2)面接官から1分程度で内容把握(黙読)するよう言われる
(3)1分後、「ではこの状況で、あなたはどうしますか?」と聞かれる
(4)質問に答え、そのまま3,4往復の質疑応答を行う

この「事例問題」は、受験者の2級職(主任)適性を見ていると考えられます。

職場の課題について、「自分がどう考えて動くか」はもちろん、「上司への適切な報告・連絡・相談や、周りの職員とのスムーズな連携が取れる人材か」が問われているのです。

事例の”登場人物”が多く、練習しておかないと内容が把握できずに1分間経ってしまいます。

本番では緊張するので、事例文を指でなぞり、頭に登場人物の”相関図”を思い浮かべながら読むのがコツです。

ASK公務員「公務員試験面接対策講座」では講師の先生と相談しながら、面接練習の内容を決めることができます。

公務員試験面接対策講座のご案内

「事例問題」の練習もできますので、お気軽にご相談ください。

2級職は、職務経験の豊富な受験生が多い試験です。

ハイレベルな面接の成否を分ける「事例問題」の対策も抜かりなく、悔いの無い準備をしていきましょう。

4.まとめ

本記事のまとめです!

✓特別区経験者採用の面接試験の特徴3選

①特別区の面接試験は長い(40分、1対3、鋭い質問多し)
②面接が最終合格&順位に影響(下位合格は採用漏れリスクも)
③面接の質問はパターン化(過去の質問が参考になる)

上位合格を目指して、頻出の面接質問はしっかり準備しておきたいですね。
そして、実際の面接試験では、こんな質問がよく聞かれています。

✓特別区経験者採用の面接で聞かれた7つの質問

①特別区の志望理由を詳しく教えてください
②職務経験は特別区の仕事にどう活かせるか
③今の仕事を続けようとは考えないんですか
④特別区が抱えている課題は何だと考えるか
⑤あなたの欠点をあえて挙げるなら何ですか
⑥特別区以外に受験している自治体はあるか
⑦職場では今回の受験のことを伝えましたか

あなたは、これらの質問に即答できるでしょうか。
本記事を読み返しながら、自分らしい回答を準備していきましょう。

✓特別区経験者採用の面接に勝つ!5ステップ対策法

【ステップ0】「全体像」をおさえておく(事前準備)
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【ステップ1】「職務経歴書」を音読して覚える
【ステップ2】「想定問答集」を作って音読する
【ステップ3】「模擬面接」を受ける
【ステップ4】「模擬面接」の復習をする
【ステップ5】「3分間プレゼン」対策をする(1級職の場合)
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「事例問題」対策をする(2級職の場合)

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以上です!

皆さんが面接の場で、ご自身の経験や魅力を存分に伝えられるよう、そして夢を叶えられるよう応援しています。

地元ではない受験先の面接合格率を向上させる3つの方法

1.はじめに

地方公務員を目指している方の中には、「生まれ育った地元で働きたい!」という気持ちで、地元の自治体を受験する人が多くいます。

このような人は、面接において志望理由を考えやすく、その内容は面接官にとっても納得のいく回答になりやすくなります。これは、面接で高得点を得やすくします。加えて、地元愛が内定辞退の可能性を低く見積もられることになります。必然、面接という人物試験に通りやすく、人物試験が公務員試験における最終試験で課されるものであることを考えれば、最終合格がしやすいことを意味するでしょう。

では、地元でないところを受ける人は不利なのでしょうか。実はそのようなことはありません。しっかりと、正しい方向性で準備をすればむしろ面接試験の合格確率を高めることになります。本記事では、この合格確率を高める正しい準備の方向性を3点お伝えして参ります。

2.受験自治体と接点を持つ

正しい準備の方向性の第一は、受験自治体と接点を持つことです。

例えば、学生であれば、インターンシップ先として受験自治体で働く経験をしてみる、卒論などの研究のフィールドワーク先としてみる、などです。

接点を持てば、「魅力的な自治体と気づき、さらに盛り上げたいから受験した」というストーリーで面接試験の発言を準備できます。そして、このような発言は、大変志望意欲高いものとなるでしょう。なぜなら、接点の中で、自身の自治体を好いてもらい、さらに盛り上げたいと言われて悪い気はしませんし、何なら「ただ地元です」よりも、具体的に自治体への強い想いを有していると捉えられるからです。

なお、社会人の方でも接点を持つことはできます。受験自治体が開催しているイベントに参加する(ボランティアなどとして参加するなど含む)、施設を利用するなどの経験などであれば、学生のように多くの時間を割けなくても関わることが可能だからです。

ぜひ、地元外の受験の最終合格をより確実に手にしたいのであれば、接点を持つようにしましょう。

3.受験自治体の特徴的な政策を徹底的に調べる

正しい準備の方向性の第二は、受験自治体の特徴的な政策を徹底的に調べることが挙げられます。

例えば、自治体においては、公的医療保健制度の自己負担割合を下回る負担で良いという独自の子育て支援をしているところがあります(「中学生まで医療費無料」などは、家計の自己負担分をその自治体が肩代わりしています)。あるいは、自治体独自の企業振興用の助成金や補助金政策をしていることもあります。

こうした政策を徹底的に調べて、そうした政策への共感と、さらなる充実した政策に携わりたい想いを伝えるストーリーで面接試験の発言を準備すれば、志望の本気度が伝わるでしょう。

ちなみに、自治体職員になる場合、配属部署が分からないのに、そのように特定政策分野を語ることは、その分野でしか働きたくないようにみえて不利ではないかと考える方がいるようです。これについては、政策分野を上記のように、子育て支援、産業振興など複数分野探しておけば問題ありません。むしろ、1つの分野だけでなく、複数分野を探すようにしておきましょう

4.受験自治体の旬な情報を手に入れておく

正しい準備の方向性の第三は、受験自治体の旬な情報を手に入れておくことです。

例えば、面接試験ではしばしば「最近、気になったニュースは何ですか?」という問いがあります。これに対し、全国的なニュースを話すのが一般的です。ただ、ここで受験自治体の広報などにあるニュースを挙げたらどうでしょう。面接官は、「うちの自治体の事をよく見てくれているのだな」となるでしょう。

また、面接試験の最後で「何か質問がありますか」というときなどにも、受験自治体で行われていることに関する点で質問するのも有効でしょう。

このように、面接試験で問われる質問の中には、自身の受験自治体に関する知識を間接的にアピールできるものがあります。ぜひ、積極的に利用しましょう

なお、受験自治体のHPなどインターネットで手に入る情報だけでなく、図書館などへ行き、広報を閲覧するなどひと手間加えて情報を収集すると良いでしょう。

5.おわりに

面接試験は概ね15分ほどと決まっています。その中で、地元受験生でない場合、「どうして地元でなくうちを受けてくれているのか」、「うちと地元の自治体とどちらが志望順位高いのか」などの想いを面接官は有して試験に臨んでいます。ということは、こうした質問が投げかけられることが容易に予想できます。

そして、予想できるのなら精一杯の準備をしましょう。今回お伝えした、

①受験自治体との接点経験から魅力に思っていること、さらに盛り上げたいことを伝える、
②受験自治体の特徴的な政策を徹底的に調べ、これへの共感と、さらなる改善への意欲を伝える
③受験自治体の旬な情報を有している姿勢をさりげなく示す、といったテクニック

は、この精一杯の準備にあたります。是非取り組んで、好感度UPへつなげましょう。

こうして、予想できる問いに、かなり好感の持てる発言で答えれば、地元でもないのに何と意欲的なのだろうと思われ、面接での合格確率を高めることでしょう。

究進塾では、こうした面接に使えるテクニックなどをお伝えしています。もし、発言作りに悩んでいるのであれば、一度活用をご検討ください。

公務員試験の面接で聞かれる定番の質問の答え方は?講師が詳しく解説

面接対策なんて何が聞かれるかわからないし、やる意味なんてないのでは?という方もいるかと思います。
もしくは、コミュニケーションが得意だから面接対策はしなくても大丈夫!という声もよく聞きます。

しかし最近の公務員試験は面接重視の流れになってきていることから、基本的なことにしっかりと答えられないような人は「落ちる人」に該当してしまいます。

これは、いくら面接が得意と自賛する人でも、公務員試験の面接特有の対策をしなければ合格は正直難しいです。

そこでこの記事では、定番の質問に絞り、どのようなポイントを抑えて答えればいいのかについて書いていきますので、確認してみてください。

面接試験に自信がなく指導を受けたい方向けにマンツーマンの面接対策講座を実施しています!詳しくはこちらから。

1.なぜ民間企業でなく公務員なのですか?

定番の質問ですが、意外と納得できる答えが出てこないのがこの質問です。

多くの人は「住民の役に立ちたいから」といったふわっとした理由にとどまってしまい、本音では「安定してるから」とか「アフターファイブをエンジョイしたいから」という理由で公務員を目指している人も多いかと思います。

さすがにそれを面接で答えるわけにはいかず一生懸命事前に考えている人がほとんどだと思いますが、ポイントは「本当にそれは公務員じゃなければできないことなのか?」ということです。

例えば「市役所の福祉事務所でこうした仕事をしたい」とした場合、本当にそれは公務員じゃなければできない仕事なのかをよく考えてください。

もしかしたらNPOや民間企業でもできることかもしれません。そうすると「それって公務員じゃなくてもできるよ?」と突っ込まれてしまいます。

よくあるダメな例として、以下のような回答があります。

ダメな回答例・民間は営利を追求するが公務員は国民(市民)のために働けるから
・公務員の仕事は公益性があるから

これらの回答がなぜダメかというと、そもそも営利を追求するから経済が回っているわけですし、それによって国民全体が利潤を享受しているので、このように「営利=悪」という回答はよくありません。

また、「公務員の仕事は公益性がある」というのも、民間の仕事は公益性がないように受け取られる可能性があります。これも先ほどのダメな例と同様、民間企業の仕事によって我々に大きな利潤があるということを忘れてはいけないのです。

これらを踏まえ、自分が志望する自治体の仕事をよく調べ、何ができるのかを理解し、それが民間ではなく本当に公務員じゃなければできないのかをチェックしてみてください。

そこから自分のこれまでの経験(自分が公務員を目指そうと思ったきっかけなど)を踏まえ、その自治体でどのように貢献できるか、という部分を伝えることができれば十分でしょう。(省庁や自治体にどのような仕事があるかを知るには組織図を見るのがおすすめです。詳細は公務員の仕事内容や種類を知るなら組織図を見よう!をご覧ください)

ちなみに、後述する◯◯市で働きたい、という理由は公務員じゃなければ自治体で働けないわけなのですから、「◯◯市で働きたいから公務員を目指した」という回答でもいいと思います。じゃあなぜ◯◯市がいいのか、と聞かれるのできちんと答えられるようにしましょう。

ポイントまとめ

・民間の営利目的を否定しない
・自分のやりたいことは公務員じゃなければできないことか?
・経験と貢献できることを結びつけることができるか?

2.自己PRをしてください

私は公務員試験の面接で聞かれたことはありませんが、定番の質問だと思われるので対策をしておいたほうが無難でしょう。

自己PRは1分などの決められた時間内に「これまでの経験から何を得て、公務員として働く上でその経験がどう生かせるか」という部分をまとめて面接官に伝えるものです。

受験生にどのような強みがあり、その強みが仕事でどのように生かせるのか、という部分がチェックされます。

よくあるダメな例として、以下のような回答があります。

ダメな回答例
・私はコミュニケーション能力が高く、公務員として様々な仕事をやり遂げる自信があります。
・私はアルバイトでクレーム担当をしていたため、どのような方とも粘り強く話ができるようになりました。

これらのダメな回答例には前述した「これまでの経験からどのような苦労があり、そこから何を得て、公務員として働く上でその経験がどう生かせるか」について触れられていません。

最初の回答だと、なぜコミュニケーション能力が高いと言えるのかという根拠がありませんし、コミュニケーション能力は民間企業でも必要なものです。
また、コミュニケーション能力があるかどうかは面接官が見ればわかることですし、わざわざ言うことでもありません。

2番目の回答でも、その粘り強さについてどのように公務員として生かしているのかが触れられておらず、「それで?」となってしまいます。

ですので、仮にアルバイトでクレーム処理をしていたのであれば以下のように回答すると具体性が増していいでしょう。

回答例私はお客様目線で物事を考えることができます。アルバイトでクレーム担当をメインとしてやっており、無茶な要求をしてくるお客様が多いなか自分なりにどのようにして対応していけばいいか考えてきました。
まずクレームで言われたことを社員に共有し、内容を担当者ごとに知ってもらいました。そうすると無茶な要求ではなく、実は仕事を改善を行うことで対応できるということが判明し、すぐさまマニュアル化することでクレームを減らし、さらにはお客様に対応がよくなったとほめられるようになりました。
この経験から、まずは相手の立場に立ちどのようにすれば喜んでもらえるかを工夫するようになり、公務員として働く上でも相手の立場になって物事を考えるという視点を生かせると思います。

どうでしょう?ありきたりな回答かもしれませんが、こうした自己PRであれば、自分の強みがどのような経験から生じたものであり、それを仕事としてどのように活かせるかが伝わります。

中身云々よりは自己PRのポイントは以下のことを抑えておくことが重要です。

ポイントまとめ

・PRできること(強み)は最初に述べる
・その根拠や体験談をストーリー立てて伝える
・その体験から何を得たかを伝える
・得たことを公務員としてどう生かせるを伝える

まずは強みを最初に述べることです。面接全般に言えることですが、質問に対してはまずは「結論」から答えることを意識することが大切です。

そして自己PRの場合であれば、PRできること、つまり自分の強みとなる部分を最初に言って、その理由やストーリーを述べ、それを公務員としてどう生かせるか、という流れにするといいでしょう。

ちなみに、「協調性がある」、「コミュニケーション能力がある」、「社交性がある」といったPRは抽象的であり、具体的に伝えるのが難しいものでもあるので避けたほうが無難でしょう。

また、「さまざまな」や「いろんな」という表現も具体性を欠くため避けるようにしましょう。

そして、ダラダラと話すことやただの自慢話も嫌われます。上記のポイントを押さえ自分の強みをしっかり伝えるようにしてください。

間違っても「私は納豆のように粘り強い人間です」とかも言わないように(笑)

3.なぜあなたは◯◯県を志望しているのですか?

地方公務員であればおそらく聞かれるであろう質問ですね。

多くの人は自分の生まれ育った地域なのでその自治体を志望しているかと思いますが、単に「生まれ故郷なのでよりよくしたい」だけだと理由としては弱すぎます。

また、県として「観光による多くの企業を誘致して地域を盛り上げるという政策に共感して自分も携わりたい」という回答もありますが、その政策に自分がどう関わり、地域をどのようにしていきたいかという「未来の姿」が見えません。

ただHPを見て政策を上げてそれっぽいことを言ってる上っ面な感じが否めませんので、もう少し突っ込んで考えたほうがいいでしょう。

例えば以下のように回答してみるといいかもしれません。

回答例
私は生まれてからずっと◯◯県で生活をしており、昔からお祭りなどが頻繁に行われ地域の人が皆仲良くしていてとてもいい街だなと思っていました。現在、◯◯県では「◯◯観光事業創出計画」により外国の方も呼び込む取り組みをしていることに興味を持ち、私もその中で自治体と地域の方との協働により外国人にとっても魅力的な県にし、さらに魅力のある故郷にしていきたいと思い志望しました。

このように、自治体の方向性と自分の未来、そして「自分の故郷に対する想い」を織り交ぜることで説得力が増します。

4.なぜあなたは◯◯市を志望しているのですか?

区市町村の場合、都道府県よりも住民に近いところで働くことができます。なので、ほとんどの人はその辺りを志望理由として入れるのではないかと思います。

3の◯◯県を志望した理由と同様に、ただ地元がいいとかその自治体の施策の方向性に携わりたいでは理由としては弱いです。

また、区市町村レベルであれば密着している分、いい点ばかりでなく悪い点も目についてくるはずです。

どこの自治体もそうした課題を解決するために取り組みを行っているので、そうした課題をどのように解決していきたいかという部分についても触れていきましょう。そうすると面接官としても単なる憧れではなく、公務員として働く上で大切なことがわかってるなと思われます。

そのためには「自治体がどのような施策に取り組んでいて、どのような未来を作ろうとしているのかを調べ、自分のこれまでの経験と絡めながら何故その自治体かという部分に触れ、好きだからこそ住んでいる街をよりよくしていきたい」という回答にもっていくといいでしょう。

それにより、うわべだけでなく自分の描く公務員像と自治体の理念とを結びつけることができ、説得力のある回答となります。

5.なぜ自分の住んでいる自治体ではないのですか?

上記の2つは地元を志望するパターンでしたが、もちろんそうではない人もいるでしょう。

就職を機に東京で働きたい人や、逆に都会は嫌だから地方で働きたいという人もいるかもしれません。もしくはこれまで受験した自治体が全て落ちてしまい、日程的に受験できるから受けている人もいるかと思います。

こうしたときにどうしても「憧れ」や「なんとなく」という気持ちだけでその自治体を選びがちになってしまいますが、面接官はそこを鋭く突っ込んできます。

よくありがちな回答として、「友人がそこに住んでいて昔からなじみのあるところだったので志望しました」というものがありますが、なじみがあるというのはきっかけに過ぎず志望理由としては弱いです。

また、「◯◯市の行っている福祉の施策に興味を持ち、自分も携わりたいと思いました」というのも、その施策を行う部署に配属されなかったらどうするのか?という疑問が生じてしまい、それだったら他の自治体でもいいのでは?と思われてしまいます。

これらの回答には前述している「自分の経験」と「自治体の理念」の関連性が欠如してしまい、断片的な答えに終始してしまっているのです。

そのため以下のように回答することでより説得力のあるものになります。

回答例◯◯市には昔からの友人が住んでおり、アクセスがいいにも関わらず自然が豊かな場所であるという魅力に惹かれ志望先として考えるようになりました。他の自治体についてもいろいろ調べたのですが、◯◯市では△△事業をはじめとした住民にとって住みよい街づくりの施策を行っていることに共感を覚え、私も職員として参画することでよりよい街にしていきたいと思い志望しまいた。

いい部分も悪い部分も地元ではないからこそ見えてくることがあります。
そうした部分を自治体がどのような未来を見据えているのか、そして自分がそこに参加することでどのようにしていきたいか、という部分をまとめていくことが大切です。

6.希望しない部署に配属されたらどうしますか?

いくらやりたいことがあると言っても組織で働く以上希望しない部署に配属されるのは当たり前です。

もちろん答えは「頑張ります!」なのですが、面接官はこの質問で「仕事に対する本音」を知ろうとします。

しかし、「どんな仕事でも頑張ります!」では「あれ、◯◯がやりたいって言ってたじゃん」と思われてしまいます。

また、「希望の仕事ができる部署に配属されるよう、どの職場でも頑張っていきたいと思います」といった場合、一見よさそうですが、この回答だと「希望の部署に配属されなかったら辞めてしまうのでは?」と思われかねません。

ポイントは希望しない部署に配属されたところでもモチベーションを保って積極的に仕事をしていくという姿勢を見せることです。

回答例組織である以上は希望しない部署に配属されるのは当然だと思います。その中で課題やそれに対して創意工夫により取り組みを行うなどやりがいを見つけ積極的に頑張っていきたいと思います。

実際入庁すると自分の希望する部署に配属されることはほとんどありません。その中でいかにやる気を持って仕事をできるか、という部分を伝えることが大切なのです。

7.これまでに力を入れて取り組んだことはなんですか?

これもよく聞かれる定番の質問ですが、意外と回答に困る人が多い質問でもあります。

ほとんどの人はバイトかサークル、部活の経験を話すかと思いますが、中には大学時代はダラダラ過ごしたので高校時代の経験でもいいのか?と心配している人も多いですが、特に問題はないようです。

しかし、そうすると「大学時代は何してたの?」と聞かれる可能性があるので、できれば直近で頑張ったことを膨らませて(嘘はダメですが)話すようにしてみましょう。

ちなみに、よく就活本にあるような「部活で全国大会に出場した」とか「バックパッカーとして世界一周をした」といった華やかな経験は必要ありませんし、そもそも公務員になるような人はそんな経験をしている人なんてほとんどいません。

重要なのは「そこから何を得て、仕事にどう活かすか」ということです。これは自己PRと考え方は同じです。

なので以下のような回答はNGですので注意しましょう。

ダメな例
私が最も力を入れて取り組んだことは飲食店でのアルバイトです。どのような仕事も懸命に行い、2年目にはバイトリーダーとして任されることとなりました。

これまでの内容を理解している人なら何がダメなのかわかると思います。

まず、「どのような仕事も懸命に行い」という部分が具体性に欠けます。何をどう頑張ったのか、という部分がないと面接官としては受験生が「どのように困難を乗り越えたか」がわかりません。

この「困難を乗り越えるための工夫」は働く上で直面するトラブルでどのように対処できるかという部分が見られるので、必ず伝えるようにしましょう。

また、バイトリーダーに任命されたということで話が終わってしまっていますが、その地位になることで何を得て、仕事にどのように活かすのか、という部分も全くわかりません。

面接官が知りたいのは「頑張ったことから何を得て、それを仕事にどう活かすのか」ということを抑えて回答するようにしてください。

回答例は2.自己PRをしてくださいの章をを参考にしてください。

8.上司と意見が対立したらどうしますか?

仕事を進めていく上では上司と意見が対立することはよくあります。

自分が正しいと思って主張した意見も上司からはダメ出しされる。その時どう対応するか、という部分が社会人としてふさわしいかどうかがチェックされます。

難しいのは自分の意見を押し通すのは良くないけれど上司の意見に絶対服従してしまうということです。ですので、「組織である以上、上司の意見には必ず従います」というのも問題なのです。

それはその上司の意見が明らかに誤りであったり、住民(国民)目線でなかったりすることがあるからです。
なので、基本的には上司の意見には従うけれども、住民目線でないときや意見が間違ってると思われるときは自分の意見を出して比較検討する、という無難な回答にとどめておくことがいいでしょう。

ベンチャー企業のようなところでは、とにかく自分の意見を主張するということも大切かもしれませんが、公務員という大きな組織であまりにも主張が過ぎると 腫れ物扱いされかねないので注意してくださいね。

9.なぜ前職を辞めたのですか?

民間などから転職して公務員を目指す場合必ず聞かれます。

公務員試験の面接に限らず転職の面接全般に言えることですが、辞めた理由として>ネガティブな意見を言わないことです。

たとえば、「毎日終電まで残業だった」や「人間関係が辛かった」、「毎日残業しているにも関わらず給料が安かった」など、本音はそうだとしても面接でこのようなことを言ってしまうと嫌なことがあるとまた辞めてしまうのでは?と思われてしまいます

公務員だって人間関係で悩むことはありますし、残業もありますし(サービス残業も)、給料だってそんなによくはありません。なので嫌だから辞めた、では信用できないわけです。

かといって「前職はやりがいのある仕事でしたが、特定のお客様だけでなくより広く住民のために・・」というのもなんともありきたりな回答です。

要は「退職理由=志望理由」でまとめていいと思います。

「公務員として働きたいから試験勉強に専念するため前職を辞めた。」というのは回答として全く問題ないと思います。だって前職が嫌だから辞めたのではなく公務員として働きたいから辞めたわけですよね?(本音は別として)

なので変に前職の素晴らしさを言ってもだったらそれを続けてれば?と思われるので、無理やり公務員として働く志望理由に持っていけばいいでしょう。

そのためには、公務員になりたいと思ったきっかけや、入庁して何がしたいのかをしっかり答えましょう。(詳細は1.なぜ民間企業ではなく公務員なのですか?を参考にしてください)

10.まとめ

わかっていてもなかなか納得させられるような理由が思いつかないのが面接試験の難しいところだと思います。

しかし、面接官は公務員になろうとする人が単なる憧れではなく仕事について理解し、「熱意」を持っているかどうかを見ています。

上っ面な回答ではごまかしが効かない試験ですので事前に自治体の施策を調べ自分が何をしたいか、どういうことをできるかを全て洗い出し、模擬面接などで対策をしましょう。

そして最後は「人柄」です。上記のような回答例を丸暗記しても伝わりません。そこに「魂」を乗せ自分の言葉で伝えることが大事です。

「いつから面接対策を始めればいいか?」と悩んでいる人は、苦手意識がある人は今すぐにでも対策を始めるようにしてください。それくらい面接対策は重要なのです。

そして、身だしなみや入退室の方法などの基本が身についていない人は必ず抑えておくべき公務員試験の面接対策の「超」基本【解説写真付】の記事を必ず見るようにしてください。
これらは志望動機などを考えるよりも先に知っておくべき内容となっております。

志望動機についてさらに知りたい方は【試験種別】絶対に合格するための公務員の志望動機の考え方を参考にしてみてください。

そして、面接試験においては「話し方」もとても重要になります。
話し方に自信のない人は「伝わる」を意識した面接で良い印象を与えるための話し方をご覧ください。

評価基準がわからず緊張する面接ですが、しっかりと対策をして挑むようにしましょう!

【早めの対策を!】公務員試験の面接に受かる人と落ちる人の特徴とは?

公務員試験は基本的に面接試験の比重が合否判断の基準として高く、特に地方公務員の場合はほぼ面接で合否が決まるといっても過言ではありません。

そのため面接対策の重要性は理解しつつ同じように対策をしていても、面接では当然受かる人と落ちる人がいます。

実際にASK公務員では毎年多くの受験生が面接対策を受講されますが、「ここが気になる…」という方は多いです。

では、公務員試験の面接に受かる人と落ちる人にはそれぞれどんな特徴があるのでしょうか?

また、落ちる人にならないようにするためにはどんな方法があるのでしょうか?

それぞれの特徴を知ることで、自身の改善点を見つけてみてください。

1.公務員試験の面接で受かる人の特徴

まずは、公務員試験の面接で受かる人の特徴を挙げます。全て基本ですが、だからこそ重要となります。

1-1.真面目かつ誠実

真面目さと誠実さは、公務員として求められる資質の基本です。

なぜなら、公務員の仕事は国民や地域の住民に貢献するものであり、彼らに対して真面目かつ誠実に対応しなければならないからです。

民間企業とは違い、国民や地域の住民であればどんな方でも分け隔てなく接する必要があります。

ですので、面接官は面接中の発言内容や仕草を細かく見て、真面目さと誠実さを見極めようとしています。

とはいえ、真面目で融通が効かないと思われるのも印象がよくありません。

例えば、模範解答のような個性のない答えをしたり、堅物だと思われるような話し方をするのはNGです。

あくまでも面接は面接官と受験生のコミュニケーションの場だということを頭に置き、表情や話すときの抑揚、熱意を伝えるなどを意識することも大切です。

1-2.やりたいことが明確

当たり前ですが、やりたいことが明確になっている方は、面接官からすると、実際に公務員になってから真面目に働いてくれると思ってもらえます。

また、公務員の人件費は税金から支払われるため、尚更いい加減な仕事をしてもらいたくないと思うのは当然のことです。

だからこそ、やりたいことは具体的あればあるほど良いのは間違いありません。

もしやりたいことが具体的でないと、「他の自治体や民間企業でもできるじゃないの?ウチじゃなくてもいいんじゃ?」と思われることもあります。

やりたいことを明確にするには、3-2で紹介する深い自己分析が重要となります。

1-3.主体性がある

面接官からすると、指示を待つばかりの人材よりも、主体性を持って自ら考え率先して動いてくれる人材の方が採用したいと思います。

一般的に公務員の仕事は毎日ルーティンをこなすだけだと思われることも多いですが、実際は前例のない問題に取り組まなければならない場面も多いので、主体性が大いに求められます(このコロナ禍においおいて、国や自治体の職員ががどれだけの新たな課題にぶつかり、対策に追われているのか想像を絶します)。

そのため、今までにリーダーなどの経験がある人や、積極的にボランティアに参加してきた人、課題に大して自ら働きかけ解決した人は、面接官から主体性においては高く評価されるでしょう。

1-4.コミュニケーション力が高い

コミュニケーション力は、いわゆる「話し上手」な人や「おしゃべりな人」を指すものではありません。

アルバイトやサークルなどでは、こういう人は「コミュ力が高い」と思われるかもしれませんが、仕事の世界では全く別物だと考えておくべきです。

ここでは他人とスムーズなコミュニケーションができることをいいます。

民間企業でも当然コミュニケーション力は必須ですが、実は公務員のほうが重要だと思うことも多々あります。

公務員は究極のサービス業とも言われ、特に住民対応を円滑にするためにはコミュニケーション力は必須です。

中には急に怒りだす人や、話の通じない人もいます(公務員はお客を選べないので大変です)。

もちろん、業務を行ううえでも上司や先輩とのコミュニケーションがうまくできないと、仕事がスムーズに進みません。

そのため、面接でコミュニケーションスキルの高さをアピールできる人は、面接官から安心して仕事を任せられそうという印象を与えることができます。

1-5.論理的思考力が高い

論理的思考力とは、「A=B、B=C、ゆえにA=C」のように、情報を整理してものごとを筋道立てて考える能力であり、コミュニケーションスキルと同様、公務員として働く上では(民間であってもですが)欠かせない力です。

論理的思考力は問題を解決したり、業務の効率化を進めていくためには必須です。また、面接においても質問に対する的確な回答をするためにも論理的思考力が要求されます。

論理的思考力がしっかりしている人は、公務員試験の面接で良い印象を与えやすいです。

一方、話していて話がこんがらがる人や、何を言っているのか分からないと言われるような人は注意が必要です。

2.公務員試験の面接で落ちる人の特徴

ここでは公務員試験の面接に落ちる人の特徴を紹介します。1で紹介した逆の人が落ちる傾向にある人なのですが、少し違った視点でも紹介します。

これらにひとつでも当てはまる方は注意が必要です。

2-1.身だしなみが整っていない

面接試験では、第一印象が非常に大切とよく言われますが、これは事実です。

実際に面接官を担当したことがある人から話を聞くことも多いですが、第一印象が悪いとその後にマイナスイメージが挽回されるケースはほとんどありません。

髪がボサボサだったり、シャツがシワシワだったり、靴が汚れていたり…。こうした見た目は非常に印象が悪いです。

ですので、身だしなみが整っていないと、それだけで面接官の興味をなくし、合格が大きく遠ざかってしまいます。

2-2.信用に欠ける

公務員として公的機関で働くためには、国民や地域の住民から信用されなければいけません。

だからこそ、面接官としては、信用できそうな人材を採用したいと思います。

例えば、面接で一貫性のないことを話してしまったり、嘘をついてしまったりすると、面接官からの評価は大きくダウンします。

信用に欠ける方と判断された方は、公務員試験の面接に受かるのは厳しいと考えておきましょう。

2-3.志望動機が弱い

公務員は正直なところ、待遇の良さや安定性を求めて志望する方は少なくないと思います。

それ自体は全く悪いことではありませんが、志望動機を聞かれる場面でこれらを正直に話したら当然一発アウトです。

面接官が納得するような具体的で熱意のある志望動機がないと、合格は難しいでしょう。

面接官は毎年多くの受験生に面接をしているプロです。なので、薄い志望動機だと相手の本音を見透かしています。

だからこそ、面接の場では明確な志望動機を語って欲しいものなのです。

2-4.自己PRが不十分

公務員の人件費は、税金で賄われています。そのため、仕事の質が低いと国民や地域の住民から避難を浴びてしまうのが公務員です。

面接官としては、当然良い仕事をしてくれる優秀な人材を欲しいと考えているので、公務員としての業務をこなせるだけの能力があることを示せるだけの自己PRが必要です。

もちろん仕事に対する意欲は大切です。しかしやる気ばかり高くても、能力が伴っていなければ、面接官としては採用したいとは思えません。

面接の場でしっかりとあなたを採用するメリットを自己PRで提示できなければ、採用してもらうのは難しいと考えたほうがいいでしょう。

2-5.面接官との受け答えができない

これはいわゆる「コミュニケーション力が低い」ということと同義なのですが、要は面接官の質問に対して適切かつ端的に回答できているかどうかがポイントです。

質問と関係ないことを答えたり、必要のないことまで話過ぎてしまう、という受験生は非常に多いです。先にも書きましたが、「コミュ力=おしゃべり上手」ではないのです。

面接で上手く会話のやり取りができないということは、職場内でのコミュニケーションや住民対応にも問題があるのでは?と面接官は不安になります。

素晴らしい回答よりも、きちんとした受け答えをするという最低限のことができるということが重要なのです。

3.面接で落ちる人に該当してしまった人がやるべきこと

公務員試験の面接で落ちる人の特徴に当てはまっている人は焦ってしまうかもしれません。

しかし、自分にできていない点に気づいただけでも十分です。この記事を読んだらすぐにやれることをやっていきましょう!

3-1.面接対策を早めに始める

元も子もありませんが、とにかく早く面接対策を始めるべきです。

特に、話し方やコミュニケーションに不安がある場合、そう簡単にこれらは改善するものではありません。

公務員試験の面接対策は、よく筆記試験終了後から始めれば間に合うと言われていますが、できれば3ヶ月前くらいから少しずつでも始めていきましょう。

目安としては、論文対策と同時期くらいから少しずつでも始めた方が良いでしょう。

そして、改善されているかどうかを把握するためにも、予備校などで講師からフィードバックをもらうことも忘れないようにしましょう。

3-2.自己分析を深くおこなう

強い志望動機の提示、魅力的な自己PRをおこなうには、深い自己分析が必須です。

  • 自分の強みは何なのか
  • 自分がやりたいことは具体的に何なのか
  • これまでの経験をどう生かすことができるのか

こうしたことをひたすら掘り下げてください(方法については本やネット上にいくらでも載っています)。

よくネット上の記事で「自己分析は不要!」といった主張がされることもありますが、そうした主張は無視しましょう。自己分析をせずに面接対策をすることはほぼ意味がありません。

面接では、受験生が答えた質問に対し、「なぜ?」「どのように?」といったように相当突っ込まれます。

自己分析が足りない場合、面接官から突っ込まれたことに対してうまく答えることができません。それは表面上の志望動機や自己PRに終始しているからです。

だからこそ、掘り下げれば掘り下げるほど、面接で説得力のある話ができるようになるのです。

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3-3.会話をしているという意識を持ち訓練をする

面接の場というだけで緊張してしまい、頭が真っ白になってしまい何も答えられない、という人は非常に多いです。

しかし、面接はあくまで面接官との会話であるということを忘れずに、自然に受け答えをする必要があります。

また、中には質問に対して必要以上に話すぎる人もいますが、これもNGです。

面接では自分の魅力を面接官に伝えなければなりませんが、一方的に話し続けてしまうと、人の話を聞かない・要点を伝えられない人だと思われてしまう可能性があります。

不安な方は、模擬面接などで場馴れをしたり、練習風景を録画して自分で確認し改善していく、といった訓練をするとよいでしょう。

3-4.想定問答集を用意する

いくら頭の回転の速い人でも、想定外の質問に面食らってしまう可能性があります。

人はインプットされていないことはアウトプットすることはできません。

アウトプットができないということは、コミュニケーション力が低いと評価されることにも繋がってしまいかねません。

だからこそ、ある程度は想定問答集を用意して面接に臨むことは重要です。

ただし、あからさまに回答を丸暗記している感が出てしまうのはNGです。

丸暗記をしてしまうと応用が効かないばかりか、面接官にも「暗記してきてるな」という印象を与えてしまいます。

あくまで回答の要点だけ頭に入れておくようにし、つなぎの言葉は面接の場で考えて発するようにすると自然な感じになります。

あくまで面接は「コミュニケーションの場」である、という認識は忘れてはいけません。

よく聞かれる質問については確実に答えられる必要があります。詳しくは以下の記事をご覧ください。

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3-5.模擬面接を受ける

面接の評価は主観ではなく「客観的に」判断されます。

そのため、自分では完璧だと思っても、いくらでも改善点が出てくるものです。

模擬面接により第三者にチェックしてもらうことで、例えば、身だしなみに問題があったり、無意識に声が小さくなってしまったり、話の内容の整合性が取れていなかったりといったことは自分自身では気づけないことに気づくことができます。

また、自己分析の深堀りや想定問答集の作成においても予備校の講師などから模擬面接の中でフィードバックをもらうこともできるので、ある程度面接対策が進んできたら一度全体的なチェックのためにも模擬面接を受けることはおすすめです。

4.まとめ

公務員試験の面接に受かる人、落ちる人の特徴と、落ちる人にならないための対策方法についてお伝えしました。

繰り返しになりますが、面接だからといって身構えるのではなく、面接官との会話の場だと捉えてください。

そして、落ちる人の特徴に該当してしまう場合は、早めに対策をしておくことが重要です。

本記事を読んだ後にはすぐにでも対策を進めていってください。

評価される面接カードの書き方と知っておきべき注意点など全解説

公務員試験において面接カードは、面接で行われる質問の基礎になるので、とても重要である、しっかり作り込む必要があります。

しかし、問われていることが抽象的で、何を書くのが正解なのか良くわからないという声もよく聞きます。そのため、なかなか手が進まずに困っている人も多いのではないでしょうか。

本記事では、面接カードでは面接官が何を評価し、各項目に対してどのように考えて書いていけばいいのかを解説しています。
面接官から高い評価を受ける面接カードを書けるようになりましょう!

1.面接カードで面接官は何を見ているのか?

面接カードには記入すべき様々な項目が設けられていますが、見られている内容はシンプルに

  • 自己PR
  • 志望動機
  • 人物評価

の3つに集約されます。

人物評価とは「職場に馴染み、他の職員と協調してやっていけるか」という評価で、面接カード全体の印象から受ける、その人の人柄や性格をもとに判断されます。

まずはこのことを念頭に置き、どの項目も結局は3つの中のどれかを聞きたいんだ、ということを意識しましょう。そうすることで、少なくとも的はずれな内容になることはありません。

2.良い面接カードの特徴

面接カードで見られるポイントがわかったら、次は良い面接カードの特徴をおさえましょう。きちんと面接対策をしている合格者の多くは、これらの特徴を持った面接カードが書けています。

2-1.質問の意図を理解している

面接カードを作成するときは、面接官が何を知りたいのか(意図)を良く考え、それに対して的確に答えなければなりません

前述の通り、面接カードで見ているのはどの項目であれ、自己PR・志望動機・人物評価の3つです。そのため、何となく答えていくのではなく「その項目で聞きたいのは3つのどれに関することなのか」をよく考えることが重要です。

詳しい考え方については3-1で紹介しますので、まずはこうした意図を理解する必要がある、ということを頭に入れておきましょう。

2-2エピソードを用いて説得力がある

自己PRや志望動機の記載において、単に「〇〇ができます!」や「〇〇の政策に携わりたいと思います」というように事実だけを述べて終えてしまう人も多く見かけます。

国家一般職の面接カードのように記載スペースが少ない場合は仕方ありませんが、十分なスペースがある場合は、あなたの独自のエピソードを交えて伝えることで、なぜそのように考えたのかがより明確に伝わり説得力が増します。

面接ではある状況や出来事に対し、その人が「何を考えどう行動するのか」といったエピソードを確認することで、公務員としての適正を判断しています。

2-3.内容に一貫性がある

面接カードには様々な項目があるので、一見散らばった情報を記載していくイメージがあるかもしれません。

しかし、内容に一貫性を持たせることで面接官の印象に残りやすくなる、ということは頭に入れておいてください。

例えば、あなたのアピールしたいことが「協調性」だとしましょう。

面接カードには様々な項目がありますが、自己PRに関する項目を全部「協調性」につなげていけば、ブレがなく、面接官にあなたが「協調性のある人物である」ということがストレートに伝わります。

つまり、内容に一貫性を持たせることで、「自分はこういう人間だ」というメッセージが伝わりやすくなるのです。

必ずしも1つに集約する必要はないですが、例えば「協調性があるし、主体性もあるし、コミュニケーションの達人である」というように、あまり内容が散らかると与える印象が弱くなってしまうので、せめて2つくらいに絞るようにしたほうが無難です。

2-4.文章が読みやすい

面接カードに書く内容も大事ですが、文章が読みやすいとそれだけで好印象を与えます。

流れがよく、何が言いたいのかよくわかる文章は、作り込まれているという印象を与えます。

すると「内容もきっと良いだろう」という印象を自然と与えてくれるのです。

3.好印象を与える面接カードの書き方

良い面接カードの特徴をおさえたら、実際に面接カードを書いていきましょう。初めは上手くいかないかもしれませんが、何度も修正しながら、時間を掛けて完成度を上げていきます。

 3-1.何をアピールする項目なのかを意識して書く

まずは、2-1でお伝えしたように、いきなり書き始めるのではなく、「その項目から面接官が何を知りたいのか」を考えましょう。

面接カードで見ているのはどの項目であれ、自己PR・志望動機・人物評価の3つだとお伝えしました。

例えば、「成果や達成感を得た経験について」という項目があったとします。

これは自己PRや人物評価に関わることだと考えられますので、その点を意識した内容で書きます。

その場合、次のように考えてみるとよいでしょう。

  • どのような成果を得たか
  • その際にどのような課題があり、どう解決したか
  • そこでどのような力を身に付けたか
  • それを実際の仕事でどう活かすか

といったように質問を掘り下げ、次のような解答を記載します。
※例なので、面接カードの内容や受験先によって調整は必要です

(例)「飲食店のホールスタッフとして、主体的に取り組む行動力を身に付けました。お客様のニーズを自ら発見して、指示されるに動き、新たな料理の提案も行いました。これにより、店舗の目標を達成できました。公務員としても、住民のニーズを主体的に汲み取りながら、より良いサービスを提供していきたいです」

このように、何が聞かれているのかを自分なりに考え、それに答えるような内容にするようにしましょう。

 3-2.読み手目線で考える

読み手目線で考えるとは、「この文章で読む人に伝わるか」という視点を持つことです。

読み手目線で書くためのポイントは

  • エピソードを用いること
  • 分かりやすい文章であること

この2つを抑えることです。

先程の例文で言えば「主体的な行動力」という自己PRのために、飲食店のホールスタッフというエピソードを用いました。これによって、受験生がどのようなプロセスを経て今の考えに至っているのか、ということが伝わります。

そして、分かりやすい文章を作成するには様々なテクニックがありますが、言いたいことをダラダラと書くのはNGです。

エピソードを入れようとした結果、冗長になり何を伝えたいのか分からない文章になることはよくあります。

たとえば、一文は長くても60字までとし、文章の区切りでは適宜改行を入れるように読みやすく工夫する方法や、「結論→理由→具体例→結論」という流れで書く「PREP(プレップ)法」を用いるといった方法が効果的です。

PREPとは、「Point ・ Reason ・ Example ・ Point」の略

・Point  = 結論・ポイント
Reason  = 理由
・Example = 事例・具体例
・Point  = 結論・ポイントを繰り返す

上記のような順番で構成することで結論を重視でき、1つのことを具体的に伝えるので分かりやすいだけでなく、説得力も増します。

 3-3.コピーを取り繰り返し書く

面接カードの内容を考えるときは、何度も書き直しや修正をするので、いきなり原本を使うことはおすすめしません。

自分では完璧だと思っていても、いざ書き始めると違う伝え方や、考えていたものと違う内容がどんどん出てきます。面接カードは繰り返し書くことでブラッシュアップされ、徐々に完成度を高めていくものなのです。

そのため書き始める前にコピーを取っておき、原本は最後まできれいに保管しておいてください。

 3-4.添削してもらい修正を繰り返す

面接カード書き上げたら(原本にはまだ手をつけません)、添削をしてもらいましょう。

自分で書いているときは気付かなくても、理解しづらい表現や内容の矛盾など、面接官の視点から見て違和感を感じる部分が必ずあります。

予備校の講師など、専門的な知識を持った講師に添削してもらうことで、合格答案に近づけるためのアドバイスをもらうことができます。

なお、ASK公務員の「オンライン添削」では面接カードの添削および合格のためのポイントを詳しくお伝えしていますので、書いた答案を送付いただくことで添削可能です。詳しくはこちらのページをご覧ください。

面接カードの添削例

4.面接カードでよく聞かれる項目への答え方(例文つき)

ここでは面接カードで頻出の項目についてどう考えればいいのか、例文を交えながらお伝えします。試験によって多少聞き方は異なりますが、おおよそここで紹介している内容を聞いていると考えてもよいでしょう。

※例文については面接カードによって書き方が異なるのであくまで参考程度にとどめ、自分に合った内容をしっかりと考えるようにしましょう。

4-1.自己PR

面接カードの代表的な質問であり、「これまでの経験で得たこと」というような聞かれ方をしたりします。

公務員に必要な能力は、正確な事務処理、地道に続ける継続力、周りと協働できる協調性などです。それに加え、自治体では区民と接するコミュニケーション能力や事務を行う上での集中力など、仕事の特性に応じた能力も必要です。

そのため、採用案内を確認したり、仕事内容から自分なりに想像したりして、志望するところの求める人物像をきちんと理解した上で、それに合わせた自己PRを考えましょう。

自己PRから最終的に面接官が知りたいのは、「その能力を職務にどう活かせるか」ということです。なので、面接カードでは「〜ができる」というだけでなく、その能力を仕事にどう活かせるかまで書いておくべきです。

(NG例)
私は、物事を地道に積み重ね、1つのことを成し遂げる力があります。大学時代は、最低1週間に2冊の読書をすると決め、4年間で400冊もの本を読みました。また、私は経営学のゼミに所属しており、経営学関連の書籍もたくさん読んだことでたくさんの知識が身に付き、それを活かして学部内のコンクールでは「文献に基づく正確な根拠」を評価していただきました。この学部時代に得た知識を、仕事にも活かしたいです。

一見良さそうな気もしますが、アピールしたいことがはっきりしません。

この内容なら「継続力」など明確に打ち出すと良いです。また、確かに継続力も大事ですが、この内容だと読書ばかりで人と接していないような印象もあります。

そこで、チームで行ったことにもっと焦点を当て、公務員に不可欠な「協調性」もアピールするとより良いでしょう。

(OK例)
私の売りは、自分の力をチームのために最大限活かす「貢献性の高さ」です。
所属していた経営学部では、ゼミ対抗の研究発表コンクールがありました。本好きで知識量とインプットの速さに自信がある私は、論文の編集作業を他のメンバーに任せ、情報収集に徹しました。研究に必要な情報のみを正確に提供できるよう、メンバーから定期的に聞き取りを行い、的確で充実した情報提供を行いました。
こうして私が提供した情報はチームの研究に役立ち、コンクールでも「研究の根拠がきちんとした文献に基づいており、正確である」と評価していただきました。
私は仕事においても同じチームの人を尊重し、皆で協力して高い目標を達成していきます。

「貢献性の高さ」という明確なアピールポイントに変え、ゼミ内のメンバーとの協力部分に焦点を当てたことで「協調性」が表れる内容に変わりました。

▼参考記事

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4-2.志望動機について

志望動機はどこを受けるにしても、必ずと言って良いほど聞かれる項目なので、しっかりと準備をしておく必要があります。

面接は、採用者と受験生のマッチングの場です。そのため、「ここでなくてはダメなんです」という熱意を伝えることが最も重要です。

しかし、単に「志望理由は〇〇です」と言うだけでは、熱意が伝わりません。

仕事内容や社会的役割を理解し、自分がどう貢献ができるか、そしてどう課題を解決できるかまで提示して、ようやく熱意を示したといえるのです。

また、課題解決の提示をするときは、「課題に対して自分ができること」も示す必要があります。

そのため、志望動機は自分の能力をアピールする、自己PRにもつながってきます。

この点を意識して、志望動機と自己PRをうまく関連させると、面接カード全体の統一感が取れ、面接官の印象に残る良い面接カードになります。

(NG例)
私は生まれ育った〇〇市に勤め、より良い街づくりを実現して地元貢献したい考えました。〇〇市は、自然の豊かさと快適な住環境が共存したとても良い街で、幼い頃から家族とともに過ごし、今でも大好きな街です。私はこの〇〇市で街づくりの事業に携わり、住民の方がより一層快適に過ごせる住環境を実現したいです。

ありがちな地元貢献したいという志望動機やですが、単に生まれ育った街だからという理由では「ここでなければダメ」という熱意が伝わってきません。

「街づくり」というのも一種の定型文であり、全体を通して内容が抽象的なため、「仕事内容が理解できていない」と思われてしまいます。

(OK例)
母子家庭である我が家を支えてくれた〇〇市に感謝し、同じように〇〇市で子育てをする人の役に立ちたいと考えました。
〇〇市の魅力は福祉制度にあり、特に子育て支援制度の充実が魅力的です。幼い頃に私の家庭を支えてくれた〇〇課の職員の方は、母子家庭特有の課題にも真剣に向き合い、柔軟に様々な提案をしてくれました。
母子家庭や低所得者層の増加は、〇〇市でも課題です。私は母子家庭で育った自身の体験を活かして、子育て家庭に寄り添った柔軟できめ細やかな対応をすることで、子育てをする家庭の支えになりたいです。

実体験を踏まえつつ仕事内容にも言及し、〇〇市でなければならないという熱意が明確になりました。また、現状の課題と解決策も提示できています。

さらに「柔軟できめ細やかな対応」を自己PRに関連させることができれば、全体の統一感があって面接官の印象に残るより良い面接カードになるでしょう。

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そもそも志望動機が思いつかない場合は?

受験するのに志望動機が思いつかないというのもおかしな話かもしれません。

しかし、公務員試験は日程さえ重複しなければいくらでも受けられるので、例えば滑り止めや練習としてとりあえず受ける場合などは、実際に志望動機がないというケースも起こり得ます。

もし志望動機がすぐに思いつかない人は、まず公務員の社会的役割や受験先の仕事の魅力をよく調べましょう。

ネット上でたくさん情報が手に入るので、志望する省庁・自治体の魅力や他との違いを良く調べ、どこか共感できるところがあれば、そこから志望動機を作っていくとよいでしょう。

4-3.学生時代の経験について

学生時代に成し遂げたことや力を入れたことなど、学生時代の経験を聞く項目です。いわゆる「ガクチカ」というやつですね。

ここで聞きたいのは、その経験で「あなた自身が何を考えどう行動したか」ということです。エピソード自体はアルバイトやサークル活動など、身近な経験で問題ありません。

また、面接官はエピソードを通して「何を得たか、どう仕事に活かすか」も見ています。だから、経験から得たことや学んだことをアピールするのが良いです。

(NG例)
私は大学時代、大学受験の家庭教師アルバイトをしていました。そこでは数学を教えており、ある生徒の数学の点数を格段に上げることができました。
その生徒は特に数学が苦手だったので、私は途中式を細かく見ていき、ミスをしているところを的確に把握して、重点的に教えました。このような効果の高い勉強で点数を伸ばすことができ、最終的には志望校に合格させることができました。

細かい問題の解き方ではなく、そこから得たことを一般化してアピールしたいです。また、この経験で得たことをどう仕事に活かすかも伝わりません。

(OK例)
私は学生時代、大学受験の家庭教師アルバイトをしていました。そこで数学を教えていた私は、ある生徒の点数を飛躍的に伸ばすことができ、志望校合格に導きました。
私はその生徒に合った勉強計画が大事だと考え、本人の話をよく聞き、苦手分野を把握して、勉強計画を作り込みました。そして、 ベテランの先生やスタッフの社員に分かりやすい教え方や勉強計画のアドバイスをもらったことで、順調に点数が上がっていき志望校の合格を果たしました。私はこの経験で、ニーズを的確に把握してサービスを提供する力を身に付けました。この経験を活かし、公務員としても市民のニーズに合ったサービスを提供していきたいです。

自分がした工夫がわかりやすくて個性があり、他の先生やスタッフに協力してもらうエピソードから協調性も窺えます。

さらに、この経験から得たことを一般化して、仕事に活かす話にもつなげられています。

「何も頑張ったことがない…」という人へ

中には「アルバイトもサークルもやってなくてアピールできることがない…」と困って相談される方もいます。

しかし、仮にアルバイトやサークル活動をしていない人でも、授業で単位をとるための勉強法や、家事の手伝いをしたときの工夫など、何かしら自分で考えて行動した経験があるはずです。

どんな些細なことでも構いません。少しでも力を入れて取り組んでことや自分なりの工夫さえ示せれば、そうした日常的なことでも構わないのです。

4-4.興味・関心分野について

「最近興味を持ったこと」というような抽象的な聞き方がされますが、基本的にはニュースや新聞に書かれるような「時事関連の事項」を書ければ良いでしょう。

なお、「関心がある」というだけでなく、具体的かつ自分なりの意見を述べることが重要です。

(NG例)
生活保護費の一部が減額されるというニュースに関心を持ちました。生活保護を受けている人は、ただでさえ少ない保護費で生活しているので、可愛そうだと思いました。生活保護は最後のセーフティーネットなので、簡単に削減するべきではないと思います。

行政関連の時事問題を取り上げ、一応自分なりの意見が述べられています。ただ、これだと一般的な感想にとどまっているので、生活保護について取り上げたのならもう少し深堀りしたいです。

(OK例)
生活保護費の一部が減額されるというニュースに関心を持ちました。このニュースを聞いて考えたのは、例え保護費が減額されるとしても、被保護者の方へ向けた就労支援の拡充や介護制度の充実など、他の面でフォローができるのではないかということです。
例えば介護制度は国の施策の他、各自治体で独自に行っているものもありますが、普及が不十分な制度もあります。

生活保護という話題から入って、具体的に介護という福祉分野の話へと深堀りでき、自分自身の意見も述べられています。

どのようなテーマでもいいというわけではない

興味・関心分野の注意点としては、政治や個人の思想についてのテーマや不正会計のようなネガティブなテーマは避けた方がよいでしょう。

面接官は受験生が普段から興味・関心があるテーマを知ることで「どのような人物か」を判断しています。

面接では今後数十年間ともに働く仲間を探す場です。なので、過激な思考を持っていたり、奇抜なことを言う人ではなく、「普通の人」がいいのです。

とはいえ、同じようなことを書いても差がつかないので、そこで具体性や自分の意見が重要になるのです。

4-5.長所・短所

長所・短所は、生まれ持った性格的な面もあるので、自己PR・志望動機ほどは合否に影響しません。この項目は、主にその人の人柄をみて、職場に馴染むことができるかの参考にする程度です。

ただし、公務員としての適正を欠くような短所は書かないほうが無難です。例えば、ギャンブルで借金してしまうとか、酒癖が悪いなどです。

また、長所を上手く自己PRにつなげたり、短所を克服するために頑張っていることを書きくことで、好印象を与えることも可能です。

(NG例)
長所は前向きな性格です。落ち込みそうなことがあっても良い面を捉え、いつも前向きに考えます。短所は、注意力が低くて大事なことを忘れてしまう点です。公務員試験の際も、一度受験票を家に忘れて、取りに戻ったことがありました。

長所が抽象的でイメージしにくいので、もう少し明確にしたいです。

また、短所が公務員としての適正を欠き、「仕事でも重要なことを忘れて大きなミスをするかもしれない」と思われてしまいます。この短所はきちんとフォローするか、表現をもう少し工夫したほうが良いでしょう。

(OK例)
長所は、前向きな性格です。例えば、家庭教師のアルバイトで、担当チェンジをされてショックを受けたことがありました。しかし、何がいけなかったのかをよく話し合って次に活かせたので、結果的には良い経験になったと前向きに捉えています。
短所は、1つのことに集中すると、稀に他が疎かになってしまうことです。この短所を克服するために、手帳にメモすることと、定期的な手帳のチェックを習慣にしました。そうすることで短所を克服でき、これまで以上に高い集中力を維持できるようになりました。

長所にエピソードが入ったことで、前向きな性格を上手くアピールできています。また、「忘れやすい」という短所は切り口を変え、「集中力の高さ」という良い表現に変わりました。

さらに、短所を克服するフォローもできているので、短所にきちんと向き合っている点が好印象です。

4-6.趣味・特技

この項目も評価に直接影響するものではありません。趣味や特技をみて、その人の性格や人柄をイメージしたり、単に面接の冒頭で緊張をほぐすために質問したりもします。

そのため、基本的には何を書いても問題ありません。ただし、「ギャンブルが趣味」というように、公務員としての適正を疑われるようなことは書かないようにしましょう。

ちなみに、最も無難なのは「趣味はスポーツ」と書くことです。なぜなら、スポーツをしている人はなんとなく爽やかで好印象ですし、趣味でストレス解消もできる優れた社会人というイメージがあるからです。

もちろん全くスポーツをしていないのに嘘を付く必要はなく、映画鑑賞や料理など、悪い印象を与えるものでなければ何でも大丈夫です。

(NG例)
趣味はゲームです。最近はオンラインゲームにとてもハマっており、つい時間を忘れるほど熱中してしまいます。

「ゲームが趣味の人は、性格が暗い」と思われる可能性があります(そうでなくでも、そう思ってしまう面接官も存在します)。

本来趣味に優劣はありませんが、そこは「面接のためのアピール」と割り切り、面接官に印象の良さそうなものを選びましょう。

(OK例)
趣味はバスケットボールです。学生時代もサークルで4年間バスケを続けており、他校のチームと何度も試合をしたので、スポーツを通して交流の幅を広げることができました
(OK例)
趣味は映画鑑賞です。最近では『○○』という映画を見て、私も映画の登場人物達のように、積極的に新しいことにチャレンジしたいと思いました。

スポーツは趣味の項目の典型例で、爽やかな印象と社交性をアピールすることができます。

映画鑑賞の方でも、そこから何を感じたのかなど述べられるとよいでしょう。

5.面接カードを書くときの注意点

面接カードを書くうえで、誤解をしたり悩んだりするポイントがいくつかあります。ここではその代表的なものを紹介します。

 5-1.内容に奇抜さや斬新さは不要

ありきたりな内容では差が付かないからといって、例えば奇抜なことや斬新な施策の提案などを書こうとする人もいますが、そうすると悪い意味で目立ってしまいます。

公務員の仕事は、地道で丁寧さが強く求められるものです。

内容は斬新なものでなくて良いので、具体的なエピソードによって説得力や個性を出していけばよいです。

 5-2.「です・ます調」で書く

文章は「で・ある調」ではなく「です・ます調」の方が謙虚な印象を与えるため無難です。

文体に決まりがあるわけではないので、「だ・である調」だと減点ということはないですが、公務員は、様々な住民に対して、ていねい・親切に対応していく仕事です。

したがって、面接カードでも「です・ます調」で書いて、ものごしの柔らかい感じ、ていねいな感じを出した方がよいでしょう。

*「だ・である調」で書いて合格している受験生は、非常に好感度の高い表情・話し方をする印象があります。

注意しなければならないのは、面接カードの中で、「だ・である調」と「です・ます調」を決して混ぜて書いてはいけないことです。うっかりでもいけません。

管理職公務員は、ひたすら部下の文書を推敲する立場にあります。内容はもちろん、形式面の誤りはすぐに気がつくものです。きちんと文章の形式をそろえましょう。

 5-3.嘘を付かない

自己PRや学生時代に頑張ったことなどはよく聞かれる項目ですが、「特に自信を持ってアピールできることなんてない!」という人は毎年一定数います。

しかし、だからといってありもしないようなことを書いてはいけません。

面接官は大量の面接カードを読むため、嘘を書くと違和感を感じ、悪い印象を与える恐れがあります。

また、面接カードの内容は面接の基礎になるので、面接で突っ込まれたときに解答に矛盾が生じ、嘘がバレる可能性もあります。

公務員試験の面接では特段素晴らしい経験や経歴を求められることはありません。なので、基本的にはありのままの事実を書くようにしましょう。

もしどうしてもアピールするような内容がなければ(深く自己分析をすれば絶対に出てくるのですが)、講師と相談してみることをおすすめします。

 5-4.内容だけでなく「形式面」も意識する

書かれている内容と同じくらい、「形式面」も大事です。

例えば、

  • 文字の濃さや大きさが適切か
  • 誤字・脱字がないか
  • 段落が揃っているか
  • 主語と述語が対応しているか

といった細かい部分にも意識をする必要があります。

「大事なのは見た目よりも中身だ」と考え、形式面を軽く見る人がいます。

しかし、面接カードは「書面の面接」と言われるくらい重要であり、形式を整えることは面接官に対する敬意でもあるのです。

受験生の立場としては、このような誠意を持って、きちんと形式も整えなければなりません。

6.面接カード作成についてよくある質問

面接カードを書いていると、いくつかの疑問点が浮かんできます。ここでは、よくある受験生の質質問について解答していきます。

6-1.「趣味がゲーム・ギャンブル」はアリ?

「趣味にゲームやギャンブル等を書いてはいけない」という決まりはありませんが、残念ながら面接官の中には、「ゲーム・ギャンブル=だらしない」というイメージを抱く人もいます。

偏見に聞こえるかもしれませんが、「少なくともそのように考える人もいる」ということは、否定できません。

ただ、ゲームやギャンブルで大会に出ていた、プロとして活躍していた、というのであれば話は別です。どんどんアピールしていきましょう。

そうでないのであれば、趣味も自己PRの一環と捉え、読書やスポーツなどアピールしやすい趣味があれば、そちらを記載したほうが無難と言えるでしょう。

 6-2.記入ミスしたら二重線で訂正して良い?

二重線の訂正はしても良いのですが、あまりに訂正箇所が多いと、読みにくさという点でマイナスの評価につながります。

そうならないために、コピーを取った上で何度も練習し、清書では絶対間違えない、という意識で臨みましょう。

ちなみに、修正テープを使った訂正は厳禁です。これは、誰が修正したのか判別できないからで、形式不備と判断される恐れもあります。

6-3.併願先は答えるべき?

受験生が併願していることは、面接官も重々承知しています。だから、併願先は正直に書きましょう。

もちろん、「第一志望ではない」とまで言う必要はありません。面接の際には「併願はしていますが、こちらが第一志望です」と、はっきり言えば良いです。

あとは、面接の内容で志望動機の強さが明確になるので、あまり気にする必要はないでしょう。

6-4.志望動機が「地元貢献」はNG?

特に地方公務員試験の面接対策では、「地元貢献のようなありきたりすぎる志望動機では、熱意が伝わらない」とも言われます。

しかし、必ずしもそうとは言えません。

確かに地元貢献だけでは弱いですが、過去のエピソードや貢献したい内容を具体的に書ければ、十分に熱意を伝えることができます。

つまり、「安易に定番の志望動機を貼り付けるのは良くない」ということで、自分なりに考え、個性を出すことができれば、志望動機が地元貢献でも問題ないのです。

7.まとめ

公務員試験は筆記試験が大変なので、つい面接対策を軽視してしまいがちです。
しかし、面接で落ちてしまうとそれまでの努力が無駄になってしまうので、ここで手を抜くわけにはいきません。

面接カードで聞かれている内容を本質的に理解して、きちんと対策できている人は少数なので、少しの努力で大きく差が付きます。

面接カードは書面上の面接と言われるくらい重要です。
面接カードを「単なる書類」と決して思わず、完璧なものを目指すようにしてください。

公務員試験の面接を突破するための練習方法|漫然と練習するのはNG

公務員試験の面接を突破するには、面接の練習が欠かせないでしょう。しかし、ただ漫然と練習を繰り返していても上達しません。

面接を上達させるためには、何のために練習するのかを理解したうえで、目的意識を持った練習をすることが大切です。

本記事では、効果的な練習ができるよう、練習の意味について考えたうえで具体的な練習方法・効果的な練習の仕方を紹介します。

なお、「面接の練習は必要ない」という人もいますが、面接重視の公務員試験では最低限の練習は必須ですので気を抜かないようにしましょう。

1.何のために面接の練習をするのかを考えよう

具体的な練習方法を紹介する前に、まずは「何のために」面接の練習をするのかを考えることが重要です。

漫然のただ面接の練習をするのではなく、練習する意味を理解したうえで後に紹介する練習方法を実践することで、確実に面接の練習の成果を上げることができます。

1-1.本番で緊張しないための練習の場である

面接の場の空気は、普段味わうことのない独特なものです。

そのため、ぶっつけ本番では緊張してしまうことで頭が真っ白になって、せっかく準備してきたことが何も言えなくなってしまう可能性は十分にありえます。

そうならないために、模擬面接などで予行演習をして面接に慣れておくことがとても重要なのです。

1-2.用意した想定問答集の精度を上げることを意識

自分で作った想定問答集は、何度も考えて作り込むため、完璧にできたと思ってしまいがちです。

しかし、他人から見ると多くの欠点がみつかり、指摘されて初めて気づくことも多いのです。実際にASK公務員では毎年多くの受験生が面接対策を受講しますが、ほぼ全ての方がダメ出しを受けることになります。

だからこそぶっつけ本番で練習するのではなく、事前にしっかりと想定問答を作りこみ、その上でフィードバックを受けることでブラッシュアップされていくのです。

1-3.面接官に正しく伝えられるコミュニケーション力を身に付ける

あなたが伝えたいことが面接官にうまく伝わらないことはよくあります。というより、そうしたことのほうが多いでしょう。

話がまとまらない、伝え方が上手くない、テンパってしまう、など理由は様々です。

こうした状態ではどれだけ素晴らしい内容を伝えても評価してもらうことができません。

だからこそ面接の練習でフィードバックを受けることが必要であり、自分自身の話し方や伝え方の問題点が浮き彫りになってくるのです。

そして改善を繰り返すことで面接官に伝わるコミュニケーションができるようになるのです。

2.具体的な面接の練習方法

以下では具体的に面接の練習方法について紹介します。

それぞれの方法でメリット・デメリットがあるので、自分自身の現状に合わせて練習してみてください。

2-1.想定問答集を用意して声に出して答える

公務員試験の面接では志望動機や学生時代に頑張ったことなど、よく聞かれる質問があります。そうした質問と回答をまとめた想定問答集を用意します。

想定問答をまとめている人は多いと思いますが、実際に声を出して質問に答えることが大切です。

いざ声に出して答えてみると、内容を思い出せなかったり話がまとまらなかったりと、思った以上にうまく話せないものです。

また、文章ではうまく書けたつもりでも、声に出してみると意外とわかりにくかったり、流れが矛盾していたりすることにも気付きます。

このように、声に出すということはわかりやすく話す練習になるだけでなく、想定問答集の精度を上げることにもつながります。

この方法は、時間さえあれば一人でいつでもできるというメリットがありますが、他人の意見を聞くことができないことがデメリットです。

そのため、さらに精度を上げるために、1人である程度練習を積んだ後は第三者からチェックしてもらうことをおすすめします。

2-2.ゼミや友人など、仲間と練習する

人に話して意見を聞くことで、話し方の癖など自分では気付かなかった点に気付くことがあります。

また、相手がある練習は緊張感があるため、真剣に取り組むことができ、想定外の質問に対して現場で考える力も身に付くのもメリットとして挙げられます。

一方で、ゼミや友人といった立場では、どこまで適切なアドバイスかがわからないことや、慣れてくると緊張感が低下するといったデメリットがあります。

こちらについても、一度は予備校などで緊張感が高い模擬面接を受け、公務員試験に熟知した講師からフィードバックをもらうことで、このデメリットに対処しましょう。

2-3.予備校・ハローワーク等の模擬面接を受ける

予備校の公務員試験対策のコースには面接対策が含まれることが多いです。

その中で行われる模擬面接は本番の面接に近い形で行われるため、本番さながらの緊張感のもとで練習をすることができ、その都度講師からフィードバックをもらうことができるので自分に足りない部分を補うことができるというメリットがあります。

また、厚労省の運営するジョブカフェでは無料で模擬面接を受けることができるので、予備校に通っていない方はこちらを利用してみるとよいでしょう。

独学で公務員試験対策をしている人でも、一度はこうした対策をしておくことをおすすめします。

デメリットというより注意点になるのですが、模擬面接をする人は面接対策のプロではないこともあるということもある、ということは頭に入れておきましょう。

予備校であれば他の科目を教えている講師が対応したり、ジョブカフェであれば一般職員が対応することも。そのため、面接について必ずしも納得のいくアドバイスをもらえないこともあるということは知っておくべきでしょう。

なお、ASK公務員では公務員試験対策のプロが受験生の課題に合わせたマンツーマンの面接対策を実施していますので、しっかりフィードバックをもらいたい方はぜひご利用ください。講座の詳細はこちらのページからご覧いただけます。

2-4.民間企業の採用面接を受ける

民間企業の採用試験に応募して、実際に面接を受けるという方法もあります。

この方法は、実際に面接試験を受けるため緊張感があり、場慣れするという点においては大きなメリットがあります。

一方デメリットとしては、面接採用者の立場や求める人材などは民間と公務員では根本的に異なるところです。そのため、民間企業の面接でうまくいったからといって、そのまま公務員試験の面接で活かせるとは限りません。

また、民間企業用の企業研究や想定問答集作成に時間をかけることで、公務員試験対策に割く時間が減ってしまうというリスクもあります。

そのため、民間企業の面接は場馴れのためと割り切り、結果はあまり気しないことと、時間をどのくらい当てるかあらかじめ決めておくことが重要です。

2-5.家族に協力してもらう

毎日会う家族であれば、友達以上に手軽に練習することができるので、繰り返し練習をこなすことができます。企業勤めの長い親であれば、社会人目線の有益なアドバイスも聞けるでしょう。

このように、家族に協力してもらう方法は、手軽さと有益性を兼ね備えており、意外とメリットが多い練習方法といえるでしょう。

デメリットとしては、近すぎる関係だからこそ、主観が入りすぎてしまい意見に偏りが生じるおそれがあることです。

そのため、あくまで一つのアドバイスととらえ、実際には面接対策のプロからの意見をもらうことが大切です。

3.より効果の高い練習をするために

ここまで具体的な面接対策の方法を紹介してきましたが、最初にお伝えした通り、これらを漫然とこなしていても、高い効果は得られません。

そこで、面接の練習をより活かす方法を紹介するので、これから紹介する方法を常に意識して、効果の高い練習をしてください。

3-1.目的意識を持って練習に取り組む

初めにも言いましたが、練習をするときは「何をどうしたいのか?」という目的意識を常に持ちましょう。

自分の現状を正しく分析して、足りない部分を特定し、練習から何を得るのかを明確にすることが大切です。

志望動機が甘いのか、表現力が足りないのか、まだ緊張してしまうのか。このように課題をきちんと意識して取り組めば、効果の高い練習ができるでしょう。

3-2.練習している場面を録画する

練習している様子を録画し、後から自分の姿を見直すことで、自分が面接の場でどのように見えているのか客観視できます。そうすると、頭で考えるよりも的確に改善点を見つけることができるのです。

録画は一人でもできますが、他人と練習しているところを録画すれば、さらにリアルに面接場面を見直せるでしょう。

今ではスマホで簡単に録画ができるので、ぜひ利用してみてください。

3-3.本番だと思って真剣に取り組む

面接の練習は、回数をこなすと慣れてきて、つい漫然と練習をこなしてしまいます。

しかし、本番を意識することで頭をフル回転させることになるので、自分の現状の課題がよく見えてきます。そうすると当然、練習から得られる効果も大きくなります。

予備校の模擬面接では本番さながらの面接の状態を体験できますが、身内・友人との練習であってもリアルに本番を意識するようにしてみましょう。

4.まとめ

面接の練習方法を紹介しましたが、練習をすることは目的ではありません。

最終的な目標は、面接を上達させ本番で力を発揮し、面接試験に合格することです。

そのことを忘れずに、合格から逆算して目的意識を持った練習をしましょう。

公務員試験においての面接対策は、不十分になりがちです。しかし、きちんと対策をすれば確実に力が付いていくので、疎かにはせずしっかりと対策をしましょう。

ぜひ今回紹介した方法を実践して、ライバルに差を付け、面接試験を突破してください。

▼参考記事

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社会人が公務員試験の面接を突破するために重要なこと

公務員試験において面接対策が重要なことはご存知の方も多いでしょう。

公務員試験の多くで(特に地方公務員は)筆記試験よりも面接試験の方が、配点が高く設定されているからです。

例えば特別区の試験では、筆記試験で8割程度得点できたにもかかわらず、二次試験(面接)の出来が悪いと不合格になるケースが珍しくありません。

しかし、社会人の方はなかなか時間の確保が難しいでしょう。筆記試験の対策との両立も大変かと思います。

そこで、今回の記事では、社会人の方向けに公務員試験の面接をどのように対策すべきかを紹介していきますので、面接対策に困っている方は参考にしてみてください。

1.社会人が公務員試験の面接で合格するための対策方法

まずは、社会人が公務員試験の面接で合格するのに必要な基本についてお話します。

1-1.面接対策は早めに開始する

よく公務員試験の面接対策は「筆記試験が終わったあとから始めれば大丈夫!」と言われています。

特に民間企業で営業などをしてコミュニケーション能力が高い人ほどそう思われるかもしれません。しかし、この意見を鵜呑みにするのは非常にリスクが高いでしょう。

公務員試験は筆記試験よりも面接試験の方が配点が高く設定されているケースが多く(特に地方公務員は)、また民間から公務員への転職の場合は特に「転職理由」について鋭く面接で突っ込まれます。

そして、社会人受験ならではの質問にうまく受け答えをするには、十分な自己分析や面接の練習が欠かせません。そしてこうした対策について、筆記試験合格後の短い期間では、特に時間のない社会人にとっては、トレーニング不足に陥る可能性が非常に高いのです。

確かに筆記試験を突破しないことには、面接試験を受けることすらできないというのは事実です。とはいえ、本当に面接が得意な人であっても筆記試験終了後から面接対策を始めるのは遅いといえます。

特に面接に対して苦手意識がある場合は、半年前くらいからでも少しずつでも面接対策を始めておくことで直前に慌てなくてすみます。ASK公務員の面接対策講座にも「短期集中講座」はありますが、最後のブラッシュアップ、確認がメインとなりがちです。時間に余裕がある方は、「中長期講座」をご検討ください。月に2回の受講からスタートが可能です。

 

1-2.公務員試験用の面接対策本を読む

公務員試験向けの面接対策本を読むことも重要です。

今やネット上に面接対策の情報はあふれているので、ネットでの情報収集をしている方も多いかと思いますが、やはり本は体系的に対策方法がまとまっているので1冊でも持っておくべきです。

面接対策の本は山ほどありますが、民間企業と公務員試験の面接は異なるポイント(特に質問への回答について)が多々あるので、公務員試験用の面接対策本を選ぶことをおすすめします。

面接対策本で面接の基本を学んだら、あとは実践とブラッシュアップを繰り返しましょう。

1-3.予備校やジョブカフェで面接練習をする

社会人の方であれば一度就活をしているので理解されているかと思いますが、面接対策は自力で行うよりも第三者からのフィードバックをもらいながら進めたほうがよいでしょう。

  • 正しい姿勢がキープできているか
  • 声の大きさは適切か
  • 発言内容に矛盾がないか

こうしたポイントは、客観的な視点がないとチェックが難しいです。

予備校に通っている方は面接対策も実施してもらえると思いますが、予備校に通っていない方でもジョブカフェなどを利用することで面接対策をしてもらえます。

ジョブカフェの利用者は若年層の方が多いですが、35歳以上の方でもサポートを受けられるので、恥ずかしがらずに利用しましょう。ただし、ジョブカフェは公務員試験対策のプロではないので、一般的な面接対策になる可能性があることは頭に入れておきましょう。

ちなみに、ASK公務員では「面接対策だけをしたい」というニーズにお応えした面接対策講座を実施しています。詳しくはこちらのページをご覧ください。

1-4. 自分が質問に答えている場面を撮影してチェックしてみる

スマートフォンの撮影機能も日に日に進化しています。例えば同じ質問に固定し、何回か動画に映る自分の表情、視線の動き、そうしたものを継続してチェックしてみるとよいでしょう。日に日に進歩しているところが自分で確認できれば、それ自体がモチベーションの維持につながります。またこうした動画メディアがあれば、ほかの人にチェックしてもらうことも容易です。

2.社会人が公務員試験の面接試験本番で気をつけるべきポイント

公務員試験の対策をしっかりやったとしても、面接試験本番で力を発揮できなければ合格することは難しいでしょう。

ここでは特に社会人の方が公務員試験の面接試験本番で気をつけるべきポイントについてお伝えします。

2-1.前職を辞めた理由と、なぜ公務員を志望するのかを説得的に述べる

社会人は面接試験では「前職を辞めた理由」と、「転職(退職)してまで公務員を志望する理由」はよく聞かれます。

ですから、これらについては事前に説得力のある回答を考えておいてください。

回答を考える際のポイントは、自分の意見に対し自分で反論を考え、それに対する反論(「それって今の会社でもできるよね?」というもの)までしっかり考えておくことです。

そこまで深く考えておくことで、説得力のある回答をしやすくなります。

とはいえ、いくら自力で対策をしても、いざ突っ込まれると頭が真っ白になって答えられないケースはよくあるため、模擬面接でしっかりと対策しておくことも重要です。

ASK公務員のYoutubeチャンネルも参考にしてみましょう。

2-2.前職の実績をアピールし過ぎて、凝り固まった印象を与えない

社会人の強みとして、これまでの仕事での実績をアピール材料として活かすことができるということが挙げられます。

しかし、前職の実績のアピールに過ぎてしまうことで、過去の実績に固執し凝り固まっているという印象を与えてしまうので注意が必要です

公務員に必要な資質として「柔軟性」が求められます。

そのため、前職の実績をアピールしつつも、新たな環境でも対応できる柔軟性のある人材であることもアピールするようにしましょう。

3.社会人が公務員試験の面接試験でよく聞かれる質問と回答例

公務員試験の面接では様々なことを聞かれますが、社会人が聞かれやすい質問は存在します。以下に質問と回答例を紹介しますので、参考にしてみてください。

新卒の時はなぜ公務員に就職しなかったのですか?

OKな回答例:新卒の時は、自分のやりたいことがはっきりわからず前の会社に就職してしまいました。もっと真剣に将来のことについて考えるべきだったと反省しております。

新卒で公務員にならなかった事実は変えられないので、質問についてただ答えるだけでなく、反省をしているという誠実な姿勢を見せられるとよいでしょう。

なぜ民間企業ではだめなのですか?

OKな回答例:民間企業は営利目的であるため、どうしてもお金を持っている特定の人にサービスが偏ってしまいます。一方で、公務員は地域の住民の方々に等しくサービスを提供できるので、その点を魅力に感じました。

NGな回答例:自分のやりたい〇〇は今の会社では実現できないと思ったからです。

こうした質問は聞き方の違いはあるものの、「やりたいことが公務員でないとできない」ということを伝えてください。単に「今の会社ではできない」だけだと「他の民間企業だとできるのでは?」と思われてしまい説得力が低いでしょう。また、こういった質問については、実際の公務員の仕事を調べることで厚みのある回答がつくれます。1-2でも挙げた公務員試験対策本も是非参考にしてみてください。

今までの経歴を教えてください。

OKな回答例:〇〇に〇年間勤めてきました。入社して〇年間は、主に〇名ほどのプロジェクトチームのメンバーとして従事しました。私が担当したのは、〇〇です。プロジェクトを進めるにあたって、〇〇に気をつけました。その結果、〇〇という結果を出すことができました。

NGな回答例:〇〇を〇年間やりました。そのあと、〇〇を〇年間やりました。

これまでの経歴を伝える際は、単に何をやったかだけでなく、「どういう成果を残したのか」を伝えましょう。面接官はどんな仕事をしてきたのかということ以上に、「どう公務員として貢献できるのか」を知りたいからです。

転職についてどなたかに相談しましたか?

OKな回答例:はい、私は両親に相談しました。その結果、自分の人生なんだから好きなようにしなさいと背中を押してもらうことができました。

相談した、していない、どちらが正解ということはありません。ただ、壁にぶつかったときに相談できる相手がいるということは、いざ公務員として働く際にストレス対策ができるのでは、という評価にもつながります。

仕事が上手くいかないときどのように対処してきましたか?

OKな回答例:そのようなときは上司や同僚に相談していました。自分の頭で考えることも大事ですが、客観的なアドバイスをもらうことで自らの思考の欠点にも気がつくことができますし、より周囲の状況も踏まえた問題解決につながると考えたからです。

NGな回答例:特に対処はしていません。がむしゃらに仕事に打ち込んでいればそのうち何とかなると思っていたからです。

仕事での問題は必ず発生しています。そうしたときに問題を迅速かつ適切に解決するには上司などに相談することは欠かせません。問題解決力やコミュニケーション力が見られる質問でしょう。

給料は下がっても大丈夫ですか?

OKな回答例:その点は当然自らで調べ、考え、家族とも相談したうえで公務員を志望しております。確かに給与も生きていくために必要ではありますが、公務員に転職したとしても生活ラインは保てることを調べてあります。それよりも、公務員として働くことによる自己実現と社会貢献を重視したいと考え、希望しております。

NGな回答例:それは正直困りますね。今の月の生活費が〇〇くらいで、前職の会社でカツカツだったので、それ以上下がると生活が厳しいです。

もちろん給料は下がらないほうがいいですが、あまりに正直に伝えるのも避けるようにしましょう。

以上、社会人がよく公務員試験の面接で聞かれる質問例を紹介しました。

社会人に限らずよく聞かれる質問については、公務員試験の面接で聞かれる定番の質問の答え方の記事で紹介していますので、こちらもチェックし対策をしてください。

4.社会人が公務員試験の合格率をさらにあげるためのポイント

面接対策以外にも、社会人が公務員試験の合格率を上げるポイントがあります。では、どんなことをすれば公務員試験の合格率が上がるのでしょうか。

4-1.経験者(社会人)採用をしている自治体を目指す

自治体によって、人材の採用方針は異なります。中には、社会人の方にとっては嬉しいことに、「経験者(社会人)採用」というかたちで、社会人を積極的に採用したいと考えている自治体も多くあります。

これは、学生などが受験する「高卒試験」や「大卒試験」とは異なり、民間企業等での職務経験がある社会人が受けられる試験となっています。

特に最近は、民間企業で培ったスキルを公務に生かしてほしいと考える自治体も増えてきており、社会人でも受けやすい試験が増えているのです。

自治体によって必要な業務の経験年数や要件は異なりますので、ホームページでしっかりと情報収集しましょう。

▼参考記事

社会人が受験できる公務員試験の内容と採用後の待遇について

 

4-2.専門試験が課されない自治体を受験する

社会人の方は学生の方と比べ、公務員試験対策に割ける時間が絶対的に少なく悩んでいる方も多いかと思います。

仕事が忙してなかなか時間を取れない!という人は、筆記試験において専門試験が課されない(教養試験と論文・作文のみ)が課される試験の受験を検討してみることもおすすめです。

民法や経済学などの専門科目は内容が難しく対策にも時間がかかります。専門科目がないというだけで筆記試験にかける時間が大幅に削減することができるので、限られた時間の中でも必要な科目に充分な時間を割くことができます。

先述した経験者採用試験の場合は専門科目がない場合が多いので、この枠の受験を考えるのであれば筆記試験は自ずと教養試験のみになることが多いでしょう。

注意点としては、教養試験だけの場合、筆記試験の通過率は高くなるものの、面接試験の倍率は上がる傾向にある、ということです。

こうした試験の場合、筆記試験は足切り程度に扱われ、論文や面接試験で一気にふるいにかけるケースが多いです。

筆記試験は苦手だけど面接は得意、という受験生も増えるため、もしあなたが面接が苦手であるならより一層面接対策が必要となるでしょう。

まとめ

以上、社会人が公務員試験の面接試験で合格するための対策についてお伝えしました。

面接対策は筆記試験とは異なり、対策を考えると本当にキリがありません。それだけに、対策はなるべく早い時期から始めていただきたいと思います。

毎年「もっと早い時期から面接対策を始めるべきだった」と後悔する方が後を絶ちません。

この記事を読んでいただいた方には、そのような後悔をしてほしくないのです。

筆記試験対策の気分転換として、今から1日10分でも面接対策をコツコツと進めていきましょう!

【試験種別】絶対に合格するための公務員の志望動機の考え方

公務員試験の第一関門は筆記試験ですが、実際に内定をもらうためには面接試験を突破しなければなりません。
毎年、筆記試験が足切りぎりぎりだった受験生が、面接試験で一発逆転で最終的には上位合格をしていくことがよくあります。
一方で、筆記試験では高得点だったのに、面接試験だけで不合格になってしまう受験生もいます。

特に地方公務員の試験での面接重視が顕著になっているようです。自治体によって
①筆記試験が合格したあとは一度点数がリセットされて、面接試験の点数だけで最終合格を出す
②筆記試験の点数がリセットされないとしても、2次面接、3次面接の配点比率を非常に高く設定している
といったパターンが存在します。

面接の配点方法について公表しているところと、そうでないところに分かれます。また、採用年度によって方法が変わることがありますので、受験先の受験要領でしっかり確認していただきたいと思います。

今回は、面接の基礎資料となる面接カード(エントリ—シート)や、面接の必須項目である「志望理由」について確認していきます。

1 志望理由の作り方(総論)

1-1 なぜ民間企業ではなく公務員か

面接カードに直接記載する必要はありませんが(文脈の流れで書くこともあるでしょう。)、実際の面接で定番の質問が、「民間企業ではなくなぜ公務員なのですか?」です。
この質問を全員が用意しているのを見越してか、実際には質問されないことも多いようですが、必ず自分の考えを明確にしておきましょう。

そもそも、なぜみなさんは公務員試験を受けるのでしょうか?まずはよくある本音を見ていきましょう。

本音①「公務員は安定しているから。」

では、本当に安定しているといるでしょうか?
最近、ある地方公務員が仕事ができないという評価を受けて解雇されるという報道がありました。
また、近年、国家公務員も含め各自治体で給与は軒並み下がっており、15年前に比べて平均年収が約200万円下がったという数値を公表している自治体もあります。
親世代の公務員に比べ、安定性は少しずつ揺らいでいるようです。

本音②「プライベートの時間を取りたいから」

公務員はワークライフバランスがしっかりしていて、アフターファイブは自分の時間に使えると考えている方も多いでしょう。
たしかにあまり残業のない役所・部署も多くあるようです。

しかし、中央省庁の国家公務員は終電ギリギリまで働く人がたくさんいます。本当は終電以降も仕事をしたいけど、タクシー代が払えないから終電にかけこむという事態もよくある話です。
また、市役所等でも部署によっては、終電まで仕事や土日出勤もあります。しかも予算の関係で残業代が半分も出ないこともあります。

このように、この御時世、公務員として働くということは結構大変なことがたくさんあります。
もちろん働く場所によって異なるので一概には言えないですが、とにかく「民間企業より公務員の方がラク」という考え方は捨てた方がよいでしょう。

また、間違っても面接試験で言ってしまわないようにしましょう。
面接試験で、面接官と意気投合し盛り上がってしまったあげく、素が出て本音を言ってしまう、という受験生が少なからずいます。調子にのりやすい人は少し注意をしておいたほうが良いでしょう。

それらしい理由だけどダメな志望理由「民間は利益を追求するが公務員はそうではないから。」

なぜ利益追求がだめなのでしょうか?利益追求がなければ、社会経済は停滞し、税収も上がらず、その結果行政サービスを行うことができなくなってしまいます。

また、公務員の事業の財源は税金です。その予算は限られており、その中で最大限のパフォーマンスをしなければ国民は納得しませんし、お金の使い道は常に国民の目にさらされます。公務員は国民(住民)のために最大限の利益を追求できる事業を行わなければならないともいえるわけです。

お金を使って事業を行う以上、やはりどんな形であれ利益を追求することは必要でしょう。

とはいっても、たしかに民間企業は「特定の商品の利益」をあげるために様々な手段を駆使します。公務員も利益追求することはあるけれど、民間企業とはまた違ったものになります。
民間企業経験者はその点を、経験をふまえて説明できれば、むしろ面接官は「なるほど」と納得してくれるはずです。

では、民間企業との違いをどのように考えればよいか?

基本的に、「公務員でなければできないこと」を自分の経験を交えて考えることがよいでしょう。

この点、国税専門官や裁判所事務官などの専門職は非常に簡単です。なぜなら、税金(国税)の徴収は国税専門官にしかできません(銀行や金融機関はできません)。
裁判手続の仕事は裁判所職員にしかできません。
同様に、専門分野を扱う国家公務員も比較的簡単です。入国管理業務は入国管理官しかできませんし,通信の管理・統括は総務省に入らなければできないわけです。

一方、地方公務員については若干注意が必要です。

たしかに、福祉や雇用政策は地方公務員の仕事のひとつです。しかし、それは民間企業や非営利団体では本当にできませんか?
ということを念入りにチェックしていただきたいと思います。

1-2 公務員として何ができ、何をしたいのか

たとえば、福祉や雇用政策について自治体は民間企業や非営利団体の協力を得て行っています。そうすると、公務員ではなく民間企業に勤めてそこで力を発揮すればよいということにもなってきます。

そこで、「公務員の立場で何ができ、何をしたいのか」を明確にする必要が出てきます。

公務員は何ができるのか、というのは実際に働いた人にしかなかなか分かりません。しかし、自治体のホームページや広報誌などで、どんなことを自治体が主体となって行っているかは確認ができます。また、実際に働いている人に仕事の話を聞くこともあるかもしれません。
最近は、自治体でインターンシップを行ったり、業務説明会も積極的に行っています。そこで現場で働く職員の生の声を聞くということは非常に有意義です。

(この調査は予備校に頼らず、きちんと自分の手足を使って情報収集をすることをおすすめします。なぜなら、ヒトから聞いた話は聞く段階で情報が歪曲してしまうこともあるからです。)




2 試験種別「志望理由の例」

ここからは、試験種別の志望理由の例を具体的にみていきたいと思います。

2-1 地方公務員(都道府県・市町村・特別区等)

地方公務員の面接では、その自治体でなければならない理由をしっかり伝えられることが求められますが、それが一番難しくて受験生としては非常に苦労するところです。

さらに、面接カードは様々な形態をとっており、志望動機欄がたった2行のところもあれば、5〜10行程度書かなければならない自治体もあります。
たった2行であれば、記入自体は抽象的になってもやむをえませんが、しっかり口頭で説明できるように、文字にして用意しておくようにしておきましょう。

具体的には次のような内容を入れていくことで具体的にすることができます。

①志望自治体の仕事を知ったきっかけを入れる

【回答例】
〇〇市のインターンシップに参加し、職員の方から〇〇県が取り組んでいる〇〇という政策に興味をもったのがきっかけです。

※インターンシップでなくても、大学や予備校主催の業務説明会に参加し、話を伺ったということでも良いでしょう。様々な話の中で、どの点に興味をもったかを示すことが大切です。

②志望自治体の魅力(やってみたい仕事)を政策面から考える

【回答例】
〇〇市が力を入れている「子育て支援」に特に感心をもちました。〇〇市では、現在合計特殊出生率が1.23と全国的にも低い水準になっています。これを改善するために、市の職員として市民の声をしっかり聞きながら、こどもを産みたくなる環境、育てやすい環境を整備していきたいと考えています。

③やりたい仕事についてどのような点で貢献できるかを考える

【回答例】
(観光振興に携わりたいというのを前提に、)大学で学んできた国際的な視点や外国への理解を活かして、〇〇市に貢献したいと思います。

※各自治体のホームページをみれば、必ず政策ビジョンの記載があるはずです。その中で、自分が一番ぐっとくる政策は何か考えてみて下さい。観光振興でも、雇用促進でもなんでもOK。できれば、その政策において、自分のどんな点を活かせるかも示せるとよいでしょう。

【注意点】
都道府県と政令指定都市、市町村、特別区の役割はそれぞれ異なることを明確にしておきましょう。

たとえば、市民の声をしっかり聞き、狭い範囲で地域に根ざした政策をすすめたいなら政令指定都市を含む市町村・特別区になるでしょう(政令指定都市でも、広い権限が委譲されていますが、やはり市民に非常に近い立場で仕事をします)。

一方、都道府県は広い範囲を管轄します。その都道府県にあるたくさんの市町村を束ねる役割があり、国と市町村との調整役となることもあります。災害対策では大きな役割も果たすことになります。

また、東京特別区は23区とも大きな個性を出していますが、区として連携したり、刺激し合って業務改善をしているという魅力があります。

自分はどの立場で仕事をしていきたいのかを意識しておくと、面接でも面接官を納得させることができます。

2-2 国家一般職(行政職)

国家一般職の面接カードでは、「志望動機・受験動機」の欄が2行弱。さらに、「志望官庁等」を2つまで書けるようになっています。
たった2行弱しか書けませんので、以下のように抽象的でもやむをえませんし、この程度の記載でも合格しています。

【記入例】
国民一人一人が安心して暮らすことのできる社会基盤を作ることに貢献したいと考え志望しました。

【ポイント】
志望動機の横に記入する「志望官庁等」の仕事の性質に合わせた志望動機を書けるとよいでしょう。
たとえば、厚生労働省や労働局を志望している方は、上記の記入例の「安心して暮らすことのできる」と矛盾しません。

この面接カードをもとに、実際の面接では志望動機を具体的に尋ねてきます。

【質問】
「安心して暮らす」ってどういうことですか?

【回答例】
「私は特に労働局を志望しているのですが、だれもが安心してくらせるための一つとして、できれば正規雇用で待遇の整った環境で働き給与を得て行くことが必要になります。日本ではまだまだ雇用が安定しているとはいえないので、雇用の支援を通じて貢献したいと考えています。」

このように、志望官庁の志望動機と絡めて回答すると,具体性が増してきます。人事院面接までに業務説明会などが頻繁に行われますので、そこで職員の説明を聞き、またたくさん質問することで志望理由をかためていってください。

2-3 国税専門官

国税専門官の面接カードは、だいたい3〜4行で書くスペースになっています。面接自体は例年15分程度と短いので、地方公務員と異なり根掘り葉掘り志望動機を聞かれることは少ないようです。

以下の点に注意して、志望動機をまとめてみましょう。
①なぜ税に興味をもったのか
②なぜ専門的な仕事をしたいのか
③どんな点に貢献して行きたいかor貢献できるか
等に触れられればよいでしょう。

何か特別なことを書いたほうが良いかと心配している受験生も多いですが、国税専門官という専門的な仕事柄、多くの受験生が似たような面接カードになりますがそれでも問題なく合格しています。

【回答例】
業務説明会に参加し、国を運営するために必要な基盤となる「税」を、専門的な知識に基づいて、適性・確実に徴収していくという国税専門官の仕事に大きなやりがいを感じました。様々な納税者と向き合う際には、これまでのアルバイトなどの経験を活かして、納税の必要性をわかりやすく丁寧に説明し納税してもらうことに貢献できると考え志望しました。

2-4 裁判所事務官

裁判所事務官の面接カードは、【裁判所職員を志望した動機】でだいたい4〜5行、【裁判所職員としての抱負(取り組んでみたい仕事、あなたが貢献できること等)】で3〜4行で書くスペースになっています。
新設にも2つに分けてありますので、それぞれに対応した形で記載するように注意してください。なお、国税専門官と同様、専門職になるので多くの受験生と似たような面接カードになることも多いでしょう。

しかし、国税専門官と異なり面接時間25〜40分程度とだいぶ長い時間をとっています。したがって、人によっては志望動機をかなり掘り下げられるということがあります(全く聞かれない人もいますが、これは面接官によります。同じ面接官でも聞いたり聞かなかったりするため、聞かれて困らないよう必ず用意しておきましょう)。

①「裁判所職員を志望した動機」

【回答例】
大学で法律を専攻し、法律を使った仕事に興味をもち裁判所職員という仕事を知りました。裁判傍聴や説明会に参加し、当事者の生活に大きな影響を与える裁判に、中立・公正な立場で携わり裁判を円滑に進行していくという裁判所職員の役割に魅力を感じ志望しました。

◼︎ポイント
次の欄に「やってみたいこと」を述べなければならないので、ここでは、志望動機(きっかけ)だけを述べて下さい。

具体的には、
①裁判所職員の仕事をいつ知ったか、どこで知ったか(裁判所職員の仕事はマイナーなため)
②裁判傍聴や説明会で、裁判所の役割もしくは裁判所職員の役割をどう感じたか
※弁護士や検察と異なり、一方当事者に肩入れすることはありません。つまり常に中立公正の立場です。
※事件の解決は裁判所にしかできません。その裁判所を運営する人も絶対に必要になります。
このような点を意識するとよいでしょう。

②「裁判所職員としての抱負(取り組んでみたい仕事、あなたが貢献できること等)」

【回答例】
刑事部での仕事に興味があります。特に裁判員裁判では、一般の方が来庁され様々な不安を抱えていると思います。その際に、わかりやすい説明や丁寧な接遇をすることで、安心して参加していただけるよう努めていきたいと考えます。また、すべての職務において的確に処理していき適正な裁判運営に貢献していきます。

◼︎ポイント
まず、民事部・刑事部・家事部など、興味のある分野を示すと書きやすいでしょう。たとえば、大学で民法のゼミに所属していたなら、ゼミを通じて民事事件に興味をもった、という内容でも説得力があります(民法の基本的な知識を生かしたいという貢献度も示せます)。
民事・刑事のように細かく分けなくても、「裁判部」でも問題ありません。裁判手続に携わりたいこと、そこでは何が活かせるのかを示して下さい。

3 まとめ

これから一生の仕事とする公務員の仕事です。志望動機がふわふわしている人は、せっかく入庁しても退職してしまうことがあります。退職しなくても、やる気がおきずにグチだけ言って勤め続ける人もいます。
これは、その公務員にとっても、採用側にとっても、ひいてはその自治体や国にとってもデメリットにしかなりません。しかも、その公務員には「税金で」給与が払われているわけです。

したがって採用時には、面接官は「熱意」をもって働き続けてくれるひとをとにかく採用したいと思っています。
志望動機で、①仕事を理解していること、②その仕事にどうしても携わりたいという熱意を感じること、を面接官に示せれば、志望動機の点ではクリアするでしょう。

そのためには、説明会やセミナーなどに参加し、自治体や人事院で出しているパンプレット(最近はとても立派なものが用意されています)を熟読し、どんな仕事ができるのか、どんな仕事に興味があるのかというのを、しっかり自分の心に問いかけていってほしいと思います。

また、質問は他にも様々なことを聞かれます。よく聞かれる質問への対応策を知っておきたい方は公務員試験の面接で聞かれる定番の質問の答え方を参考にしてみてください。